アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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いま、ファッションビジネスの現場で起きていること。

明治大学商学部編「ザ・ファッション・ビジネス~進化する商品企画、店頭展開、ブランド戦略」を読んだ。



本書は2014年12月に開催された明治大学商学部創設110周年特別企画の国際シンポジウム「新時代のファッション・ビジネスを語る」での講演を中心に構成されている。本書によれば、明治大学商学部は、ファッション・ビジネスに関する教育研究に力を入れているそうだ。

本講演(本書)もその力の入れぐらいが伝わってくる、大変濃い充実した内容になっている。

そんな中で、私がまず興味を持ったのは、第2章の「ファッション・ビジネスの変容を加速する4大潮流」。

講演者の尾原蓉子さんは、旭化成で長年に渡り、ファッションビジネスを手がけてきた人。最近は女性リーダーの育成にも力を注いでいる。

尾原さん曰く、いまファッションビジネスでは大きな革命が起きていると。

その背景にあるのは、消費者の価値観と行動が変化していること。
ここはファッションビジネスに限らずすべての消費に対して共通することであるが、インターネット、とりわけモバイルの影響が大きいようだ。それに加え、尾原さんは、ビッグデータ、3D印刷、クラウドをあげ、これらを駆使する顧客を「テクノ個客」と称している。「テクノ」とはいささか時代感が違う気もしないではないが、言い得て妙だ。そしてもちろん、発信という意味では、SNSの影響力も無視できない。

もうひとつ。

尾原さんがここで強調しているのは、企業の社会的責任の重要性がますます高まっているという点。
人や社会への配慮、エコロジーやサステナビリティという持続可能な環境への貢献。そしてエシカル消費といった倫理感、以前ナイキなどでも問題になった児童労働などはここに含まれる。海外では当たり前になっているこのような意識が、日本は相当遅れていることは否めない。それだけに今後一気にその機運が高まりそうだ。

この章ではこの後に、e-コマースの成長、オムニチャネル、ビジネスのパーソナル化といったようなトレンドのキーワードがならび、締めはアメリカにおける最先端のファッションビジネスの紹介。
その中の「レント・ザ・ランウェイ」という4日間のドレスレンタルサービスは、まさに今の時代のビジネスのあり方の象徴といった感じだ。創業者は「このビジネスモデルは、単にレンタルというだけでなく、ファッションの在庫を社会全体で持つようにするコンセプトだ」と。まさにありきたりになりがちなレンタルというビジネスに、新たな“社会性”という事業価値を与えている点で非常に興味を覚えた。

本書の後半でも、最新トレンドのPR戦略など、ファッションビジネスに携わる広告・広報関係者にも参考にできる情報がめじろおしだ。

以上、基本的にはファッション・ビジネスについて書かれている本書であるが、読み進めて分かるのは、ファッションにかぎらず、大きな時代の波は、すべての消費に共通の影響を与えているということだ。そういう意味では、考えるべきは、「人」そのものの価値観の変化ということに尽きるのではないか。
価格から価値へ。量から質へ。人が重要視する基準は、間違いなく変わりつつある、本書を読んであらためてそんな思いを強くした。


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