アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

1枚のシャツから日本を変える。急成長する鎌倉シャツのミッション。

もと広告代理店のコピーライター、その後ヨーカ堂を経て商業界に入社。現在はフリーライターの丸木伊参氏が書いた「鎌倉シャツ 魂のものづくり」を読んだ。



4900円のワンプライスライン、100番手以上の上質なコットンを使用、しかも国内縫製を貫く。
何から何まで常識やぶりの経営を実践する貞松社長とはどんな人物なのだろう。

本書を手に取った一番の理由はそれだった。

もともと鎌倉シャツを愛用していた私ではあるが、読んであらためてわかったことは、
社長の貞松のミッションの大きさ、強さだ。

本書の巻末には、その想いの一端を窺うことができる貞松語録が紹介されている。私が気になった文言をいくつか紹介する。

たとえば、

・シャツを手がける以上、本物を提供するのが使命。だから目先の利益は考えていない。
・日本の縫製業を支え、メイドインジャパンの良さを発信させていく。
・こうあるべきという信念と哲学の中に、商いのチャンスを生み出していくことが重要。
・働く人たちの自由裁量権を拡げ、働くことが自己実現につながる会社を目指したい etc

いかがだろうか。

志の高さこそ、鎌倉シャツを急成長に導いた最大の理由と言っても良いのではないか。

貞松社長は53歳でこの鎌倉シャツを起こしている。本書によれば、それまでに5度の倒産を経験してきているというから、人生わからないものだ。

その倒産を経験した会社のひとつが、日本のアイビー文化をリードしたVANジャケットだ。良きにつけ悪しきにつけ、貞松社長自身もその影響力の大きさを認めているが、貞松社長とvANジャケットの創業者、石津謙介氏との次のような粋なエピソードが本書で紹介されている。

師と仰ぐ石津氏のところへ創業の報告に行ったときのこと。
石津氏は「とにかく業界に一個の石を投げ込め。それが業界に波紋するようなことをやれ。俺が応援する」と言って、素敵なメッセージをくれた。貞松氏はその言葉を忘れない様、シャツを購入した時についてくるタグにその言葉を付けているそうだ。その言葉とは、

「私の門下生、貞松君夫妻がシャツショップを始めるという。そのシャツを彼が工場に立てこもって作り、彼女がそれを売るという。直接お客さまにだ。これこそが現代的S.P.A.というのだろう・そんな難しさに挑戦しようという。その心意気に私は大拍手をしたい。Spesial Shopとはこんな哲学と自信から生まれるのだ。メーカーシャツ鎌倉。お客様はきっと期待しているはずだ。きっと。」

自筆にしたためたこんな素敵な文章を送られた貞松社長は、感激し、意気に感じ、その後の成長につながっていったことは想像に難くない。

大切なことは嘘をつかないこと。

正直で誠実な心をモノづくりに昇華させてシャツの常識を変えてしまった、貞松社長と鎌倉シャツ。
本物には本物である理由が必ずあるのだ。まますます好きになった。

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