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アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

ミレニアム起業家の「新モノづくり論」

仲暁子さんが書いた「新モノづくり論」を読んだ。

新モノづくり論

仲さんは新卒でゴールドマンサックス証券に就職、その後フェイスブックの日本法人の立ち上げに関わり、独立してビジネスSNS「ウォンテッドリー」をリリースさせた、なかなか他には類を見ないキャリアの持ち主だ。

本書にも頻繁に登場する「ミレニアム世代」だが、まさに仲さん自身がドンピシャのミレニアム世代。

仲さんは本書で、「なぜ日本から世界で活躍できる企業が減っているのか?」という問いを投げかけているが、その背景にある日本経済の長きにわたる成長鈍化に対し、2つの理由を挙げている。

ひとつは、AI、ロボット、IoTなどを含んだ広義のインターネット系の産業の構築の遅れ。
もうひとつが、消費者、労働者として社会の中心になろうとしているミレニアム世代への理解不足。

いずれも仲さんが実際に自分事として体感している話で説得力がある。

いずれもに共通する原因は、過去の成功体験を持った50代〜60代が、古い価値観で相変わらず企業の中枢に居座っていることではないだろうか。そういう私自身がその世代ゆえ、余計に実感としてわかる。

高度成長期に積んだ良い体験の記憶がなかなか捨てられず、低成長の時代に変わっているのにも関わらず、やればできる的な根性論をごり押しする。仕事へのモチベーションという意味では若い世代のほうが旺盛にもかかわらずだ。

しかし、ミレニアム世代が社会の中枢に少しづつ足を踏み入れてくるに従い、旧世代の居場所はなくなりつつある。おそらくこれから5年後くらいにはすっかり企業の様相が変わってしまっているのではないだろうか。

さて、本書の中で、そのインターネットとミレニアム世代が形作る社会を攻略するキーワードとして仲さんが挙げているのが「トライブ」である。

トライブとは何を指すのだろうか。

英語でトライブは、種族とか部族と訳されるが、仲さんは転じて共通の価値観を持った人たちの集まりという感じで使っている。

ポイントとなるのは人と人のつながり方だ。

企業のような硬い関係性ではなく、ゆるやかでしなやかな関係性とでも言おうか。彼らのつながりたいという気持ちに寄り添うことが企業にとってますます重要になってきているように思う。そしてそのつながりの中で自分らしい生き方ができることが求められている。

もうひとつ。

トライブで重要になるのが、仲間探しだ。何事もひとりではできないと仲さんは言う。たとえば同じ情熱やビジョンを持った人が一人二人集まっていくことで、新しい組織が形作られていく。重要なのはお金ではない、カルチャーなのだ。

ミレニアム世代への理解不足。そんなテーマに惹かれて本書を手に取ったのだが、読み終えてみると、自分が独立して2年くらいの間に考えてきたこととそんなに大きな違いはないように思った。

重要なのは、ミレニアム世代を理解しようと知識を膨らませることではなく、時代の変化に対して自らの行動を変えることだ。デジタルが世の中を変えていくのだったら自らがデジタルを活用してみることだ。

そういう意味では、本書を読んで、彼らを理解するどころか、彼らから教えられている事のほうが多い自分がいることに気づいた。

やや上から目線が度を超えている感があり、賛否両論あるだろうが、仲さんの指摘は正論で切れ味鋭い。こんな人たちが元気なら、この先の日本もきっと大丈夫だろう。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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