アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

顧客満足=顧客が感じた価値-顧客の期待値

永井孝尚氏の書いた、「戦略力」が身につく方法を読んだ。



永井氏を一躍有名にしたのが、著書「100円のコーラを1000円で売る方法」。

全3巻合わせて50万部を超えるという、ビジネス書ではめったにない大ベストセラーになった。

そんな永井氏であるが、実は今年の6月までIBMの社員だったというから、驚きである。

さて本書は、その永井氏が自費出版(70万円をはたいたそう)で世の出した処女作「「戦略プロフェッショナルの心得」と同じく自費出版で2作目に出した「バリュープロポジション戦略 50の作法」の2冊をベースに大幅に書き直したもの。

永井氏が長い間温めてきた原点とも言える、いわゆるマーケティングの基本的な考え方・価値について教えてくれる1冊である。
ただし同様の他の本と明らかに違うことは、彼のIBM時代のマネージャーとしての実践がベースになっている点。事実読んでいても現場でのリアルな空気が伝わってきて説得力があった。

中でも私が興味を覚えて呼んだのが。「顧客絶対主義」と「顧客中心主義」の違いについての記述。

顧客絶対主義は、顧客を絶対と考え、たとえ間違っていても従う考え方。高度成長期にあった「お客様は神様です」という、あれである。顧客のいいなりになっている限り、絶対に顧客の期待を超えるものは提供できない。

対して顧客中心主義とは、顧客を大切なパートナーと考え、顧客の期待値を常に上回ろうとする考え方。顧客自身が気が付いていない課題を解決し、それにより顧客を大きく感動させる。

永井氏いわく、顧客中心主義は、もともとの日本企業が持っていた強みだったと言う。それが欧米型の成果主義を安易に取り入れたせいで、いつの間にか顧客絶対主義に置き替わってしまったようだ。

ゆえに今の日本企業にいちばん必要なのは、顧客中心主義に立ち返り、徹底して現場主義を貫くこと。
そして、顧客の期待値を大きく超える顧客満足を提供することだ。それこそ、今声だかに叫ばれる「イノベーション」そのものなのかもしれない。

顧客絶対主義と顧客中心主義、言葉は違えど、その中心を担うのは昔も今もマーケターの重要な役割。それでは10年前と今とマーケッターの考え方、求められる資質はどう違うのか。

永井氏は、市場におけるスピード感の違いを上げている。昔に比べ商品のサイクルが圧倒的に短くなった市場において、調査や企画に数カ月もかけるのは愚の骨頂。たとえば半日で戦略を立て、後は実行しながら軌道修正をしていくという仮説思考の柔軟さが重要視されると。

そのためには、過去の成功体験にすがっていては、とても成果どころではあるまい。
また、自社内でじっくり討議を重ねてというよりは、自社にないリソースは積極的に社外と連携、ネットワークしてお互いの強みを活かすと言うオープンマインドなパートナーシップが重要になってくるのだ。

本書で永井氏は、セールスのあり方についても触れている。

すなわち「ハンター型」から「ファーマー型」への進化がそれだ。
現代のように需要が飽和し顧客ニーズが高度化する時代には、古き良き時代の個人プレーに頼ったセールススタイルでは、多様化する顧客ニーズに対応できない。多様化する顧客ニーズに対応するにはチームワークしかありえないと。そして先の顧客中心主義に立ち返ると、「対応できない」と断ることもありえると。

案件を「見つけて仕留める」から「育てる」へ、
「個人技」から「チームワーク」へ、
「何でもできます」から「これならできます」へ、

この変化(進化)をセールスマンは体現できなければ、これからの時代のセールスはさらに難しくなるだろう。

戦略は実行されてこそ価値がある。現場に長くいたからこそ重い、永井氏の言葉。
「行動力」につながる「戦略力」を身につけたいあなたには、おすすめの1冊である。

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コメント

有り難うございました

著者の永井です。ご感想をいただき、ありがとうございました。ブログで紹介させていただきました。
 
http://blogs.itmedia.co.jp/mm21/2013/09/post-128e.html
 
今後ともよろしくお願いいたします。

Re: 有り難うございました

> 著者の永井です。ご感想をいただき、ありがとうございました。ブログで紹介させていただきました。

永井様、こちらこそ見つけて頂いてありがとうございます。ご本、いつも愛読させて頂いております。
つたない文章で、御本の良さを紹介できているか、いささか疑問ですが…
次回作も楽しみにさせて頂きます。引き続きよろしくお願いします。

  • 2013/09/25(水) 22:07:23 |
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  • スミダマサル #-
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