アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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経営者にとって最も重要なものは、明確な「目標」である。

ハーバード・ビジネススクール教授、シンシア・モンゴメリー氏が書いた「ハーバード戦略教室」を読んだ。



なんと年間売上10億円から2000億円の企業オーナー・経営者のみが参加できるという、モンゴメリー氏の講義コース。
テーマは「戦略=ストラテジー」、講義の最終ゴールは、経営者を本物のストラテジストに変えることだという。

9週間に渡って行われるカリキュラムの冒頭で尋ねられる質問。それは「あなたはストラテジストですか?」だ。

この質問を皮切りに、経営者ではあるがストラテジストではない彼らが、徹底的にストラテジストとしての教育をたたき込まれていく。一人前の経営者が一流の経営者になるための試練のはじまりである。

本書で私が特に興味深く読んだのが、日用品の巨人としてその地位をほしいままにしたマスコの家具業界への参入の事例。この参入が是か非か、課題に取り組む彼らの熱い議論が繰り広げられる章だ。

結果としてこの参入は失敗に終わるのであるが、そんな中で対比的な事例として登場するのが日本でもおなじみの「イケア」。

なぜマスコほかが失敗に終わり、イケアが他に類を見ない成功を手にできたのか?

マスコを率いたマノージアンとイケアを率いたカンプラード。
ふたりの最大の違いは、「目標(=コンセプトに近い)」があったかなかったかだそうだ。

カンプラードが描いたイケアの目標とはこうだ。

「はじめからイケアは他社とは違う道を選んだ。(中略)高価な高級家具を創ることは難しいことではない。金をかけて作り、相応の金額を客に払ってもらえば済むことだ。しかし、美しく長持ちする家具を低価格で作るのは、それほど簡単ではない。異なるアプローチが必要とされるのだ。シンプルな解決策を見つけ、あらゆる方向から切りつめ、節約していかなければならない。ただし、アイデアだけは節約しない。」

モンゴメリー氏によれば、マスコとマノージアンにあったのは、規模が大きく、すぐれた経営技術や能力を持つ自分たちなら遅れている家具業界を改革できるとという根拠のない自信と思い込みだけだったそうだ。

明確な目標が「決定的な独自性」を創出することにつながり、今日のイケアを築いたのだとあらためて実感した。

そう、カンプラードのような「目標」を持った人こそ、モンゴメリー氏が理想とする「ストラテジスト」なのである。

さまざまな事例と議論を通して「目標」の重要性を繰り返し繰り返し叩き込まれる経営者たち。
ページをめくっていく毎にリアルな緊張感が伝わってくる。あたかも経営者になったかのような気分だ。
そして読み終わる頃には、自分自身の「目標」のなさに気がつくことになる。

ハーバード戦略教室。こんな講義が展開されるハーバード大学院、ぜひ現場を見てみたい、あわよくば参加してみたい、そんな気にさせられた。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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