アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

「イメージがすべて」から「実態がすべて」へ。

グローバルな広告宣伝・コミュニケーショングループ、ハバスのCEOデイビッド・ジョーンズ氏が書いた「正義の会社が勝つ~ソーシャルメディア時代のCSR」を読んだ。



テーマは、社会貢献とソーシャルメディアを軸としたこれからのビジネスのあり方の提案。

どちらかというと広告業界の内側の人だと思うが、ジョーンズ氏の考え方は間違いなく新世代のアドマン・クリエイターのものだ。それだけ広告業界も新陳代謝が進み、広告そのものの価値観も変わり新たな可能性が芽生え始めているのだと本書を読んで実感できた。

広告業界を新たな回復軌道に乗せるもの、ずばりそれは特定の企業の金銭的利益のためではなく“世の中のためになることにクリエイティビティを活用すること”だ。

幸い企業の中にも、社会性とビジネス上の利益を両立可能として真摯に取り組むリーダーが出現してきている。広告会社は彼らのパートナーとなって、自らの強みを活かすことで新たなチャンスが増えてくるに違いない。

透明性と信頼性とスピードがこれから成長する企業の条件とジョーンズ氏はいう。
特に透明性はこれまでの大企業が最も苦手とするところで、情報をコントロールすることでイニシアティブをとってきた。それゆえに時代の変化に気づかないどころか、過去の成功体験から未だ抜け出せず経営のかじ取りを誤っている企業も多い。

広告会社はこれまでであればメディアが販売できれば良しとして、こうした企業とも割り切った付き合いをしてきたと思うが、これからはそれでは共倒れになる。広告会社にも毅然とした態度が求められているのだ。

本書には古いタイプの広告会社の人間には耳の痛い話も多い。

たとえば、こんな話。

ジョーンズ氏は時代の価値観の移り変わりを次のように3つの時代の変遷で捉えている。

・1990年代は「イメージの時代」…実際の姿とは裏腹に消費者の頭の中に企業イメージを作り上げることに労力を尽くした時代。実態はどうでもよく、イメージを作ることがすべてだった。まさにマス広告の花形時代の名残ともいえる。

・2000年代は「アドバンテージの時代」…競争優位に立つために社会的責任を取る態度で消費者の評価を受けようと考えた時代。少しづつ実態を意識してきた。

・2010年代は「ダメージの時代」…社会的責任を果たせない企業は、それによってダメージを受ける時代。実態がすべてである。成熟した消費者は、情報を持ち、場合によって自分たちの期待の水準に達しない企業には攻撃さえ仕掛ける。

イメージの時代からダメージの時代へ。これだけでも、広告会社の存在の希薄化が想像できるのではないだろうか。

ソーシャルメディアで企業が丸裸になる時代だからこそ、自らすすんで透明性を追い求める。当然企業の価値観そのものを大きく転換しなければならないし、それは大変なことだ。しかし、それ以外にこれからの企業が成長する道はない。本書を読んでその思いを強くした。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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  • 2012/12/18(火) 17:37:23 |
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  • 麻生泰 名医 #SFo5/nok
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