アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

「お困りごと」がビジネスチャンス。thinking to create value

井上裕一郎氏が書いた「Thinking to create value ビジネス価値を最大化する思考法」を読んだ。

ビジネス価値を最大化する思考法

筆者の井上氏は、もと広告代理店の広告ディレクター。今はその経験を活かして、広告ディレクターだけでなく、クリエイティブコンサルタントとして活躍中とのことだ。

本書のテーマはずばり、「お困りごと」にこそビジネスチャンスがある。
そしてそのテーマに対して、自身が開発した「お困りごと×自社の強み=新しい商品やサービス」というビジネス開発のフレームを提示している。

さて、その「お困りごと」とは一体どのようなものだろう。

井上氏は、その一例として、「オフィスの昼食事情」を上げている。

ご承知のとおり、都会ではランチが1000円を超えるというケースが当たり前で、月にすれば2万円にもなってしまうというのがビジネスマンの悩みの種だ。
それを解消するため、手軽なパンなどで済ますケースがあるが、これだと栄養が偏って万病の原因となってしまう。

そんなオフィスの「困りごと」の解決に乗り出したのが、ぷち社食サービス「オフィスおかん」を提供する、株式会社CHISAN」だ。

オフィスおかんとは、わかりやすく言うと、オフィスグリコの社食版。

オフィスに無料で冷蔵庫を貸し出し、冷凍の惣菜や白ご飯を供給、企業側で電子レンジを設置すれば、写真食堂を作れない中小企業でも簡易版の社食を持つことができるというわけだ。

その仕組みを提供する株式会社CHISANは、全国の生産者や製造者のネットワークがあるという「強み」を持つ会社。全国各地の食品製造者の余剰生産ラインを有効活用することで、消費者に食事を提供できる仕組みを構築することができたという。

以上を井上氏の方程式で整理すると次のようになる。

①オフィスの「お困りごと」
 ・健康的で温かいランチをリーズナブルに食べたい(社員)
 ・健康的で温かいランチをリーズナブルに食べさせてあげたい(経営者)

②「オフィスおかん」の「強み」
 ・地産地消を通して築いた全国各地の生産者、食品製造者のネットワーク

③「お困りごと」を「強み」で解決して生まれたサービス
 ・ぷち社食サービス「オフィスおかん」

④社員の昼食事情で困っている企業が導入

こうして整理されたものを読むと、困りごとを解決したいという企業の使命感が重要だということが、あらためてよく分かる。


本書の中で、井上氏は売れている商品と売れていない商品の違いはどこにあるのか?ということに対して次のように述べている。

A.その商品「売ろうとしている」のか?
B.その商品で、「社会や個人の問題を解決しようとしている」のか?

言われてみれば当たり前だが、まだ多くの企業がA.の思考になっている。

成熟した消費者は、企業の嘘や広告で過剰に作られたイメージは、その本質をあっという間に見抜いてしまう。しかもSNSがあるから、悪い評判はあっという間に伝播する。だからこそ、儲け第一ではなく、困りごとを解決しようという企業の姿勢に共感するのである。

自分の身の回りを見渡してみて、あなたや家族、あなたの勤める会社での「お困りごと」はないだろうか?
普段は意外と気づいていないが、冷静になって考えてみれば、いくつか思いつくはずだ。

イノベーションなどと無理をしなくとも、身近な困りごとの解決から自社のビジネスを見直してみる。そのほうが中小企業のやり方にあっているような気がする、本書を読んであらためてそう思った。

テーマ:徒然なるままに… - ジャンル:ブログ

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