アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

地域×クリエイティブ×仕事。淡路はたらくカタチ研究島の4年間。

淡路はたらくカタチ研究島監修による「地域×クリエイティブ×仕事〜淡路島発ローカルをデザインする」を読んだ。

地域×クリエイティブ×仕事

まず、ほとんどの人の疑問は「淡路はたらくカタチ研究島」って何?だろう。

淡路島はたらくカタチ研究島とは、淡路島における雇用創出をめざす、厚生労働省からの委託による事業の名称。
島の豊かな地域資源を活かした家業・生業レベルの起業や商品開発をサポートするプロジェクトだ。

本書はその波乱に満ちた取り組みと成果について、役割を終えた事業の集大成としてまとめられている。

波乱に満ちた、と書いたのは、すでにスタート時点から想定外の出来事が次々と襲ったこと。
呼びかけに集まったはいいものの認可申請が滞り、1年以上も職がないままだったというメインスタッフ。
そして、なんとかスタートに漕ぎ着けたものの、プログラムがまとまらず、またまた時間が過ぎるばかり。

こうしてみると、官公庁からの委託事業というものの辞書には、順調などという言葉は載っていない、そんな気にもさせられるほど難しさを知らされた。プロ中のプロという人間が関わってもこれほど大変だとは。

これは一般的な企業のスタートアップにも共通の話だと思うのだが、この時期をいかに過ごすかで、その後の果実に大きな差が出るような気がする。

結果として、本書を読むかぎり、この事業は当初の想定以上の大きな成果を生んで終わったようだ。

本書では、提供者側に立ってサポートした、デザイナーや料理家、ファシリテイターなどのさまざまな人の取り組みと感想。反対に受益者として、実際に起業や事業の立ち上げを行った人の取り組みと感想。送り手と受け手、両者の視点からこの事業の意義を知ることができた点で大変参考になった。

そして、何よりこの事業の成果は、小さいながらも現実の起業を数多く生んだことにある。

それまで夢は描いていたものの行動に移せなかった人たちの背中を、力強く押せたのだ。雇用を生むためには、雇用を生める事業を数多く起こす必要がある。その明確な理念の共有がこの成果につながったのだと思う。

それにしてもサポートに関わった人は、働きかた研究家の西村佳哲さんはじめ、そうそうたるメンバー。スーパーバイザー江副直樹さん、地域アドバイザーとして旗振り役となったやまぐちくにこさんの人間力が大いなる人の輪を生んだ、そんな気がした。人の力、人と人のつながりこそ、お金や行政のバックアップより、もっともっとこういった取り組みの成功を左右するもの、そんな気がしてならない。

このような事業の集大成を1冊の本として時系列で読むことができる意義は大きい。この先同様の事業、地域再生のプロジェクトを考えている人にとっては貴重な参考書となるだろう。


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