アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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データサイエンティストとは、“データでイノベーションを起こす人”である。

慶應義塾大学大学院の准教授、森川富昭氏が書いた「ビジネスを動かす情報の錬金術」を読んだ。



「ビッグデータ」はビジネス上の重要ワード、そしてそれを取り扱うデータサイエンティストは世界的に人材不足だという。
しかしそんな状況にありながらも、今ひとつ理解が進まないのは、一にも二にも、データサイエンティストという職種がどのような仕事なのか、わかりにくいことにあるのではないか。
かくいう私も典型的な右脳人間であり、正直、データと名が付くだけで遠ざけたいほど。

そんなデータ音痴な私に福音的な1冊が出版された。それが本書「ビジネスを動かす情報の錬金術」だ。

本書がデータサイエンティストへの理解をわかりやすくしている理由、それはストーリーを通してデータサイエンティストの価値や役割を伝えていること。読者は物語を辿っているうちに、意識することなく自然とデータサイエンティストの世界に入っていける。

さて、肝心なストーリーであるが、こんなあらすじになる。

SHOEMAKERSという靴の全国チェーンに勤める大島周司。
SHOEMAKERSはこのところ経営難に悩み、聞くところによると社外取締役として外国人のロバート・ゲッコーを迎えアドバイスを受けようとしているらしい。
ゲッコーの方針は、不採算店を閉じ、海外への展開を重点的に進めていこうというもの。
国内店舗の閉鎖となれば社員のリストラが予測される。
それを阻止するためには劇的な施策を投入し業績をV字回復するしかないと立ち上る周司。こんな調子で話が進む。

しかしなかなか妙案が浮かばない周司…そんな時、たまたま訪れたカフェでデータ分析に取り組む学生3人組と出会う。聞くところによると大学でデータサイエンスを学ぶ現役のデータサイエンティストだという。
彼らの話を聞き、データ分析の可能性に会社の未来の姿を見つけた周司。

そこから話は急展開、彼らとチームを組み会社の「ビッグデータ」分析に取り組む。数々の困難にぶつかりながらも抜群のチームワークで乗り越え、最終的に見事、会社の苦境を救う。そんな物語だ。

もちろん物語だけでは流れてしまうので、ところどころにDIRECTOR'S VOICEとして、分析の専門家としての著者の解説が入る。その解説により、物語の意味がさらに深く理解できるという絶妙な仕掛けとなっている。

データサイエンティストというとどうしても理系、技術者というイメージが拭えないが、森川さんいわく「データサイエンティストとは、データからイノベーションを起こす人」「マーケティングな発想ができる人」であると定義している。

この先、データサイエンティストのポジションは企業の中で重要性を増すことは間違いない。しかしデータはそのままでは単なるデータの塊りに過ぎないわけで、データサイエンティストを活かすも殺すも、経営者の価値観、そして先見性次第であるといわざるを得ない。

重要なのはまずは経営に携わる人自身がデータ分析の価値を理解することだ。そういう意味では、本書は間違いなく現在あるデータサイエンス関連本の中で、マーケティング視点で捉えた最もわかりやすい入門書である。

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