世間を騒がせている「食べログ」問題。
39の不正業者が、口コミを不正に起こしランキングを操作していたことが発覚した。
不正の内容は主に2点。
ランキングを上げる高評価の書き込みを評価者に依頼し、ランキングを上げさせたケース。
逆に、競合店の低い評価の書き込みを評価者に依頼し、競合店に打撃を与えたケース。
飲食店では「食べログSEO」として周知の存在だったようで、食べログを運営しているカカクコムでは
すでに昨年の1月からこれら不正業者への対応を行っていたようだ。
なぜ今になってという感があるが、ここまで騒ぎを大きくしたカカクコムは上場会社としてのコンプライアンスに欠けているといわれても仕方がないだろう。
さてこの食べログ、一時はグルメサイト=食べログといわれるほど、グルメサイトのあり方そのものを変え飛ぶ鳥を落とす勢いの存在。食べログから見放されては経営そのものに支障を来たすという声もよく聞かれた。
何よりユーザの生の声がベースとなっていただけに信用の度合いが違うというわけだ。
しかし今回の問題。根幹の評価システムそのものでやらせが蔓延していたことは、
存在価値そのものが否定されても仕方がない、それほどの大きな問題なのである。
日経ビジネスデジタルの記事によると、今回の問題がきっかけで、
ネットの「集合知」の限界が見え、その先にある「友人知」への移行が加速するとしている。
このベースとなったのが、フェイスブックのシェリル・サンドバーグCOOへの取材だ。
サンドバーグ氏は、「情報主体のウェブは集合知(群衆の英知)という考え方に基づいてるが、今後、重要になるのは「友人知(wisdom of friends)」と語っている。
友人知とは耳慣れない言葉であるが、見知らぬ人の評価か知っている友人の評価かと聞かれれば、
なるほど知っている友人の方が信頼できるとなるわけだ。
フェイスブックそのものが友人知のかたまりのような存在だけに、皮肉にも今回の問題がフェイスブックにさらに弾みをつけることになるだろう。
~日建ビジネスの記事を参照