アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

日本再生の切り札となるか、「CSV×イノベーション」が企業を変える。

デロイトトーマツコンサルティング、パートナーの藤井剛氏が書いた『CSV時代のイノベーション戦略』を読んだ。
副題に、「社会課題」から骨太な新事業を生み出す、とある。



今、日本のほとんどの企業に改革が必要なのは間違いない。問題は、何によって従来型のビジネスモデルを変革するかではないだろうか。その一つの回答が、本書で藤井氏がまとめた{CSV(Creating Shared Value)=共通価値の創造」による変革である。

CSVとはそもそも、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が2010年に提唱した、「経済的価値を創造しながら社会的ニーズに応えることで社会的価値をも創造する」というもの。

ともするとCSVはそれ以前にブームともなったCSRと比較されるが、CSRは事業によって得られた利益を社会貢献活動に使うというもの。利益が上がらないと取りやめになるというジレンマを常に包含しており、その評価もまちまちであった。そんな中、その課題をもとにまったく新しい考え方として登場したのがCSVと言える。本書でも藤井氏はCSVをCSRの延長線上で考えてはいけないと警鐘を鳴らしているほどだ。

日本においても、ポーターによって提唱されてから早い時期に書籍などでも紹介され、導入している企業も見受けられたが、今ひとつ盛り上がりに欠けた印象がある。先述のとおり、言葉が似ているせいかCSRに近い概念と考えられがちなところもその理由の一つかもしれない。

しかしながら、日本は課題先進国と言われるほど、時代の進化と逆比例するかのように、残念ながら社会的課題が続々と増えている。そういう意味では、CSVを推進する絶好の環境に現代はあると言える。ピンチとチャンスは常に背中合わせなのだ。

それではどのようにCSVを事業に取り入れてイノベーションンを生み出すか、が本書の最大のテーマであるが、
その推進方法として、本書で藤井氏は次の“三つの越境”を提唱している。

①「(自社が所属する)業界の枠」を超える
②「規制の枠」を超える
③「国境」を超える

いかがだろうか。内向きになりがちな日本の企業にとって最も苦手な考え方かも知れない。
しかしながら、アップルをはじめとするイノベーション企業の成功例を振り返ってみても、必要十分条件であることは疑う余地がないだろう。

より柔軟に、よりスピーディに、自ら仕掛けることによって新たな活路を見出していこうという試み、「CSV×イノベーション」を企業再生の切り札として取り上げた初めての書籍であり、それだけでも十分に読んでみる価値のある1冊ではないだろうか。

苦手とか得意とか言ってる場合ではなく、世の中のパラダイムシフトを読む限りとにかく取り組むほかないというのが私の結論である。間違いなく本格的なCSVの時代が幕を開けようとしている。本書を読んでその想いを強くした。

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