アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

成長の先にあるのは、懐かしい未来。

スローライフの研究家であり大学教授でもある辻信一氏が書いた「いよいよローカルの時代~ヘレナさんの幸せの経済学」を読んだ。



ヘレナさんとは、環境活動家のヘレナ・ノーバーグ=ホッジ。
インド最北部にあるラダックという都市の、近代化にさらされながらも伝統文化の価値を保持して、グローバル化とは対極を行く豊かさを維持してきた、その過程を研究したことでも有名な人だ。

そんなヘレナ氏が書いた本のタイトルが「ラダック 懐かしい未来」。
スローライフを志す人にとってはバイブル的存在の1冊であると辻氏はいう。

本書はそのヘレナ氏が来日した折の辻氏との対談がベースになっている。

本書の中でヘレナ氏が象徴的に使い度々登場する言葉が「ビッグピクチャー(全体像)」。

部分ではなく、全体像を見なければ物事の良し悪しの本質がわからない、というような意味で使われている。

たとえば、“食料を安く提供するため”という理由で、食料の生産者から消費者までの距離がどんどん長くなっていったのが20世紀後半からの食料事情。
しかし距離に比例して、生産者がより巨大化し単一栽培がますます増えていく。その結果、多くの生産者が消えていき、闘いに勝ちますます巨大化した生産者のみが生き残る。
この巨大化はエコロジーとはまったく逆の原理で多様性を本質とする自然の生態系を破壊してしまうとヘレナ氏は警鐘を鳴らしている。

輸送距離が長くなれば、それだけ環境負荷も大きくなる。地球の未来を考えれば、その選択は間違いなくNo!であるが、ほんの少し前までは、それが是とされてきたからやっかいなのである。グローバル経済、成長ありきの考え方に誰もが知らず知らずのうちに洗脳されていた感すらあるのだ。

今私たちがとるべき選択はひとつ。原発問題しかり、それはビッグピクチャーを眺めること。

未来に向けて求められているのは脱成長の経済システムであり、ダウンサイジング前提の縮減社会なのである。

どこか懐かしいけれども過去ではない。次なるローカルの時代は間違いなくすぐそこまでやってきている。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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