アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

つながりの連続がエンゲージメントを創る。あらためて知る戦略PRの価値。

電通パブリックリレーションズのPRプランナー、井口理氏が書いた「戦略PRの本質~実践のための5つの視点」を読んだ。



戦略PRといえば、ブルーカレントジャパンの本田哲也氏の名前が思い浮かぶ。
彼の著書「戦略PR 空気をつくる。世論で売る。」はPRの新しい考え方を捉えた名著だ。
そういう意味では、本書と本田氏の著書を併読することで、より戦略PRへの理解を深めることができるかもしれない。

本書での井口氏の考え方は、本田氏より若干広告よりの印象はあるが、今一度、戦略PRの考え方を確認すると言う意味では非常に参考にできる1冊である。

井口氏は、戦略PRをこう定義している。

生活者に「自分ゴト化」を引き起こす「ストーリー」を構築し、広告を含む様々なコミュニケーション施策を融合させてその「ストーリー」を伝えることで、生活者の意識変化・態度変容・エンゲージメント(共感の構築・強化)を生み出す仕組み

戦略PRというだけに、PRとの違いはいかに仕組み化できるかに尽きる。広告ほど結果が見えやすいものではなく、経験知がものをいう世界なだけになかなか取り組みにくい実情もある。逆に言えば一度仕組み化できればさまざまな展開が可能になるだろう。良くも悪くも戦略PRが今少し浸透しない理由なのかも知れない。

さて、本書の特筆すべき点は、最新事例が豊富であること。

特に冒頭のカンヌライオンズでのPRのトレンドについての記述は、今後のアドマンのあり方、可能性について非常に示唆的なもの。明らかに進んだ企業の考え方は、事業を通しての社会的課題の解決という方向に向かっていることを実感した。

その他にも、ソーシャルメディアの使い方、井口氏が考える戦略PRの核となる「ストーリーテリング」のついてなども、事例とともに大変わかりやすくまとめられている。

重要なのは、広告、PRという概念でのクリエイティブではなく、エンゲージメントを構築するために、枠を超えた総力戦を必要な武器を使って展開できるか否かではないだろうか。

クリエイターの資質として、まずは価値観の転換、柔軟な思考、そして、より幅広い知見が求められている。

短期から長期へ。目先の利益から持続的な成長へ。経済的価値から社会的価値との両立へ。企業の目指すべき方向に戦略PRの考え方は相性が良い。その点で、まさに今読むべき1冊である。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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