アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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成長か、脱成長か。

セルジュ・ルトゥーシュとディディエ・アルパディスが書いた「脱成長(ダウンシフト)のとき~人間らしい時間をとりもどすために」を読んだ。



今さらながらではあるが、20世紀の経済成長がもたらした恩恵は計り知れない。高度成長と言う名の下に、驚くほど快適な生活が実現された。

しかしその一方で失ったものもたくさんある。もちろん過去を振り返っても取り戻すことはできないし、そもそもこの豊かな暮らしを手放すことなどできないだろう。

問題は、それが本当に取り返しのつかないことだと気がついたのが、ついここ最近だということだ。しかも取り返しのつかないことは、現在進行中なのである。

本書の内容はそんな人間の愚かさに対して、脱成長(ダウンシフト)というキーワードで、生き方、暮らし方の価値観の180度方向転換を促している。

競争から足を洗い、少しペースダウンして、自分らしい生活を大切にする。それがダウンシフトの基本原則。

著者たちは様々な角度から脱成長の必要性を証明しているが、中でも彼らの主張の中心的なスローガンとなっているのが「より良く生きるために、働く量を減らそう」だ。

仕事を減らすことで消費が適度に抑制され、余暇が促進される。もちろんその余暇はテレビを見るなどの経済活動につながる使い方ではなく、自分らしさを取り戻すための時間にあてられる。

また本書では、経済至上主義の牽引役を果たした広告に対しても次のような記述で、警鐘を鳴らしている。

〝広告に煽動される過剰消費というポンプのスイッチを、もう一度起動し直すことが必要になりました。〟

購買が抑制されないように、消費者が買い控えを起こそうものなら、直ちにポンプのスイッチを入れ替える、広告表現を新たなものにして消費を喚起するのはその典型的な例だろう。そしてメーカーサイドは短時間で寿命が来るように巧妙に製造する...

広告業界にいた頃は正直そんなことを意識したこともなかった。決して自己弁護するわけではないが、業界人が丸ごと洗脳されていた、今から思えばそんな状態だったのだ。

最後に本書を読んで思うこと。

脱成長ありきで話を進める時が間違いなくやってきている。

過度の消費を抑え、生活スタイルそのものを変える必要がある。

政府の成長戦略に踊らされている場合ではないだろう。私たち一人一人が、いいかげん目を覚まさなければならない。

そういう意味では、そろそろ新しい時代の政治家、経営者が現れてこなければならない時。そして彼らのリーダーシップは、未来の子孫のためにこそ発揮されるべきだ。

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