アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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今こそドラッカーの人間主義的マネジメントが必要な時。

慶應義塾大学商学部教授、菊澤研宗氏が書いた「ビジネススクールでは教えてくれないドラッカー」を読んだ。



私を含め、日本にはドラッカーのマネジメント理論を敬愛する人間が多いが、菊澤氏によれば、経営学の本場アメリカでは、もはや学問としては一顧だにしないらしい。そんなまさか!というのは、あまりにもアメリカの現状を知らなさすぎるということになるのだろうか。

その大きな理由が、どうもアメリカにおける経営学の「科学化」にあるらしいのだ。

科学化とはつまり、統計学によるデータ至上主義だ。

しかしながらそのデータ至上主義が、本来あるべき経営学の姿をいつの間にか希薄にさせてしまっているという、なんとも皮肉な現実。

ゆえに、今こそドラッカー経営学が見直されるべき、というのが本書のテーマである。

アメリカにおけるデータ至上主義の結果、顕著となったのが経済合理性の過剰な追求だ。

企業の目的が利益の最大化や株主価値の最大化にしかないとしたら、何が起こるか。

言わずもがなであるが、不正を容認したり、短期的な利益に走るあまり長期的な利益を無視したり、社員満足を犠牲にしたりとなったりするのだ。

このような不条理が起きないためにも、哲学的なドラッカーのマネジメント論が必要になるわけである。

そんな前提条件を踏まえて、ドラッカーの人間主義的マネジメントが展開されるので、はじめてドラッカーに接するという人にも腹落ちしやすいのではないだろうか。

さらに本書ではドラッカーの人間主義的マネジメントを補完する目的でカント哲学も登場する。

カントいわく、「人間は一方で他律的であるとともに、他方で自立的な存在でもある。この人間の他律性を対象にしているのが経済合理的マネジメントであり、インセンティブ等で経営者は従業員を統制することはできるが、他律的である分長くは続かない。最終的には人の自律性を引き出すマネジメントが必要になる。」

他律か自律か、このあたり土曜日の勉強会でも議論したばかりであるが、企業が持続的な成長を求めるなら、自律を尊重する人間的マネジメントが優先されるべきなのは疑う余地がない。

世の中がどのように変わろうと、経営は働く人がいてはじめて成立するものであり、そういう意味ではドラッカーの提唱する人間的マネジメントは永遠に不滅であると、本書を読んで思いを強くした。

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