アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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「これがいい」ではなく「これでいい」。1文字で変わるコンセプトの力。

ブランド・コンサルタント/クリエイティブ・ディレクターの江上隆夫氏の書いた『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』を読んだ。



無印良品。このブランドの出発点が、セゾングループのスーパーマーケット「西友」のプライベートブランドであることをご存じの方は少ないのでないだろうか。
1980年の誕生から、今では全世界に展開するワールドブランドにまで成長を遂げた。

その成長の秘密は「コンセプト」の存在にあるというのが本書のテーマである。

無印を題材にコンセプトとは何かを解き明かし、コンセプトの「作り方」「使い方」までを網羅した、まさにコンセプト一色の本書。読むだけでなく実践することで、自身のビジネスに独自性をもたらす、そんなお得な1冊だ。

タイトルに掲げた、「これがいい」ではなく「これでいい」は、無印良品のブランド感を端的に表わすコンセプトともいえるコピー。
「が」と「で」。
たった1文字であるが、この1文字が無印良品と言うブランドの独自性を究極のレベルにまで高めている。

本書でも紹介されている、アートディレクター原研哉がメッセージとしてまとめたコピーが以下のものだ。

無印良品はブランドではありません。無印良品は個性や流行を商品にはせず、商標の人気を価格に反映させません。無印良品は地球規模の消費の未来を見とおす視点から商品を生み出してきました。それは「これがいい」「これでなくてはいけない」というような強い嗜好性を誘う商品づくりではありません。無印良品が目指しているのは「これがいい」ではなく「これでいい」という理性的な満足感をお客さまに持っていただくこと。つまり「が」ではなく「で」なのです。

いかがだろうか。

やみくもに流行を追うのではなく、商品の本質を考え抜き「普遍性」を持って良しとする。その考え方が、企業戦略から商品戦略、販売戦略など、会社の隅々まで浸透していく、すべての核となるのがコンセプトなのである。
ブランドではないことが、結局強いブランドを作っているのだ。

さて、コンセプトは理解しても、いざ自社の会社でとなると、なかなか敷居が高いというのが、ほとんどの人の正直な感想だろう。

それに対して江上氏は、あくまで入門者を意識して親切丁寧にコンセプトの「作り方」「使い方」を多くのページを割いて紹介してくれている。事実、ここまで実践的にコンセプトの効用を紹介している書籍には私自身出会ったことがない。

江上氏自身も、コンセプトを自分のものにできるようになるまでには5年くらいかかった、というように、読めば簡単にコンセプトを作れるようになれるくわけではないかもしれない。しかしながら、ヒット商品、成長する企業の背景に潜在するコンセプトを読みとることができるようになれば、それだけでもビジネスのスキルは大幅に向上するはずだ。

まずはコンセプトの持つ力を理解すること。そこからすべては始まる。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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