アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

口紅を男に売って、ブランドはつくれるのか?

高倉豊氏の書いた「口紅は男に売り込め!~有名ブランド再生人の非常識な3原則」を読んだ。



高倉氏は広告代理店勤務18年を経て、外資系化粧品会社に転身。以降外資系ブランド計5社で20年にわたりブランド再生に取り組んだ人。

本書はその高倉氏の実際の経験をベースに書かれているだけに自然と彼の世界に引き込まれる。。
はじめての著作ということだが、要点がきちんと押さえられており文章も端的で読みやすい1冊となっている点は、広告業界で鍛えられた賜物だろう。

本の帯に、高倉氏の信条を表す言葉が記されているので紹介しよう。

「ピンチの時に一番大切なのは、できない理由を探すことではない。実行不可能な理想論を掲げることでもない。今与えられている条件の中で、解決策を見つけることなんだ!」

どんな厳しい条件の中でも、ソリューションは必ずあると高倉氏。

常識に囚われない自由かつ柔軟な発想が、売れないといわれた外資系ブランドで不可能を可能にしたのだろう。
現在のようなコモディティ化があらゆる分野で進んでいる時には、特にアドマン、クリエイターの発想が貴重な価値を持つと本書を読んであらためて確信できた。

たとえば、本のタイトルにもなった口紅のケース。
直接ターゲットの女性ではなく男性をターゲットに口紅をギフト商品に仕立て見事大ヒットを飛ばした。
その決め手となったのが、キャップに女性の名前を刻印するサービスだったそうだ。

しかし、奇をてらって商品が売れればそれでよいのだろうかと、ブランディングを研究するものとしてはいささか疑問を覚える。

特に気になるのは、それをプレゼントされた女性の何人がその口紅を愛用してそのブランドのファンになるのかという点だ。

ご承知のとおりブランド作りには長期的な視点がかかせない。
だから短期で売上げが上がってもリピートオーダーにつながらなければ、ブランディングという観点からは成功とはいえないのだ。

高倉氏がブランド再生人を謳うのであれば、それを持ってはじめて自身の使命を果たしたといえるのではないだろうか。本書を読んでそんな感想を持った。

それはそれとして、どんなに良い商品でも世の中に知られなければはじまらないと考えれば、高倉氏の発想力は大いなる武器になることは間違いない。

ライバルは見ない。現場は見ない。ロジカルに考えない。高倉氏が掲げる非常識な3原則。モノが売れないと嘆く前に実践してみる価値は十分にある。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://adrunner.blog38.fc2.com/tb.php/1219-8799a25f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad