アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

「社長、そのデザインでは売れません!」本書でも川島節、絶好調。

ifs未来研究所所長、川島蓉子氏が書いた「社長、そのデザインでは売れません!」を読んだ。



「ビームス戦略」「ユナイテッドアローズ」「伊勢丹な人々」などなど、ファッションブランド系の取材モノを書かせたらこの人の右に出るものはいないと、私がかねてより大ファンである著者の最新刊。

本書のもとになったのは、日経ビジネスオンラインの連載「ダサい社長が日本をつぶす!」。
このところの日本のデザインがダサくなっているように感じた著者が、その原因がどうも「ダサい社長」にあるらしいと推測、それではその張本人の社長に直接話を聞いてみようと始めたそうだ。

とはいえ、ダサい社長に話を聞いても始まらないし、笑い話にもならない。

それではということで、対極にある「かっこいい社長」にインタビュー、選ばれた面々が以下の6人である。

カルチャーコンビニエンスクラブの増田宗昭社長、
三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長、
伊藤忠商事の岡藤正広社長、
クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏、
カー&プロダクトデザイナーの和田智氏、
NTTメディアラボ副所長の石井裕氏。

企業側のデザイン決定権者と外部からデザインを提供するクリエイター、あらためて説明するまでまでもなく一家言を持つひとばかり。

川島氏の絶妙な取材力も手伝って、ここでしか聞くことができない大変興味深い話が引き出されているように思う。

さて読み終わってあらためて思うこと。

それは、語り口は違えど、デザインに対する卓越した考えを持っているということ。そして、それが流行に惑わされることのない不変的な考え方であることだ。さらに実行レベルにおいては一貫して迷いがない。そのあたりが6人に共通している。

ともすると、デザインはわからない、苦手のひと言で話を避けようとする経営者も多い。それに反して、前述の経営者3人は、デザインを自社の経営戦略の最上位に置いていると言っても過言ではない。しかも感心するのは、デザインベースのマネジメントを実践して着実に成果を上げていることだ。

商品がコモディティ化して、ただでさえ他者との違いが打ち出しにくい時代。だからと言って手をこまねくだけではますます窮地に陥るだけ。さらに問題なのは、売りたい一心で価格競争に足を突っ込んでしまうことではないだろうか。
こうなると待っているのは破綻への道、なんとしても避けなければならない。

社長自身が今さらデザインセンスを磨くと言っても現実的ではない。となれば大切なのはデザインの価値を認めることではないか。そして、外部に信頼できるデザインブレーンを持つことをおすすめしたい。

デザインの力を過小に評価している経営者が多い中、今取り組めば大きなイニシアティブを握れるはずだ。
そのきっかけを気付かせてくれる1冊として本書の持つ意味は大きいと考える。


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