アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

O2O、ビッグデータは広告業界の救世主となるか。

ITアナリストの松浦由美子氏が書いた「O2O、ビッグデータでお客を呼び込め!」を読んだ。



松浦氏にとっては前作「O2O 新消費革命」に続く、O2Oに関する著書になる。
また東洋経済オンラインで「O2O最前線」も連載中と、松浦氏はまさに今話題のO2Oビジネスのエキスパートである。

それだけに本書でも松浦氏の豊富な経験に裏打ちされた幅広い取材力がいかんなく発揮されていると感じた。

O2Oとは、Online to offlineの略で、LINEやFacebookなどのSNSやスマホの位置情報を駆使して、リアル店舗に消費者を呼び込もうというもの。
なぜこれだけ注目を集めるかというと、今まで広告の大きな課題であった“ラストワンマイル”という点で、店舗への誘客がダイレクトに可能になるからだ。

もちろんその背景には、スマートフォンの急激な普及も大きい。
ガラケーからスマホへの国民総移動と言ってもいい変化を、読み違えた企業は一気に凋落への道を辿ることになってしまった。

O2Oの事例といえば、当初グルーポンに代表される無料クーポンが中心であったが、このお得系のO2Oサービスに、このところスマポに代表されるポイント制などが加わり、急激にバリエーションが広がりつつある。

そしてこのポイントに熱い視線を向けているのが広告代理店、電通なのだ。

そのあたりは本書に詳しいが、特に電通の狙いは、ポイントによるテレビCMと店頭の連動だ。そのために電通は昨年、スマポを運営するスポットライト社と提携を果たしている。

テレビのCMが発する音声信号をスマホで読み取り、その時点でポイントを進呈、さらに店頭に訪れれば追加のポイントを進呈と、まさにO2Oの究極の展開。
進化したテクノロジーで顧客の行動情報(ビッグデータ)が一元管理でき、広告会社は莫大な顧客資産を手に入れるというわけだ。

テレビCMそのものは費用対効果という点では年々価値が薄れていることは間違いないが、ところがどっこい、新たな形に姿を変えてこれまで以上の存在となることも十分にあり得る。しかしながらこうなると、広告代理店間の格差もさらに開くことが考えられるから、すべての広告会社が諸手を挙げて喜んでいいわけではない。

そのほかにもネットとリアル店舗の連携の最新事例が豊富に紹介されている。

もちろん踊るか踊らないかの選択権は消費者の手にあるわけだし、消費者にはデータを早々簡単に手渡さないリスク回避の気持ちも働くだろう。広告に対する疑念も昔と比べて格段に大きくなっている。

それだけに安易な金儲けの手段としない、提供者側のモラルや誠実さもそろそろ問われてもよいところだ。

しかし、そういったことをすべて考慮した上でも、O2O+ビッグデータは広告関係者にとって、ここしばらく動向から目が離せない関心事であることは間違いない。

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