アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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ウェブはコンテンツ中心から人中心へ。もはやこの流れは止められない。

プロダクトデザインとユーザーエクスペリエンスデザインの専門家、そしてグーグルを経て今はフェイスブックのブランドデザイン部門でグローバル責任者を務めるポール・アダムス氏が書いた「ウェブはグループで進化する」を読んだ。



本書のテーマは、人の社会行動に関する法則を理解するための入門書。

人は社会的な存在であり、人のウェブ上での社会行動を理解することは今後あらゆる企業で必要不可欠になるとアダムス氏は言っている。

アダムス氏はソーシャルメディアを長年研究してきており、ソーシャルメディアを単なる流行として考えるのではなく、むしろ“オフライン世界での人々の行動にオンライン世界が近づいてきている”と捉え、ウェブにも新たな進化が起こっていると主張する。

それではそのウェブの進化とは何だろうか。

ずばり、「ウェブはコンテンツ中心から人中心の構造に変化している」とアダムス氏。
かつては文書と文書を結びつけていたウェブの役割が、人と人を結びつける役割に変わってきているのだ。

マーケティング・広告に携わる者として気になるのは、それではウェブの役割が変わるとマーケティングコミュニケーションはどうなるのか?ということだと思うが、そのあたりは本書の第9章「ソーシャルウェブにおけるマーケティングと広告」に詳しい。

アダムス氏は旧来型のマーケティングコミュニケーションを「妨害型マーケティング」と称し、
「どこまで最悪になれるかの競争に等しい」と、超が付くほど手厳しく論じている。

アダムス氏いわく、そもそも妨害型マーケティングには二つの問題があり、ひとつは一般の人々にとって「嫌な経験」でしかないこと。もうひとつは人が持つことができる関心には限界があるということ。つまり現在のような情報過多時代にはほとんどのメッセージは埋もれてしまう運命にあるということだ。

このような人の心理を無視して長年広告を唯一無二の手段として垂れ流してきた結果、一般の人々を広告を信用しない状況に追い込んでしまった。

一方その対極として生まれてきたのが許可型マーケティングである。フェイスブックの「いいね!」ボタンはその象徴的な例で、人々と企業とのやり取りの結果として、信頼が生まれ、口コミが創造され、継続的で良好なコミュニケーションが実現されるというわけだ。

しかもウェブが人中心に展開されることはそれだけでは留まらず、ビジネスそのものを人中心に変えていくパワーを秘めているからさらに注意が必要だ。

こうして考えてみると、アダムス氏の言う妨害型マーケティングの将来は風前の灯に思えて仕方ない。
余命いくばくもないマーケティング手法にしがみついて生き残るに賭けることも確かに価値のあることかもしれない。しかしそれであっても、少なくとも人中心にコミュニケーションのあり方を再度見なおしてみるみ必要はあるだろう。人を中心ということはもはや企業の都合や身勝手な論理は通用しないということでもあるのだから。

いささか余談にはなるが、マーケターやアドマンとして求められる資質も変わってきている気がしてならない。数字に対する強さであったりデザインやコピーに対する優れた技術よりは、人の心理を理解できる人間力やコミュニケーション能力のようなものがより重要になるのではないだろうか。

ソーシャルメディアの最前線に身を置くアダムス氏の提言は、間違いなくこの先5年10年の流れを捉えてのものだ。目先も大事だがその間に時代は大きく凄いスピードで動いている。そういう意味では、時代の大きな流れを知ることができる格好の1冊といえるだろう。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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