アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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新たな時代の始まりを告げる価値観、半市場経済。

内山節氏の編著『半市場経済 成長だけでない「共創社会」の時代』を読んだ。



内山氏は半市場経済をこう定義する。

少し長くなるが紹介する。

市場に依存し利益の最大化をめざすのではなく、また市場をすべて否定するのでもなく、生活者としての感性・感覚を事業活動にあてはめ、よりよき働き方やよりよき社会をつくろうとする目的をもって営む経済のこと。「志」と「価値観」を共有することで、充足感と多幸感をもたらす新たな社会のかたちの創造でもある。

少しわかりにくいかもしれないが、
志を拠り所に、よりよき働き方、社会のあり方を追求しつつ経済的な充足も実現する経済、というと腹落ちしやすいのではないか。

ご承知かもしれないが、ポーター教授が唱えるCSV(共通価値の創造)にも近い。

ビジネスであるかぎり、持続的な成長は大前提だ。しかしながらそれを追求するあまり、一方ではかつてない息苦しい社会を生んでいる。

働く人が喜びを感じ得ず、労働力として扱われてしまう世の中。

競争ありきで、より効率的、低価格なものを追求するあまり、勝ち組負け組が明確になってしまった世の中。

そんな世の中が果たして成長の結果なのだろうか。

本書で示されるのも、ある意味アンチテーゼとしての反市場経済なのだ。

半市場経済の中心的な考え方は、経済活動の中心に「志」を据えていること。

言葉を変えれば、
志=ミッション、使命である。

どんな働き方をしたいのか。どんな価値を創造しながら生きていきたいのか。

それを追求していくと、おのずと市場経済の原理を超えた経済活動にたどり着く。

つまりはこの閉塞感を打開するには、価値観を変えることしかないのだ。

本書に興味深い事例が登場する。

ヤマタノオロチを目指す現代の飛脚、飛脚の加藤、加藤貴之さん。名刺には「郵便制度発足から140年...21世紀日本に飛脚が復活!」

そしてキャッチフレーズは、「『重い』ものは運べませんが、『想い』は運べます!」

脱サラをして、まったく新しい運送サービスを立ち上げた。モノを届ける方法は徒歩、料金はなんと一歩一円!だそうだ。

さすがにこれだけで食べていくのは難しいわけだが、ここで登場するのがヤマタノオロチ的「多職」の発想。

大八車での野菜の行脚や地域のためのお惣菜屋さん。過疎の村の独居老人のために自宅まで届け同時に話し相手にもなろうというものだ。

まさにお金儲けがすべてではない、地域に志を持って貢献しよう、そんな新しい時代の働き方を象徴しているのではないか。

内山氏も言うとおり、今はひとつの時代の終わりであり、同時にひとつの時代の始まりでもあるのだ。

そろそろ新しい舟に乗る準備をするとき、私自身の中でもそんな思いが高まりつつある。背中を押してくれる良い本に出会った。




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