アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

マーケティングは常に進化を続けている。知識の棚卸しに最適な1冊。

グロービスのMBA集中講義 [実況]マーケティング教室を読んだ。



著者紹介の記述によれば、グロービスは、「ヒト」「モノ」「カネ」「チエ」の生態系を創り、社会の創造と変革を行っている、とある。
中でも、私のようなマーケティングを学ぶ者にとって馴染み深いのは、主に社会人を対象にした講義を展開するグロービス経営大学院の存在だろう。本書は、その経営大学院のMBA講義のエッセンスをまとめたもの。

書名にある[実況]とはリアルタイムといったような意味合いあろうか。その2文字が示すように、今グロービスで教えられている最先端のMBAマーケティング講義をそのまま書きとめた、実に貴重な1冊という印象を本書に持った。

さて肝腎の内容であるが、マーケティングの過去・現在・未来をマーケティングの大家、フィリップ・コトラーのマーケティング1.0、マーケティング2.0、マーケティング3.0になぞらえて、わかりやすく紹介している。

本書によれば、今はマーケティング2.0が終わり、マーケティング3.0の黎明期と位置づけられるという。
コトラーの言葉を借りれば、マーケティング2.0は顧客志向のマーケティング。作れば売れる製品指向のマーケティング1.0の時代から、リサーチで顧客のニーズを調査し、製品づくりに反映させる考え方をベースにしたマーケティングの時代だ。
しかし、顧客が特に欲しいものが見当たらない現代には、それだけではやや不十分。新たなマーケティングの考え方が強く求められており、その解がマーケティング3.0ということになる。

先にも書いたように、本書の最大の特長は、現在~未来、言いかえればマーケティング3.0の考え方に多くのページを割いていること。

マーケティング2.0は主にSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)を中心に据えてマーケティングの仕組みを構築していくわけだが、価値観が多様化し、ほとんどの商品のコモディティ化が進んでいる今、そこに限界があることは徐々に明らかになりつつある。

したがって、マーケティング3.0は、ある意味STPでは満たせない「主観的な満足感」、いいかえれば「心=人間の心理」にアプローチしようという考え方だ。

コトラーのマーケティング3.0を読んだ方にはピンとくるはずだが、この心の部分へのアプローチにおいて企業が中心に据えるべきものが、マーケティング3.0の文脈でいうところの「ビジョン」ということになる。

ビジョンとは平たくいえば「世界観」。自社の商品やサービスの背景にある「世界観」への共感を、体験を通して共有してもらうことこそ、マーケティング3.0の鍵になるのだ。

ボルヴィックの1リットル for 10リットルにみられるような購買における「社会貢献的満足」は、まさに「主観的な満足感」の好例と言えよう。

左脳から右脳へ。論理から感性へ。形から心へ。

たえず進化を続けるマーケティング。学んだ知識の陳腐化も短サイクルでさらに加速している。そういった意味では、自身のマーケティング知識の棚卸しには、最適な冊かもしれない。

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