アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

イノベーションを最短で進めるために、社内に出島をつくる。

経営コンサルタントの河合拓氏が書いた「ブランドで競争する技術」を読んだ。



河合氏は学卒後、商社でファッションブランドの仕事に従事、その後経営コンサルタントに転身した人。

現在の会社に入社後はそのキャリアを活かして数々のファッションブランドのターンアラウンド(再生)を手掛けてきたそうだ。

それだけに日本のブランドビジネスに造詣が深く、本書の中でもオンワードからワールド、レナウンなどの老舗ブランド、そして無印良品、ユニクロ、ナルミヤインターナショナルなどの個性的なブランドまで、さまざまなブランドの強み、弱みを冷静に分析しているのが特徴的だ。

さらには、長い間そのブランドビジネスの推進役だった百貨店のビジネスがなぜ成り立たなくなったのか、その歴史的経緯からビジネスモデルまでを時代の移り変わりと合わせてわかりやすく解説している。

世の中のあらゆる分野でファッション化が進んでいる今、ファッションブランドを通してブランド論を考えてみることは理にかなった事といえるのではないだろうか。

河合氏はターンアラウンドの豊富な経験から、再生を前提に新たなブランドを立ち上げる時、もっともイノベーティブに進めるためには、社内に独立した出島を作ることが成功確率が高いと話す。

その出島に既存組織とは切り離した形で事業を推進しながら、まずは小さな組織で大きな改革を成し遂げ、その成功体験を徐々に組織全体に展開していくことが結局のところ近道なのだそうだ。

河合氏が「出島理論」と呼ぶこの方法で成功したのが、かつて西友が立ち上げた「無印良品」。

大手GMSがファッションブランド立上げでことごとく失敗していく中で、唯一と言ってもよい成功事例である。

「出島理論」は、ここではファッションブランドに特化して書かれているが、他業種の商品ブランド戦略においても十分に展開可能と思う。

本書で河合氏はブランド戦略の考え方を「3つの価値」を元に展開している。

(1)機能価値:商品の物理的な完成度
(2)サービス価値:ホスピタリティ、特別な接客、eコマース
(3)イメージ価値:商品が生みだす世界観、ストーリー、伝統

ファッションブランドのエピソードなど初めて読む話も多く意識がそちらに向かいがちになるが、実はブランド戦略に必要な基本中の基本がきっちり押さえられており、ブランドについて学びたい人にも格好の1冊ということもできる。

このブログでも再三書いてきているが、ほとんどの商品でコモディティ化が進んでいるのが今という時代。

そういう意味では、ブランド戦略はすべての企業で避けて通れない道であることは間違いないし、今ほどクリエイターのみならずすべての人に、その理解と実践のための知識が求められている時はないともいえる。

もし売上低下、商品力低下で悩んでいるのであれば、ブランドを学ぶことで会社の危機を救えるかも知れない。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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