アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

関わる人たちすべてをハッピーにする「TABLE FOR TWO」のミッション。

小暮真久氏の書いた「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」を読んだ。



小暮氏は元マッキンゼーのコンサルタントにして、現在はNPO「TABLE FOR TWO」の代表理事。
先進国の肥満と発展途上国の飢餓という二つの問題の解決を目指す、日本を代表する社会起業家である。

戦略コンサルタントから社会起業家に180度ともいえる方向転換を目指した背景にはコンサルタント時代の苦い経験があった。
米国駐在時代、製薬会社の再生を手掛けた時のこと。提案をまとめ揚々と日本に引き上げたのであるが、結果として提案は採用されずしかも主要スタッフが次々と退社してしまった。小暮氏はその時には気づけなかったことを後に気づき愕然としたという。それは、会社にとってはよいことであっても、組織の中で働く人にとっては必ずしも良い提案ではないことがあるということだ。製薬会社の中で働く人の使命感に応えられる提案であるかどうかそこまでの配慮にかけていたと。

「痛み」を強いるなら「何のために改革を行うのか」という大義、言いかえれば心のよりどころや、痛みの先に待っている「未来予想図」を用意しておかないと、まず働く人の心が挫けてしまいすべてが水泡に帰してしまう。
結局、改革を進めるのも止めるのも「人」次第ということなのだろう。

この時気づけなかった悔しい気持ちがバネとなって、その後の社会起業家のキャリアにつながっていったようだ。

企業の社員食堂などと提携して1食につき20円を寄付金として頂き新興国の学校給食へ寄付するというプログラム、しかもそれだけでなくダイエットにつながるメニューを食することでメタボリック解消にもつながるという三位一体のメリットもある「TABLE FOR TWO」

2007年の立ち上げから5年で500社を超えるパートナーシップを得て一大組織となった、その成功の秘訣を
小暮氏は、3Cならぬ5Cを通じて「Winの累乗」を作っていることだという。

5Cとは、Company(自社の従業員・一緒に働く仲間)、Customer(消費者・顧客)、Cooperator(提携・協業者)、Contoributor(出資者)、Community(一般社会・進出先の国や地域)。

この5CすべてにWinを作る、すなわちWinの累乗を求めることが、NPOだけでなくこれからの企業にとっても必須の条件となってくると小暮氏。

本書では、この5Cそれぞれに具体的にWinの事例をわかりやすく紹介している。

冒頭に書いたようにコンサルタント時代の苦い経験は、現在のコンサルタント全体の限界とも見て取れる。論理思考、分析思考では捉えきれない「人」のエモーショナルな力が企業の成長に大きな影響を与える時代になりつつあることも決して無関係とは言えないように思う。

一般企業であってもNPOの成功に学ぶことがたくさんある。まずは成功するNPOがどのような価値観を持っているか知ることも大切だ。本書「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」はこれからの企業のあり方を再確認するためにも最適な1冊といえる。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

コメント

わかるなぁ~

  • 2012/11/21(水) 07:11:35 |
  • URL |
  • 山口孝志華 #mQop/nM.
  • [ 編集]

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