アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

スペンド・シフト ~希望をもたらす消費

ヤング&ルビカムのジョン・ガーズマ氏とフリージャーナリスト、マイケル・ダントニオ氏の共著による
「スペンド・シフト」を読んだ。

PULLの哲学以来、ひさしぶりにカウンターパンチを食らった感じだ。



スペンドシフトとは、消費の転換、という意味で使われている。

著者いわく、スペンド・シフトとはこういうこと。

自分を飾るより、自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく自ら創造する人になる。

本書の主旨は、そのスペンド・シフトを
BAVというヤング&ルビカム独自の調査システムと、全米の大企業、中小企業への幅広い取材から
解き明かすというもの。

最大の特長は、アメリカ全土の主要都市での豊富な取材、ということに尽きる。

取材した都市は、カンザス・シティ、デトロイト、ダラス、ボストン、タンパ、ブルックリン、ラスベガス、
ディア・ボーン、サンフランシスコ、ロサンゼルス。

知らなかったが、まだまだリーマンショック以降の痛手から立ち直れずにいる企業や人々がいる一方で、
実はリーマンショックからいち早く脱出し、節約、堅実、環境重視、持続可能性という
あらたな消費の価値観を持って暮らし始めている人が結構増えてきているということだ。

もっというと、この傾向はアメリカではリーマンショック以前、9.11から始まっていたらしい。

この価値観は、日本でも3.11以降から急速に芽生え始め、かなりの共通性を持っている。
そういう意味では、またもや日本の数年先をアメリカは走っていると言えなくもない。

著者であるふたりは、このスペンドシフトの考え方を次の10のポイントでまとめている。

1.借金から貯蓄への流れが生まれている。
2.消費者という概念を捨てて「顧客」ととらえるべきである。
3.企業は個人の集まりである
4.世代間の溝が埋まりつつある。
5.消費者の厳しい目が市場に変革を迫っている。
6.これからのビジネスモデルを支えるのは寛容の精神である。
7.消費から創造へと社会の軸足が変化している。
8.大きな問題を解決するには小さな発想が求められる。
9.アメリカは理念にもとづくイノベーションの新興市場である。
10.何もかもうまくいくはずである。

うーん、どれも重要な変化を示唆している。

マス重視で来た大企業がこの消費意識の変化についていくにはかなりの企業体質の転換、
もっといえば企業構造そのものの転換が求められる。
それだけに対処すること自体、相当困難が伴うのではないか。
そう考えれば身軽な起業したばかりの中小企業にはチャンスともいえる。

考えてみれば、その昔から、時代というものはこのように変わっていくのだろう。
大企業が大企業であること自体が弱点となり淘汰されていくしかない道をたどる。
その間に新たな企業が立ちあがり数年先には大企業になる。

これからの時代に求められる企業像は、本書に登場する数多くの新興企業の傾向をみれば、
ある程度つかめるだろう。
あとは独自のビジネスモデルを立ち上げることができるかにかかっている。

冒頭でもいったように、アメリカの事例ではあるが日本にも十分に応用できる。
人の価値観は全世界共通ということかも知れない。

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