アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

クリック一つで世界の工場が動き出す。さて今日は何をつくろうか?

パソコン上でソフトを使ってデータを作成したら、印刷ボタンを押せば、プリンターから印刷のできあがりと変わらないものが出力される…いわゆるDTP(デスクトップパブリッシング)がこれだ。
アップルのマッキントッシュが広告業界で導入されて印刷そのものが大きく変わった。今から20年ほど前のことである。
それ以前とそれ以降が180度違うほどの衝撃は、その過渡期に広告会社でDTPシステムの導入を担当していた私にとって、今でも鮮やかな印象として残っている。

しかし、このクリックひとつでできあがるものが、立体物だとしたら、どうだろう?実はこれが現実のものづくりの世界で始まっているのである。

伝説のデジタル雑誌「ワイヤード」の編集長にして、過去に「ロングテール」「フリー」という大ベストセラーを書き、デジタル時代の価値観の移り変わりを見事に切り取って見せたクリス・アンダーソンの新刊「メイカーズ~21世紀の産業革命が始まる」を読んだ。



クリス自身がすでに工場を持って21世紀型のものづくりを実践しており、その過程で学んだこと、そして今後一気に花開くであろう新たなものづくりの考え方を明らかにしている。

ポイントはずばりデジタルでありインターネットの存在だ。日本のインターネット元年から約18年、いよいよネットの影響力がリアルの世界も変えていく時代に入りつつあるのである。
クリスの鋭い分析により、起こり得るであろう未来の姿がより鮮明に見えてきたというのが読後の実感だ。

この21世紀型のものづくりを可能にしたのが、3Dプリンターの存在だ。
かつてものづくりはあるまとまった数がなければ成り立たない世界だった。どんなに素晴らしいアイデアを持っていても個人でものを作り世の中に出すのはほんの趣味の世界に限られたことだったのだ。

しかし、この3Dプリンターの力を借りれば、パソコン上でソフトを動かし1つからオリジナルの製品を創りだすことができる。しかも2Dの印刷の世界と同様、まとまった数を作りたければ世界中のサプライチェーンとパソコン上からつながり発注することも可能なのだ。

こうしたものづくりが普及していけばデメリットであった規模の小ささが大きなメリットとなり、身体が大きく動作の遅い大企業はその大きさがデメリットとなってしまう危うさを秘めている。

かつて私が体験した、パソコンとインターネットの出現により印刷の世界が大きく変わっていった時のように、これからはものづくりの世界にも間違いなく同じことが起こる。写植が消え製版会社が必要なくなった。それでは、ものづくりの世界では何が消え何が残り生まれてくるのだろうか。興味はつきないし、当事者としていえばまさに今が新たなチャンスの時なのだ。

クリス・アンダーソンの「メイカーズ~21世紀の産業革命が始まる」。
新たな産業革命の主役になるのか、消えていくのか。私たちは今まさに分岐点に立っている。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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