アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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作る人と食べる人をつなぐ。フードディレクター奥村文絵の仕事。

フードディレクター奥村文絵が書いた、『地域の「おいしい」をつくるフードディレクションという仕事』を読んだ。




まず感嘆したのが、この人、実に文章がうまいということ。

自分の想いを伝えるのに、熱すぎず冷めすぎず、客観性を持って絶妙なバランス感覚で言葉を運んでいく。
センスの良い人とはこういう人のことをいうのだろう。

そんな彼女のセンスがそのまま100%活かされるのがフードディレクションという仕事。本書を読んでまさに天職という感じがした。

奥村氏は、自らのフードディレクターという仕事を本書でこう記している。

“食の世界には、食物をつくる人、道具をつくる人、流通させる人、料理する人、販売する人…と、食べることを軸にしていろいろな役割の人が存在し、それぞれの専門性は深化し続けています。食に関わる様々な人やその技術が経(たて)糸とならば、緯(よこ)糸となってそれらを紡いでいき、食のシーンを反物のように美しく、そして多様に織り上げる。その役割を担いたいという考えから、あまり聞き慣れない肩書かもしれませんが、私は自らを「フードディレクター」と名乗り、活動を続けているのです。”

本書で奥村氏はフードディレクターの仕事を広告のクリエイティブディレクターに似た仕事とも言っている。
広告業界に馴染んだ人にはこちらの方が分かりやすいかもしれない。

与えられた課題があって、その解決策をコピーライターやデザイナー、カメラマン、イラストレーターなどのブレーンを束ねてひとつの形にしていく。いわば総監督のような存在がクリエイティブディレクターだ。
いささか強引ではあるが、広告をそのまま「食」に置き換えてみれば彼女の役割が見えてくる。かくいう私も仕事の規模は小さいものの長年その役割を担ってきた、なんとも中途半端で終わってしまったが、それだけに彼女の、今日のポジションを築くまでの苦労が手に取るようにわかる。

さて本書で紹介されている奥村氏のディレクションワークは、ざっと以下のとおりだ。

・遊佐町「彦太郎うるち」他 地域色ブランド開発
・北海道滝川町 「イル・チエロ」リノベーション
・ハインツ日本「ハインツのある物語」ウェブ・コンテンツ制作
・穂坂町「ヴァン穂坂」他 地域色ブランド開発
・日本橋「榮太郎総本舗」りブランディング

ひとつひとつ求められる役割は微妙に違っているが、そのアプローチに共通するのは、徹底した現場での取材。
納得いくまでこれでもかと、とことん時間を費やす。そこまでしなくてもと思えるくらい丁寧な仕事は、遠回りに見えて、結局最短距離で確実な答えを導き出すことにつながっている。それが肌でわかるのはまさしく彼女の天賦の才能ではないだろうか。

奥村文絵が手掛ける、つくる人と食べる人をつなぐ仕事。
マーケティングも、ブランディングも、町興しも、人づくりも包含した実に魅力的な仕事だ。
次はどんな地域の課題に取り組むのだろう、想像しただけでワクワクしてくる。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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