アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

美~「見えないものをみる」ということ。

資生堂名誉会長、福原義春氏の書いた『美~「見えないものをみる」ということ』を読んだ。



「見えないものをみる」とは、いったいどういうことだろうか?
私の興味はまずその1点、その素朴な疑問が私の目を止まらせ、本書をレジまで運ばせた。

結果として、そこにある答えは遥か私の想像を超え、正直ページをめくるたび目から鱗の連続だった。
人生を通して「見えないものをみる」ことを追求してきた福原氏の知見、まさに教養とはこういうこというのだろう。

「見えないものをみる」とは、本書の内容を掻い摘んで言えばこういうことだ。

「見えないものをみる」ためには、心の眼を養う必要がある。
心の眼を養うためには、美しいもの、本物に触れなければならない。
しかし、本物であってもインターネットの画面を通してでは本物に触れたことにはならない。
心の眼でみるとは、ただ見るだけでなく、そこにある時間、流れる風、発せられる気配、匂い…つまりは五感で感じることである。

昔に比べ現代は美しいもの、本物が失われつつあると福原氏はいう。

近代の欧米から持ち込まれた合理主義、成果主義が、無駄を削るだけでなく、コストダウンという名のもとに本来必要とされるものまで削ぎ落としてしまった。その最たるものが「美」であり「遊び心」であったりした。

たとえば、自動車。70年代、80年代のクルマはクルマらしく美しかった。
しかし今はどうだろう。機能美といいつつも個性は失われ、どのクルマも同じように味気ないクルマに成り下がってしまった。。

もともと日本人には「見えないものをみる」感性が備わっていたのだからこれは残念なことである。
失われた20年といわれる凋落は、日本人が総じて「美」を失ってしまった結果であると言われても仕方がない。

本書で福原氏は、過去からのさまざまな事例を通して「は見えないものをみる」感性、美意識を取り戻すためにどのように考え振る舞えばよいのだろうかを解き明かしていく。

現役首相はかつて「美しい国、日本」という再生テーマを掲げた。
当時は道半ばで終わってしまったが、今こそ、その言葉を思い返す時ではないか。
本書を読んで、ふとそんなことを思い出した。
成長戦略よりもよほど重要だと思うが、いかがだろうか。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://adrunner.blog38.fc2.com/tb.php/1349-5079c13e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad