アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

気仙沼ニッティング物語。応援したくなる会社の作り方。

御手洗珠子さんが書いた「気仙沼ニッティング物語〜いいものを編む会社」を読んだ。

気仙沼ニッティング物語

震災地、気仙沼発のニットブランド「気仙沼ニッティング」。
メイン商品の手編みのアランカーディガンがなんと1着15万円!それでいて、注文待ちの人が現在200人以上いるという。

ちょうど昨夜、カンブリア宮殿で取り上げられ、ご覧になられた人も多いのではないか。今日あたりはサイトへの来訪者が一気に増えていることだと想像する。

その気仙沼ニッティングの社長が本書の著者、御手洗さんである。動いている御手洗さんをテレビではじめて観たが、その印象を一言で言うと「聡明な人」。

それもそのはず、最終学歴は東京大学。新卒でコンサルティング会社のマッキンゼーに入った、いわゆる超エリートだ。
しかし、その会社を2年少しで辞め、今度はブータン政府に雇われ初代首相フェローとして勤める。
そして任期切れを間近に控えた頃、東北の大震災が起こった。

被災地のために何かできることをしなければと帰国。
次の道を模索していた時、以前から知り合いだったという糸井重里さんに「編み物の会社を立ち上げたい、ついては社長をやってみないか?」と誘われ、引き受けることになったのだ。

御手洗さんは、まだ31歳。大企業でいえば、やっとビジネスのことがわかってきた程度の若輩であるが、本書を読んでもテレビを観ても、この人にとっては年齢はほとんど関係ない。
逆に言えば、若さが武器となって、回りが巻き込まれていく、そんな根っからの才能を持った女性という印象を抱いた。

もちろん、糸井さんのバックアップもあるし、年長者のサポーター、編み手に恵まれたこともあるだろう。しかし、それを差し引いても、彼女の事業を俯瞰して見る能力、実行力、そしてそのベースにある、ぶれない想いの強さは余人をもって替えがたいのだ。

御手洗さんは気仙沼で起業するメリット・デメリットを本書でこう記している。

メリット
1.周りの人に助けてもらえる
2.多くの人にとって未知な分、興味を持ってもらいやすい
3.賃料が安い
4.地域の街の中で存在感を持ちやすい

デメリット
1.大消費地から遠い
2.人が少ない?(働き手の確保が難しい)

メリットを活かし、デメリットを克服し、企業をどう軌道に乗せて行ったか。
時間的には短いが、かなり濃密な物語がそこにある。

彼女は自身の仕事を「種を蒔き、木を育て、森を作るような仕事」と話す。

立ち上がったばかりの企業としては、もちろん利益を上げて会社を存続させることが最重要課題だろうが、そのあたりは眼中にもないように思える。見据えているのは、もっと先、大きなビジョンが彼女を駆り立てているのだ。それがこの仕事観につながっているのではないだろうか。

極め付けは本書にも登場するこんなエピソード。

事業を急成長させた、とあるIT企業社長からこう言われたという。

「すでにそこそこ名前は知られているから、セーターやカーディガンにこだわらず、いろんなものにブランドをつければオンラインで売れる。それでSEO、 SEMをガンガンにやれば、一気にスケールアップできるよ!」

それに対して彼女はこう考えた。

「確かに1,2年は売上が急増するかもしれない。けれどそれでは100年続く事業には育てられないでしょう。それは、気仙沼ニッティングがこれまでお客さんから得てきた信頼を、短い時間で使い切るような話だからです。信頼は、築くのには時間がかかりますが、なくなる時はあっという間です。」

どうだろう、こう言い切れる経営者がどれほどいるだろう。

こんな彼女だから、気仙沼ニッティングの今日がある。
想いに、年齢も経験も関係ない。その想いへの共感が時代のキーワードとなりつつある今、今後の気仙沼ニッティングがますます楽しみになってきた。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://adrunner.blog38.fc2.com/tb.php/1507-578d1276
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。