アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

天才ジャズピアニストを描いたドキュメンタリー『情熱のピアニズム』を観て。

彼は天才ジャズピアニストという才能を得るのと引きかえに重度の障害というハンディキャップを背負ったのではないか。
考えれば考えるほどそう思えてしかたない、それほど彼の人生はジャズそのものだった。

猛スピードで走り抜けたわずか36年の人生。普通に考えればあまりに短い一生であることは間違いない。
しかし彼にとっては運命を受け入れ完全燃焼した結果の死だったように思える。
あらためて人生の価値を計るものは長さではなく密度であると深く考えさせられてしまった。

さて、彼の名はミシェル・ペトルチアーニ。80年代、90年代に活躍したジャズピアニストでご存じの人も多いだろう。
そんな彼の生涯を描いたドキュメンタリー映画「情熱のピアニズム」を観た。


情熱のピアニズム

全身の骨が折れた状態で生を受け、成人になっても100cmにも満たない身長、しかしながら音楽の才能と快楽を求めるそのエネルギーは健常者との比較すら無意味に思えるほど。
特に、たびたび映像に登場し印象的だったのは彼の身体にそぐわない大きな大きな手。まさに神はこの手をピアノを弾くために彼に授けたのだ。
映画を観た後、あらためて彼の残したCDアルバムを聞いてみたが、独特の強いタッチに彼の手の印象が脳裏をよぎる。

この映画は生前彼と関わりのあったミュージシャンや彼の恋人、妻たちの回想で展開される。
したがってすべてが事実であり本人達の素直な気持ちを吐露したもの。
誰もが彼の情熱に傾倒し、彼の生き方を受け入れ心から愛していたことがわかる。
もし創られた映画であれば、ここまで彼の苦悩や喜びを抱えた気持ちは伝わってこなかっただろう。
そういう意味では、ドキュメンタリー映画という手法の意義をあらためて見直した次第。
いやそれ以上に、デジタル技術でどんなものでも再現できる時代であるからこそ、より貴重に思えてくる。

映画の感想ではあるが、いつのまにかペトルチアーニの生き方についての感想になってしまう。
映画の出来不出来の意識が薄くなるのは、考えてみれば、それ自体演出の狙い通りなのかもしれない。

自らの時間が短いとわかっているからこそほとばしるエネルギーを余すこと燃焼しつくしたペトルチアーニ。
対して与えられた時間を意識することなく、目標もない毎日を過ごすわが身。果たしてこれで良いのだろうか、良いわけはない。
人生とは、幸せとは、働くとは・・・いろいろと考えさせられた映画だった。

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