アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

伝わらない時代の伝わるプランニング。

コミュニケーションディレクター佐藤尚之氏が書いた「明日のプランニング」を読んだ。



「明日の広告」、「明日のコミュニケーション」に続く、明日シリーズの最新刊。

佐藤氏がこのシリーズで一貫して前提としているのが、世の中に溢れるほとんどの情報がスルーされているという事実。だから伝わらない前提で、コミュニケーションを設計する必要があるということだ。

伝わる前提と伝わらない前提では、それこそプランニングの考え方が180度変わってしまう。

かつて広告業界にいた私の経験からも、この違いをわかってプランニングできている人は、意外かも知れないが、ほぼいないに等しかった。そんな記憶が蘇る。

その大きな理由のひとつが、過去の成功体験がじゃまをするから。成功体験が大きければ大きいほど現実を見失ってしまい誤ったプランを立ててしまう、皮肉な話だ。

さて、ネット社会と一括りに片付けてしまいがちだが、そもそも世の中は情報環境によって二極化していると佐藤氏。

佐藤氏の言葉を借りれば、情報“砂の一粒”時代の生活者と情報“砂の一粒”時代以前の生活者。

2005年にコミュニケーションの大転換が起こり、情報の数がまだまだ少なくマスメディア中心のマスマーケティングが成り立った時代から、マンメディア中心のマンマーケティングへの流れに一気に変わった。

情報“砂一粒”とは、一気に情報量が増え、地球上の砂粒の数と同じくらいになった今の時代を象徴した佐藤氏の造語だ。なんとも大胆な括り方であるが、言い得て妙である。

この二極化で到達させたいターゲット像を明確にできれば、マスマーケティングがふさわしいか、それともマンマーケティングか、自ずとコミュニケーションの設計図が浮かび上がってくるということだ。

従来型のマスマーケティングはさておき、今の時代の重要なポイントであるマンマーケティングについて読み進めよう。本書後半で佐藤氏は「ファンベースマーケティング」と言葉を変え、自論を推し進める。

一言でいうとファンベースマーケティングとは、自分の身近にいる「最強メディアである友人知人を介して」行うマーケティング手法。

お店でいえば「核」となるコアなファンを大切にすることで、彼らが情報の伝道師の役割を果たしてくれるのだ。

佐藤氏の考えでは、ファンは100人いれば良いと。このファン100人にリーチできれば、その周りに130人の友達がいて、合計13,000人に到達可能だとする。

ファンをとことん大切にするファンベースマーケティング。

マスメディアで一気に数百万人に到達!
という快感に慣れすぎたマス頭では、考えることすらうんざりだろう。

だからこそ価値観を切り替えられた人には、一歩も二歩も前に行けるチャンスの時代でもある。

それにしても佐藤氏の話の運び方はコンセプト、キーワードが明確で、知らず知らずグイグイ引き込まれていく。上手いの一言しか見つからない。

タイトルは明日のプランニングだが、内容は今すぐ実践したい、いや、今すぐ実践できる、まさに「今日のプランニング」である。

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