アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

森本千絵の類いまれなる才能

アートディレクター森本千絵。博報堂から独立して「goen」という会社を起こした。
広告批評4月号は彼女の特集である。

森本千絵は広告の世界において、普通であれば難しい独自の世界観が作風に表れる数少ないアートディレクターだ。

この特集の中で、数々の人と対談しているが、その中のひとりが日本料理「かんだ」の料理長、神田裕行氏。

彼が西洋料理と日本料理の違いを興味深く述べているのでここに紹介する。

「西洋料理は油絵というか、まぁオーケストラですよね。おいしい肉を焼いて、付け合わせはこうで、その上にソースをかけてというふうにいろいろな音が重なり合っている。でも、日本料理って、ひと筆書きというか、書道のようなところがあるんですよ。真魚鰹を幽庵に漬けて焼いているだけなんだけど、食べるとフワーっと味に広がりがあるとか、鯛のお刺身にちょっと塩を付けて食べたら鯛の香りが引き立つとか。どっちかというとソロ演奏。ソロだと一音一音がお客様の耳にダイレクトで届くから、失敗が許されない怖さみたいなものがあるんですよね。」

彼の考える日本料理のように、森本の世界も省くことを前提にできあがっている。

ただ彼女曰く、自分が求めるシンプルさとは必ずしも要素が少ない訳ではなく、複雑な構成であってもメッセージがスーッと入っていくものを良しとするとの事。

彼女の作った広告には共通する潔さが感じられる。
女性の持つ繊細さと男性的な大胆さ、そのバランスが彼女にしかできない世界を創造しているのだろう。

余談ではあるが、広告批評は来年3月号、創刊30周年を持って休刊する。
私自身にとっては、20歳の時のポパイの創刊とこの広告批評の創刊はエポックであり、日本の成長の象徴だったように思う。
そのひとつが休刊となることは時代の流れを感じずにはいられない。

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