アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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「ほとんどの会社が17時に帰る、売上10年連続右肩上がりの会社」の作り方

ランクアップ社長、岩崎裕美子さんが書いた「ほとんどの会社が17時に帰る、売上10年連続右肩上がりの会社」を読んだ。

ほとんどの社員が

社員のほとんどが終電帰り、長時間労働こそ、できる社員の証!

そんな広告代理店の取締役だった岩崎さん。自らが残業も臆せず社員の先頭に立って働く、企業戦士の代表のようなモーレツぶりだったと語る。そんな状況なので、社員の3年未満離職率はなんと100%。いやはや凄い会社である。

その彼女が自らの働き方に疑問を感じたのは、35歳を超えた頃。

このまま消耗して働き続けるのか?出産して子育ての喜びも体験したい…
迷った挙句、思い切って退職。新たに自身で立ち上げたのが化粧品会社「ランクアップ」だ。

しかもこの会社、社員が残業をほとんどしないにもかかわらず10年連続で売上が右肩上がりだと言う。

創業10年で95%ほどの会社が消えていくと言われている日本にあって、「なぜそのようなことが達成できたのか?」「広告代理店時代との違いはなんだろう?」それが本書のテーマであり、私自身が手に取った最大の関心事だった。

岩崎さんがその会社を立ち上げて達成したいと考えたのが、残業しなくても成り立つ会社。
そして彼女がたどり着いた答えは、次の3つの強みだった。

・差別化した製品づくり
・わかりやすい広告力
・親切で丁寧なサービス

特に徹底して考えたのが先のふたつ、「選ばれる製品とは?」とその「良さの伝わり方」だ。

そこには広告代理店時代の貴重な経験が活かされている。

当時の代理店は独自媒体がない弱みのため、どうしても価格競争に晒される毎日だった。
せっかく獲得したクライアントも、さらに下をいく価格で他者に取られてしまう。
とにかく量を獲得して薄い利益をカバーするしかない、そのため長時間労働が当たり前になってしまうのだ。

代理店を反面教師として立ち上げた会社、スタートは順調だったが、企業として成長し、創業当時のことを知らない社員も増え、経営者とのギャップが次第に拡大していく。順調な成長に反して、社内の雰囲気は最悪だったという。

「何とかしなければ将来がない…」

そんな思いから、社員のやる気を引き出すさまざまな手段を模索したものの、なかなかこれだというものに当たらない。それでもと探し続けた結果、ようやくたどり着いたのが、「会社としての価値観」を決めること。

社員の自主性を高めるためには、人事評価制度をつくることより、まずは自分たちの考え方を社員に伝えるべきだ!あるコンサルタントからの助言で目が覚めた。

そして、自分たちの原点を見つめ直し考え抜いた結果、導き出したのが「挑戦」という価値観。

この価値観を明確にし社員と共有できたことから、ふたたび経営者と社員がひとつになり、やるべきことやらざるべきことの判断基準が明確になり、社員の自主性も格段に高まったという。

それ以降、新たな成長軌道に乗り成長を遂げて行ったわけであるが、すべての原点は、この「挑戦」という価値観の賜物だったと岩崎さんは振り返る。

そんなきれいごとで飯が食えるか!そんな外野の声も聞こえてきそうだが、お金儲けに長けた経営者のその裏側が簡単に見抜かれてしまう時代、社員も顧客も同じ人間であるからこそ、ますますきれいごとが重要になってきている。

もちろんここに書かれている話は多少誇張して書かれていることもあるかと思うが、考えさせられること、明日からのヒントになること、そんな発見がいろいろとあった。「働き方改革」が国の重要戦略となった今、経営者にとって読んでおいて損のない1冊である。

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