アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

「スキル」より「好き」を大切にする。

中川政七商店社長でありブランディングコンサルタントでもある中川淳氏とエイトブランディングデザイン代表の西澤明洋氏の共著による「ブランドのそだてかた~ブランディングに成功した企業が明かす21のしくみ」を読んだ。



日経デザインで連載された「ブランドのしくみ」を書籍化したもので書きおろしではないが、ブランディングを実際に取り組んでいる企業へのインタビューを通して、その考え方のエッセンスを引き出すことに成功している。
前作で自身が手掛けたブランディング事例を紹介していた中川氏も、ここでは聞き役に徹している。

さて取材した企業は以下の6社。

ディーン&デルーカ
MARKS&WEB
スノーピーク
トーヨーキッチン&リビング
ドラフト
六花亭製菓

いずれの企業もすでにブランディングでは有名な企業ばかり。それだけにどこまで新たな発見ができるかが鍵だったと思うが、そこはブランディングを体現しているふたり、結果としてなかなか中身の濃い内容となった。

私が興味深く読んだのは社員の採用についての考え方だ。

共通しているのは、入社時点のスキルよりも自社の商品やサービスをどこまで好きかを重視するということ。

好きであれば苦労も楽しみに変えることができるし、何よりモチベーションが違ってくるのだろう。
スキルは入社後の教育や研修でいくらでもアップさせることができるとしている。

考えてみれば単純なことで、すでに「好き」という共通言語ができあがっているから、道を外れる可能性はぐっと低くなる。反面、どんなに高いスキルを持ってしても企業の共通言語を理解するには別のスキルが必要となるから企業文化に馴染めなければ長続きしない。

「好きこそものの上手なれ」ではないが、ブランディングの観点では「好き」ということはどんな「スキル」にも優るという証かもしれない。

やるべきことやらざるべきことが明確になっていることも6社に共通していること。
いずれの企業もマスコミを賑わしているだけに新たな事業への誘惑は多いと思うが、軸がぶれそうなことは手掛けない、とにかくそこは徹底している。

こうしてこだわって貫いて、少しづつブランドは出来上がってくるものだ。いや、できあがってくるというよりは自発的に育てていくという方が正解である。そしてそこに中川氏と西澤氏が本書のタイトルに込めた最大のテーマであろう。

たまたま今日、いいちこの広告の30年を俯瞰するポスター展を観る機会があったが、ここまで来ると一つ一つの仕事がいい悪いの話ではなく、とにかく会社の理解とスタッフの熱意、こだわり、その他様々な要素が見事に重なり合ってブランディングができあがっていると、ただただ敬意を表するのみである。

ブランディング。奥が深く時間がかかるもの。しかし、強いブランドは少々の景気の変動では揺るがない。だから求める価値があるというものだ。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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