アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

広告に頼らず、信用による口コミで売上を伸ばすスローマーケティング。

ニューヨーク市立大学経営学部准教授、平久保仲人氏が書いた『「信用」を武器に変えるマーケティング戦略』を読んだ。



1円でも多く利益を追求するために極限まで社員を消耗させる経営。弱肉強食の世の中では、これも仕方ないこと。

それに対して、信用をベースにして、社員とも、顧客とも、地域とも、共存共栄をめざす経営。

あなたなら、どちらの会社を選ぶだろうか。

考えるまでもなく答えは明白である。

それでもなお、社員を金儲けの道具としてしか見られない利益至上主義の経営が後を絶たないのは、偏に経営者が社員を信用できないからではないだろうか。
そういう会社の経営者は、失礼だが大抵ワンマンでわがままな性格な人が多いように思う。

平久保氏が提唱するのは後者の、誠実で正直な経営をベースに顧客との信用を構築していく、
スローマーケティング。

スローマーケティングとは平久保氏の造語のようだが、信用を積み重ねるには時間がかかるだけに、スローという言葉がこのマーケティングの本質を言い得ているような気がする。

スローマーケティングでは、短期の刈り取りではなく長期にわたっての関係づくりが重要になってくる。
じっくりゆっくり顧客との“信頼”というブロックををひとつひとつ積み上げていく考え方だ。
それだけに、短期で一気に広めるマス広告は残念ながら必要とされていない。

冷静に考えてみれば、そもそも商売とはそういうものだったのではないだろうか。

相手の顔がしっかり見えて、冗談も交わしながら相手が欲しているものを提供する。
そんな商いの原点がいつしか忘れられ、極端に言えば金儲けの道具となり下がってしまった。

今一度経営のあり方を「信用」をベースに見直すべき時。「信用」を勝ち得た企業こそが長期に渡って繁栄を続けられると本書を読んで大いに共感、確信した次第。

平久保氏は長く海外の大学で教鞭をとっている。そんな平久保氏が提唱するのが日本的な商いの原点ともいえる考え方というのは皮肉な気もするが、本書を読んでいると、再び日本の時代がやってくるのかもしれない、そんな気がしてくるから不思議だ。はたしてこの予感は本物となるのだろうか。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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