アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

前提を疑い、慢心を捨て、信条を問い直すこと。これからの経営の生き残る道。

稀代の経営思想家、ロンドンビジネススクール客員教授ゲイリー・ハメル氏の最新作「経営は何をすべきか」を読んだ。



本書は、資本主義や組織、働き方や就労環境について、これまで当然と思われてきた大前提をあらためて問いなおし、未来に適し人間にも適した組織を築くための青写真を示している。

ハメル氏が考える「組織の今後の命運を決定づける、根本的な課題は何なのか」がテーマだ。

ハメル氏は、その課題を次の5つにまとめている。

(1)理念
(2)イノベーション
(3)適応力
(4)情熱
(5)イデオロギー

これだけ見ると、難しそうな内容に思えるが、ハメル氏がフルコースの晩さん会ではなく小皿料理を楽しむタパス・バーのように気軽に楽しんでほしいというように、5つの課題がさらに5つの視点に細分され、非常に読みやすくまとめられているのが特徴。

個人的に注目したのは、なによりも最初に掲げられた課題が「理念」だということだ。

リーマンショックを経験して、自己本位の無責任な利益追求がいかに傲慢で関わった人々を不幸にしたか、今ほど企業倫理を立てなおす必要がある時はない、とハメル氏。まさしく企業理念の欠如が招いたリーマンショックというわけだ。

実際に明確な理念を掲げている企業と掲げていない企業を比べてみると圧倒的に掲げている企業の方が成長率が高いというデータもある。さらに「社会的責任投資」が伸びている、「フェアトレード」がマーケティング上の売りになるなど、今ほど理念がビジネスの成長エンジンになっている時代はない。

その他の課題に対するそれぞれの視点もいずれも、的を得ている。

前提を疑い、慢心を捨て、信条を問い直し、高い目標を掲げること。そして他者にもそれを促すこと。それこそが経営者がこれからの経営を考える基本中の基本。

文章は軽妙であるが、よくよく読めばハメル氏の言葉は経営の責任の重さを語っており、早々には実現できないことは想像に難くない。しかし、できないからと言って即お手上げでは経営者失格だ。消費者はすでにその振る舞いを十分にジャッジできるだけの情報を手に入れる術を持っていることを忘れてはいけないだろう。

幸い経営者ではない私たちは、タパス・バーでハメル氏の含蓄ある言葉を噛みしめるとしよう。そこにはこれからの生き方、働き方のヒントがいっぱいシェアされている。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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