アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

オムソーリ、「分かち合い」の経済学。

東京大学名誉教授、神野直彦氏が書いた「分かち合い」の経済学を読んだ。



本書の内容を象徴する言葉が「オムソーリ」。

スウェーデン語で「社会サービス」を意味するらしいが、その語源は「悲しみの分かち合い」というところからきているのだそうだ。

「悲しみを分かち合い」「優しさを与え合い」ながら生きている、まさにスウェーデン社会の秘密を解き明かす象徴的な言葉と神野氏はいう。

そのスウェーデン。大きな政府を志向して、高福祉の安心社会を実現した。

その一方で、小さな政府による、自由競争社会を志向したのがアメリカ、日本などの国々。

その結果は……言わずもがなだろう。

新自由主義は、分かち合うよりはまず自分の利益を優先する。
確かにそれにより莫大な富を得た成功者を輩出した。
しかしそれと対照的に、貧困・格差を助長したのも事実だ。

同じ仕事をしていても正規社員と非正規社員の待遇が天と地ほども違う。そして自殺者は3万人超え。
そんな国が本当に幸せな国といえるのだろうか。

なぜそうなってしまったのか、神野氏は20世紀の歴史を中心に、ひとつひとつ丁寧に紐解いていく。

そこには明らかな時の為政者の判断の過ちがある。しかも彼等は職を辞せばそれで終わりだが、
国、国民が負った傷は彼らが消えても決して消えないのだ。その罪は大きい。

一歩先も見えない混迷の世の中、にもかかわらず政治はいまだダッチロールの最中だ。
そんな世の中ではたして何を信じ手生きていけば良いのか。

そのヒントとして神野氏が掲げるのが「分かち合い」というキーワードなのである。

人は一人では生きていけないことは間違いない。だからこそ、分かち合うことが大切になってくるのだ。

分かち合うことからはじまる、新たな成熟への道。

そう、この本には未来に向けての希望が詰められている。

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