アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

ファッションビジネスには頭が痛い。「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」

かつて定点観測で一世を風靡した「アクロス」編集長、そして最近では若者のライフスタイル分析でおなじみの三浦展さんが書いた「毎日同じ服を着るのがおしゃれな時代」を読んだ。

毎日同じ服

副題に「今を読み解くキーワード集」とあるように、若い人たち(主に20代)の最近の動きから60以上のキーワードを抽出、それぞれに対して三浦さんならではの分析で分かりやすく解説している。

全体を通して伺えることはひとことで言うと、「かつて主流だった価値観と今の若者の価値観は真逆」だということ。

我々の仕事に置き換えてマーケティング的に考えれば、かつての価値観や方法論では、もう今の若者の心と財布を捉えることはできない。そういったほうが適切かもしれない。

考えてみればこの世代の父親は、「ワンマンで頑固」というのが定番だ。従ってその子供はそれを見て育っているから自ずと反対の性格に育つ。それが世代全体の価値観にまで広がっている、背景にはそんな影響があるように思えてならない。

表題となった「毎日同じ服を着るのがおしゃれ」は、まさにその象徴的な価値観。

父親母親世代は、高度成長期の恩恵を目一杯受けて育った世代。雑誌ポパイが創刊、JJやCANCANがバイブルとなっていたようなバブル絶頂期に20代を過ごした。ゆえに、ファッションのトレンドを取っ替え引っ替え毎日全身で表現していた。それがおしゃれだったのだ。

翻って今の世代はまさにその真逆。取っ替え引っ替えはダサく、同じ服を着ることがおしゃれと。もちろん、清潔感は大前提で、同じ服といっても1着を毎日着回しているわけではない。同じデザインのシャツやパンツを何着か持ち、それを毎日着替えるというライフスタイルなのだ。

一見シンプルで何気ないけど、人によっては以外とお金がかかっていたりする。親父たちが仕方なくユニクロで買って同じスタイルになってしまうのとはわけが違う。

若い人を相手のビジネスをするのであれば、いささか極論にはなるが、ほぼ50代以上とは逆の価値観が今の若者の主流の価値観であると考えれば、間違いは少ないだろう。50代以上の人がもし会議で若者についての意見を求められたら、勇んで話す前に、“真逆真逆”と唱えるくせをつけたほうが良いかもしれない(笑)

帯にもあるように、かっこよかったものがかっこわるくなる。新しいものが古くさくなる。時代の逆転。そんな時代。
若い人に対しては、どうしたら物が売れるかと考えるのではなく、どうしたら彼らが自分らしいライフスタイルが過ごせるか、そんなところにビジネスのヒントがあるのではないだろうか。

それにしてもモノが売れないのは間違いないので、消費ありきの資本主義経済が行き詰まる理由がよくわかる。

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