アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

振り向かせるのは「たった1人」でいい!?

マーケティングコンサルタントの阪本啓一氏の書いた“「たった1人」を確実に振り向かせると、100万人に届く。”を読んだ。



阪本氏といえば、かつてセス・ゴーディン氏の「パーミッションマーケティング」の翻訳者として、日本でのパーミッションマーケティングの伝道師となった人。

当時、私はオプトインメールを企業に薦める立場にあって、大いに感化されたものだ。
また最近書かれた「共感企業」では、本業を通して社会的責任を果たすこれからの企業の姿に非常に共感した覚えがある。

そんな彼が書いた新刊は“フォーカスマーケティング”という新しいマーケティングの考え方について論じたもの。

ポイントは、「たった1人を振り向かせることに集中しよう」だ。

なぜこう考えるかというと、それは3つの理由に起因していると阪本氏。

1.ビジネス環境が大きく変わった。しかもこの変化は非連続的で革命ともいえる。
2.それに伴ってマーケティングを変化させないと成果が出ない。
3.新しいマーケティングは新しいアプローチになる。

阪本氏というと、過激な論調で人気があるというのが昔からの変わらぬ印象。そのパワフルな語り口は本書でも健在で、読んでいて何とも歯切れがよく心地よさを感じるほどだ。

タイトルからも伺えると思うが、フォーカスマーケティングの考え方は、ある意味私が長年馴染んできたマスマーケティングの対極にある。
テレビCMを核に、より多くの人にいかに短時間に伝えるかにまい進した立場からいうと、「時代よ、よくぞここまで変わったなぁ」と感慨を覚える次第。

フォーカスマーケティングでは、目の前にいる1人の人とつながる糸を見つけるだけでいい。その1本の糸が加速度的に何本もの糸になって東西南北へ走り出す。ご承知の通り、広めるトレーラーとなるのはソーシャルメディア。SNSが、ブログが、ウェブが、たった1人を見つける最強のツールとなるのである。

本書内でフォーカスマーケティングの実例がいくつか紹介されているが、そのひとつが由紀さおりとピンク・マルティーニのアルバム「1969」のヒット例。全米で火がつき大ヒットとなった点は、かつて坂本九が歌った「上を向いて歩こう」と同じ経緯だそうだが、実は仕掛けたのは同じ佐藤剛という人だそうだ。

この由紀さおりの「1969」が大ヒットとなったきっかけは、ジョン・カビラが自身の番組で紹介したことからだそうで、ここから一気に拡散していった。ジョン・カビラという「たった1人」を振り向かせた、まさに好例といえる。

たった1人にフォーカスする新しいマーケティングメソッド。広告業界歴が長い人ほど、馴染みにくいかもしれない。そういう意味では、本書の内容にすんなり入っていける人は時代対応ができている証拠で、まだまだ広告業界でキャリアを重ねられそうだ。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

コメント

ありがとうございます!

こんにちは! 著者の阪本啓一です。本をお読み戴き、また、このように鋭い読み取りをしてくださいまして、とても嬉しく、光栄に思っています! 感謝しています!

Re: ありがとうございます!

> こんにちは! 著者の阪本啓一です。本をお読み戴き、また、このように鋭い読み取りをしてくださいまして、とても嬉しく、光栄に思っています! 感謝しています!

阪本様、こちらこそコメントありがとうございます。いつもワクワクしながら読ませて頂いています。次回作も期待しています!

  • 2012/11/03(土) 20:50:15 |
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