アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

近大マグロだけじゃない、「近大」の大躍進は続く。

作家・コラムニストの山下柚実氏が書いた『なぜ関西のローカル大学「近大」が、志願者数日本一になったのか』を読んだ。



少子化の進行による影響が、少しづつ顕在化してきている。
たとえば大学がそうだ。受験者が激減、立ち行かなくなっている大学も増えてきているという。
さらに2018年には、いよいよ18歳人口が本格的に減少に転じる。
そうなった時、はたして大学経営はどうなるのだろうか。

そんなタイミングで、学校関係者にとって今後のヒントのひとつとなりそうな1冊が本書である。

私の印象で恐縮であるが、古くは朝潮、赤井秀和、最近でこそ水泳の寺川綾の存在が有名であるが、もっぱら汗臭い運動選手の多い大学、正直この本を読むまでそんな見方をしていた。

ところが、である。
本書によれば、その近畿大学が最近は女子高生に大人気の大学となり、ついに2014年度の入学試験においては志願者数が明治大学を抜いて「全国1位」になったそうだ。

変われば変わるもの…

「あの大学」がどのようにして、今のポジションを獲得できたのか、それが本書のテーマ。

結論から言うと、当然ながら突然そうなったわけではなく、そこには周到な計画と長年に渡る徹底した取り組みがあった。

遡ること、20年。
近畿大学は560億もの多額の借金を抱え息絶え絶えであったが、その時に財務改革に乗り出したことがその後の大躍進のきっかけになったというから皮肉なものである。

借金を返済するまでは学部開設は行わず、収入と支出の管理を徹底した。その結果、2010年には見事完済できた。

しかもその間、財政面だけでなくあらゆる面での見直しを怠らなかった。

その取り組みの中で私が特に注目するのは、情報発信による差別化。
その経緯は第4章に詳しいが、そのきっかけとなったのも財政難にあったというから驚きだ。

財政難により広告費を大幅に削らなければならなくなった。

どうしたら広告費が削減できるか、苦悩の末、辿りついたのが自前主義によるPR。さまざまな学内のリソースを活用して、特に記者発表を充実させた。
PRは記事として取り上げられなけば意味がないだけに、取り上げられるためにアイデアを存分にひねり出した。それが結果として当たったのだそうだ。
その究極の形が、知らない人がいない「近大マグロ」のブランド化として、花開いたのではないだろうか。

本書は、大学改革についてまとめられた1冊であるが、実はすぐれたビジネス書でもある。
いかに顧客視点で考えることが重要か、自社のマーケティングに応用できるヒントが満載だ。

ちょっとしたことに、気付けるか気付けないか。その積み重ねが長い年月においては、大きな差になってくる。
日々の意識、行動の大切さを、あらためて考えさせられた。

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