アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

お客様をつなぎ社内をつなぐ。大西改革の要はスタイリスト。

三越伊勢丹ホールディングス社長、大西洋氏が書いた『三越伊勢丹ブランド力の神髄 創造と破壊はすべて「現場」から始まる』を読んだ。



大西社長の尊敬に値するところ、それは何より企業の顔として積極的にマスコミなど表舞台に登場しているところだろう。

なにはともあれ三越伊勢丹という老舗の企業体に変革をもたらすという、強い意志の表れであると評価したい。

さて三越伊勢丹にいちばん欠けているもの、それは取りも直さず「現場力」と大西社長はいう。

ご承知のところかと思うが、以前より伊勢丹では、「売場」ではなく「買場」と位置づけ、現場主義を貫いてきた。それが三越との統合を経て、いつの間にか顧客視点を忘れ、大西氏が社長に就任した時には売上は悲惨な状況に陥っていた。そこで指名されたのが大西氏であり、与えられた命題はずばり「改革」である。

本書によれば、大西氏の強みは現場での体験が圧倒的に豊富なこと。

その現場体験を活かし、大西氏が改革の中心に据えたのが、スタイリスト(販売員)の待遇改善だ。

これまでの百貨店でいうと、脚光を浴びるのは得てしてバイヤーで、スタイリストの存在は冷遇されていたような気がしないでもない。

しかしながら顧客との接点はスタイリストが担うわけで、大西氏の考え方は至極当然な考え方といってもいいだろう。

こうしたスタイリストの待遇改善を手始めに、大西改革はすべて現場最優先。
そしてその改革は、未来すら的確に見据えている気がする。

そんな中で唯一大西氏の迷いを感じたのは、ネットについて語った箇所。

すでに大きな売上は作っているものの、いまだリアルな店頭とのカニバリを気にしているところは、少し時代錯誤ではないか、ネットの位置づけはもっと先に行っているのに、と残念に思った次第。

GMSが大きな転換点を迎えている今、百貨店の存在は再び脚光を浴びつつあると感じている。
しかしそれがかつての場所貸し的な意識に支えられるものであれば、再び凋落の道を歩むのは必然だ。

どこまで自己を否定し百貨店そのものの存在意義から見直すことができるか・・・

本書を読む限り大西改革のスタートは快調のようだ。あとは今後どこまで創造と破壊が進められるかであるが、いずれにせよ、大西改革の今後に期待したい。

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