アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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コトラー先生いわく、時代は「マーケティング4.0」へ。

かのマーケティング大家、フィリップ・コトラー教授とネスレ日本の代表、高岡浩三氏の共著による「マーケティングのすゝめ」を読んだ。

マーケティングのすゝめ

副題に「21世紀のマーケティングとイノベーション」とある。

そもそもなぜ「マーケティングとイノベーション」に、わざわざ「21世紀の」とことわりをつけなければいけないのか?

それは、20世紀と21世紀の社会の変化こそが、「マーケティングとイノベーション」の考え方に大きな影響を与えているからにほかならない。

そして影響力の最たるものが、言わずもがなであるが、インターネットの登場と急速な普及にある。

マーケティングは第二次産業革命をベースに発展した20世紀の資本主義社会の成長期に生まれた。
ゆえに、あらゆる点で、インターネット以前の価値観で成り立っている。

それこそeコマースもなかった時代。すべてが否定されるわけではないが、過去のマーケティング理論が金属疲労を起こしているのは明白なのではないか。

それでは、大きく変化した時代の「マーケティング」はどのように考え、どのように実践したら良いのか?
それが本書のメインテーマである。

本書では、コトラー氏が主に「どのように考えるか」という理論部分を担当し、高岡氏が「どのように行動するか」という実践部分を担当する形で進んで行く。

コトラー氏のベースとなっているのは、自身が提唱した「マーケティング3.0」の考え方。

製品主導のマーケティング1.0の時代
顧客主導のマーケティング2.0の時代
そして今は、価値主導のマーケティング3.0の時代にあると。

そしてここからが本書の最大の関心事だと思うが、
コトラー氏は、「マーケティング4.0」という新しい概念を提唱、現在、世の中はそこへの移行期に入りつつあると述べている。

ご承知のとおり、マーケティング3.0とは、顧客に新たな価値を提供しようというマーケティングで、
「世界をより良い場所にする」という企業の価値観が問われるものだった。

これに加えて、コトラー氏は、顧客ひとりひとりの可能性を引き出し、顧客の自己実現を支援する企業の姿を「マーケティング4.0」として提唱している。

この象徴的な例として本書で紹介されるのが、ネスレ日本の「ネスカフェアンバサダー」である。
テレビCMでもおなじみ、すでに皆さんの会社でも導入されているのかもしれない。

単にコーヒーを売るのでも、美味しいコーヒーによって顧客満足を追求するものでもない。企業内でコーヒーを通して人と人が触れ合う心地よい場を提供するというものだ。その場に人が集うことで良好な人間関係が育まれ、今より優しい企業になれるのだと。

詳しくは本書をぜひ読んでいただきたいが、高岡氏によれば、これからのマーケティングのヒントは「顧客と顧客が抱える問題を再定義」することが重要なようだ。特に顧客が抱える問題は実際のところ顧客が気づいていないことが多い。ゆえに、気づいていない問題を気づく力=問題発見力がこれからのマーケターに最も必要な資質であると述べている。
もうひとつ、この気づいていない問題に気づくためには、インターネットの力をどう活用するか、それが重要だと。

つまり、21世紀型のマーケティングとイノベーションとは、ITを活用して、顧客が未だ気づいていない課題を、モノではなくコトとして提供する、ざっくりといえば、そんな感じになるのだろう。

高いところからみれば時代は大きな転換点にあるものの、毎日の生活の中ではなかなか変化が見えにくい。けれど見えにくいからといって安穏としていると、気がついたときには置いてけぼりにされてしまう。難しい時代にあるのが今なのではないだろうか。

そういう意味では、コトラー氏が提唱する「マーケティング4.0」、高岡氏のネスレ日本が推進する「ネスカフェ・アンバサダー」の取り組みは、時代の変化を感じとる眼を養うには格好の例だと思う。ぜひ一読をオススメしたい。


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