アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

辛く厳しく、けれど楽しく素晴らしいCMづくり。

まったく0の状態から少しづつ輪郭が見えてきて、やがて15秒という形に凝縮される。

CMづくりのプロセスには、プランナーからディレクター、カメラマンや照明のスタッフなどさまざまな人がかかわり、それぞれの感性や価値観がクリエイティブディレクターの導きでひとつの方向に集約されていく。

たかが15秒、されど15秒。それはほかのどんな仕事とも違う。

ゆえに一度味わったら辞められない、というかおそらくは他の仕事では満たされない麻薬のような刺激があるのだろう。

私自身CMの世界に30年携わってきて、今さらながらその仕事の特殊性と奥の深さを思う。

そんな自分にとって、決して読んではいけない(?)禁断の1冊と出会ってしまった。

それが本書、エステーの特命宣伝部長にしてクリエイティブディレクター、鹿毛康司氏が書いた「愛されるアイデアのつくり方」である。




鹿毛氏は、あのミゲル君のCMなど話題のCMでエステーの好感度をぐっと高めた影の貢献者。
その鹿毛氏、本書を読むまで知らなかったが、前職ではあの雪印事件の真っただ中でマスコミ対応の最前線にいた。その後退社、エステーの広告宣伝部長になったということだ。

なので、彼のCMづくりの考え方の根本は雪印事件時に形成されている。
それはひと言でいうと、超現場主義。

調査データもグループインタビューも、すべて自身の目と足と身体で検証する。
徹底的にお客さまと向き合うこと見えてくるものだけを信じるということだ。

通常、企業の宣伝部長というと、自分は何もせず、上の顔を伺って難癖をつけるといったタイプが多かったりする(もちろん中にはそうではない素晴らしい方もいます)が、鹿毛氏は広告会社との付き合い方も既成概念に捉われることなく、スタッフとの付き合い方も同様。

あくまで正面から向き合い、自らが考える企業、商品の想いを伝える。
しかもお客さまから愛されるためには、お客さまの立場に立ち、伝わることが重要になってくる。

だからやらないではなく、だけどやる。やれない条件に押しつぶされるのではなく、厳しい条件があるからこそそれをアイデアで突破する。これぞクリエイティブの醍醐味だ。

鹿毛氏の超ポジティブCM発想法、真面目に全人生を賭けて表現することを遊ぶ。

自分もその場に身を置いていたにも関わらず、結局道半ばで下りざるをえなかった。ある意味の逃避に近い。

だからこそ、鹿毛氏の想いの強さ、そしてその突破力に全面リスペクトである。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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