アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

お金を掛けなくても作れる「小さな会社のはじめてのブランドの教科書」

TERRANOS代表、高橋克典氏が書いた「小さな会社のはじめてのブランドの教科書」を読んだ。

小さな会社のはじめてのブランドの教科書

小さな、そしてはじめてとあるから、間違いなくブランディング入門書。

高橋氏の社会人キャリアはハナエモリに入社したことからはじまる。その後もシャルル・ジョルダンやカッシーナ・イクスシーなど数々の外資系一流ブランドでブランディングや経営に携わってきた。ゆえに中小企業といっても、そのベースに日本の中小企業のような泥臭さはなく、考え方に少し隔たりがあるのではないだろうか?と最初は思った。

しかし、そんな心配は杞憂だった。内容は社員数名の日本の中小企業でもいますぐ実践できる、非常にわかりやすいものになっている。

本書は、
第1章:小さな会社こそブランドが必要な理由
第2章:小さな会社にとってのブランドとは何か?
第3章:これだけ!に絞るブランディング
第4章:小さな会社がお金をかけずにブランドをつくる方法
第5章:地方にいても、お客に足を運ばせる
第6章:今の人材で戦う、競争しないブランド戦略
第7章:お金をかけなくてもブランドはつくれる
第8章:小さな会社がブランディングを実行する方法
以上で構成されている。

特に興味を持って読んだのが、第5章「地方にいても、お客に足を運ばせる」。「ブランドは営業力不足を補う」というブランドの効用について書いている。

フランスやイタリアの中小企業への出張経験が豊富な高橋氏。マーケティングをまったくしないというフランスの磁器メーカーがどうやって売上を上げ続けているのか。その理由は、この会社へわざわざ足を運ばせる確固たる理由があるからだという。
その会社は南フランスの片田舎にあり、これだという観光名所もないのだが、そこには小さなレストランが点在し、訪れる企業の人たちに楽しみを提供している。もちろん工場でのモノづくりに直接触れることで会社への愛着が増すことの効果は計り知れないが、この地にあるメーカーと町が一体となって、訪れたくなる場所を作り上げている姿勢が共感を呼ぶのではないだろうか。
ちなみにこの会社は、値引きは誇りある職人の給料を減らすことになるからと一切せず、それどころか毎年物価の上昇分だけ価格を上げるという確固たる考え方を維持しているとのこと。

サービス残業への監視が厳格になり、営業にこれ以上の無理を強いることが難しい今だからこそ、自社のブランディングについて真剣に考える必要がある。マーケティングにお金を使わなくてもできることはたくさんある。という考え方は中小企業こそ今一度考え実行してみるべきだ。このフランスの企業の例は、経営者にとっては非常に参考にできる話だと思う。

世界中を仕入れで歩き、世界中の企業をみてきた高橋氏が語る日本企業の魅力と、魅力があるのに発信しきれていない日本企業のジレンマ。そんな会社へのブランディングの処方箋ともいえる本書。

入門書として非常にわかりやすく書かれており、共感出来る点が多々あった。小さな会社の社長にこそ、ぜひ手に取ってもらいたい1冊である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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