アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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1通の手紙でP・マッカートニーを口説き落とした男の文章術とは?

ノンフィクション作家、野地秩嘉さんが書いた「SNS時代の文章術」を読んだ。

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「はじめまして、取材したいんです」

野地さんはかつて「餃子の王将」社長に取材をして本を書いた事があることから、社長が何者かに銃撃され命を落とした時、メールや電話などで数多くの取材依頼が届いたという。

そんななかで、1件だけ通信手段の違う依頼があったのだそうだ。
それがフェイスブックによるもので、文面は前述のとおり。
明らかに時代は変わったと、その時、野地さんは感じたらしい。

野地さんいわく、メールの時代の文体には、まだそれまでの時代の名残があった。
しかしSNSの時代には杓子定規な前置きや挨拶文は必要なくなった。
何せ短い文章で用件だけ伝えなければならないから、単刀直入なのである。
ゆえに文体も口語体が主となる。電話の音声の代わりの文字といっても良いかもしれない。

本書で野地さんは、文章のプロへの取材でわかったSNS時代の文章の特徴を次のようにまとめている。

1.文章に写真や動画、絵文字がついてくる
2.記号。句読点が増えている
3.読む人を意識した文章になっている
4.読む人に目の高さを合わせた文章が好まれる
5.文章の中の漢字が減った
6.文は短くなり、体言止めが増えている
7.コロケーション(連句、あるいは連語のこと)が間違っている
8.個性と賢さを出したい人たちが文章を書いて投稿している

いかがだろうか、「そうそう」と思い当たる節があるのではないか。
特に8番目は、言われてみると私の周りにもそんなタイプが多いように感じた。そういう私もそのように見られているかと思うと、なんとなく気恥ずかしくも。

さて、肝心の文章術についてであるが、本書で野地さんは、180度変わったと言ってもいい、SNS時代の文章の書き方を多角的に教えてくれている。

しかも書き方の話はSNSに限定されず、手紙、企画書と多岐にわたる。もっといえば、SNSと銘打っているものの、文章術は過去の例、たとえば野地さんにとっては最大の成果であろうポールマッカートニーに取材を依頼して見事に成功した時の手紙やユニクロの柳井さんの年頭挨拶、ソフトバンク孫社長の高校時代の企画書なども例に。

以上。

とはいえ野地さんの本書における結論は、これまでの話からすると、いささか逆説的だ。
SNS時代になって、文章を書くのに大切なこと。それはオーガニックな文章を書くことだと。

オーガニックな文章とは、プレーンで飛び跳ねた表現のない文章。そして、形容詞も控えて、事実だけを淡々と書く文章。そうやって、そっけない文章を書いていると、その中に書いている人のキャラクターが出てくるのだそうだ。個性とはすなわちそれであると。

オーガニックな文章とは言い得て妙。まさに時代もオーガニックな方向に進んでいると。これまで意識したことはなかったが、確かに文章も、時代の移り変わりとともに愛されるスタイルが変化している。しかし、本当に重要なのは「伝える」ことの本質は昔も今も変わっていないということだ。

「書く」ということを、あらためて考えさせられた1冊だった。

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