アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

どこにもない強いブランドをめざそう。それが小さな会社の生きる道。

スターブランド代表、コンサルタントの村尾隆介氏の書いた「今より高く売る!小さな会社のブランドづくり」を読んだ。



一貫して小さな会社のブランディングを手掛ける村尾氏。本書は、「日経トップリーダー」の人気セミナーを書籍化したもの。

本書を読んでもわかるのだが、村尾氏の特長はその立ち位置にある。ここが同じコンサルタントでも、また広告会社のプランナーやクリエイターと決定的に違うところだ。

その立ち位置とは、ずばりクライアントのパートナーであること。発注側と請負側という関係ではなく、あくまで横並びの仲間というスタンス。だから自分事として考えれられる。

たとえば広告会社の場合は、どうしてもメディアを売らなければ商売にならないので、いかにメディアを得るかに苦心する。場合によっては、クライアントの論理などお構いなしで、儲かるものを強引にすすめることになる(すべてがそうとは限らないが、自分が知っているはんいにおいては)。

対して村尾氏の考え方は明快だ。まずメディアは必要なし。いかに社員がその気になって自発的にブランドに貢献できるか、そのために全精力を注ぐ。クライアントが喜ばないわけはないだろう。

本書は、日経トップリーダーの人気セミナーの書籍化とあって、村尾氏の原点ともいうべき中小企業に対するコンサルタントの考え方がよくわかる1冊。

小さな会社は決して大企業の真似をしてはいけない。

大企業ができないことを小さな会社がやることで、はじめて大企業との違いを伝えることができるわけだ。あとは徹底的にこだわること。

本書でも実例として登場するが、よくもまぁここまでこだわることができると感心する。その繊細さも村尾氏が愛される理由と納得ができる。

価格を下げずに価値を上げる。決して値下げはせず値上げをして売ることにこだわる。

村尾氏の美学に信奉する信奉する経営者が全国に少しづつ増えてきている。
時代は確実に変わってきているのだ。うれしい限りである。

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顧客満足=顧客が感じた価値-顧客の期待値

永井孝尚氏の書いた、「戦略力」が身につく方法を読んだ。



永井氏を一躍有名にしたのが、著書「100円のコーラを1000円で売る方法」。

全3巻合わせて50万部を超えるという、ビジネス書ではめったにない大ベストセラーになった。

そんな永井氏であるが、実は今年の6月までIBMの社員だったというから、驚きである。

さて本書は、その永井氏が自費出版(70万円をはたいたそう)で世の出した処女作「「戦略プロフェッショナルの心得」と同じく自費出版で2作目に出した「バリュープロポジション戦略 50の作法」の2冊をベースに大幅に書き直したもの。

永井氏が長い間温めてきた原点とも言える、いわゆるマーケティングの基本的な考え方・価値について教えてくれる1冊である。
ただし同様の他の本と明らかに違うことは、彼のIBM時代のマネージャーとしての実践がベースになっている点。事実読んでいても現場でのリアルな空気が伝わってきて説得力があった。

中でも私が興味を覚えて呼んだのが。「顧客絶対主義」と「顧客中心主義」の違いについての記述。

顧客絶対主義は、顧客を絶対と考え、たとえ間違っていても従う考え方。高度成長期にあった「お客様は神様です」という、あれである。顧客のいいなりになっている限り、絶対に顧客の期待を超えるものは提供できない。

対して顧客中心主義とは、顧客を大切なパートナーと考え、顧客の期待値を常に上回ろうとする考え方。顧客自身が気が付いていない課題を解決し、それにより顧客を大きく感動させる。

永井氏いわく、顧客中心主義は、もともとの日本企業が持っていた強みだったと言う。それが欧米型の成果主義を安易に取り入れたせいで、いつの間にか顧客絶対主義に置き替わってしまったようだ。

ゆえに今の日本企業にいちばん必要なのは、顧客中心主義に立ち返り、徹底して現場主義を貫くこと。
そして、顧客の期待値を大きく超える顧客満足を提供することだ。それこそ、今声だかに叫ばれる「イノベーション」そのものなのかもしれない。

顧客絶対主義と顧客中心主義、言葉は違えど、その中心を担うのは昔も今もマーケターの重要な役割。それでは10年前と今とマーケッターの考え方、求められる資質はどう違うのか。

永井氏は、市場におけるスピード感の違いを上げている。昔に比べ商品のサイクルが圧倒的に短くなった市場において、調査や企画に数カ月もかけるのは愚の骨頂。たとえば半日で戦略を立て、後は実行しながら軌道修正をしていくという仮説思考の柔軟さが重要視されると。

そのためには、過去の成功体験にすがっていては、とても成果どころではあるまい。
また、自社内でじっくり討議を重ねてというよりは、自社にないリソースは積極的に社外と連携、ネットワークしてお互いの強みを活かすと言うオープンマインドなパートナーシップが重要になってくるのだ。

本書で永井氏は、セールスのあり方についても触れている。

すなわち「ハンター型」から「ファーマー型」への進化がそれだ。
現代のように需要が飽和し顧客ニーズが高度化する時代には、古き良き時代の個人プレーに頼ったセールススタイルでは、多様化する顧客ニーズに対応できない。多様化する顧客ニーズに対応するにはチームワークしかありえないと。そして先の顧客中心主義に立ち返ると、「対応できない」と断ることもありえると。

案件を「見つけて仕留める」から「育てる」へ、
「個人技」から「チームワーク」へ、
「何でもできます」から「これならできます」へ、

この変化(進化)をセールスマンは体現できなければ、これからの時代のセールスはさらに難しくなるだろう。

戦略は実行されてこそ価値がある。現場に長くいたからこそ重い、永井氏の言葉。
「行動力」につながる「戦略力」を身につけたいあなたには、おすすめの1冊である。

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デジタル時代における卓越企業の基本理念、ユーザーファースト。

デジタルマーケティング会社HUGEのCEO、アーロン・シャビロ氏が書いた「USERS NOT CUSTOMERS~顧客主義の終焉と企業の命運を左右する7つの戦略」を読んだ。



普段何気なく使っている「ユーザー」という言葉。しかしその意味を深く考えたことがなかった。おそらくはほとんどの人がそうであろう。そういう意味では本書はあらためて「ユーザー」の意味を考えさせられる1冊であり、そこに重要な時代のヒントが眠っていたことに今さらながら気付かされた次第である。

マーケティングでいうと、通常はコンシューマー(消費者)とかカスタマー(顧客)と言う言葉を使ってビジネスの対象者を表わすが、シャビロ氏は、ビジネスにとって重要なのはそのどちらでもなく、メディアやテクノロジーを利用して企業とやりとりをするすべての人々を「ユーザー」と定義し、経営戦略にとって重要なコンセプトの中核に据えると言っている。

ユーザーの重要性。それこそ本書のテーマというわけだ。

さて肝心の本書の内容であるが、
定義された「ユーザー」を重要に考える企業=「ユーザーファースト」企業が
今の世の中の「勝ち組」の条件とし、全面的に展開している。

前提となるのは、社会のデジタル化によって起こった消費者の購買行動の変化、コミュニケーションのあり方の変化。

気軽にデジタルツールを活用することができるようになった今、ユーザーの果たしたい目的に応えることが最終的にカスタマー(顧客)を増やすことにつながっていく。

その価値観を持てるか持てないか、それが大きな鍵を握っているというわけだ。

ユーザーファーストの組織の中心になるのが、デジタルコア。ユーザー体験を設計する専門家だ。エンジニアやITに理解のある経営陣を指す。つまり優れたユーザー体験は彼らの存在なしには成立しない。

一時、日本の企業でもしきりに顧客第一主義が謳われたが、今、それに変わるのがユーザー第一主義ということになろう。

ユーザーファーストの意味をあらためて理解することで、理想とすべき企業像、そして新たなビジネスヒントが見つかるに違いない。本書「ユーザー・ノット・カスタマー」はそんなきっかけになる1冊である。

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ビッグアイデアからスモールアイデアの積み重ねへ。360度から365日へ。

電通レーザーフィッシュ著「共感クリエーション」を読んだ。副題は、デジタルエージェンシーが考える、だ。



ソーシャルメディアによってもたらされる大きな変化に対して、マーケッターがどう向き合うべきかについて書かれた本。

各章に、コミュニケーションの価値観の変化を明快に表わす、注目すべきキーワードが並ぶ。

象徴的なものを紹介しよう。

●ビッグアイデアvsスモールアイデアの積み重ね。

ビッグアイデアとは、かつて私が馴染んだ世界。一つの優れたアイデアをメディア横断的に展開する。大がかりなクリエイティブになるため、同一素材を半年、1年も継続して使用することも当たり前だった。いわゆるキーメッセージ一発。アドマンにとってこの快感を味わうとなかなか抜けられない麻薬のようなものと言っておこう。

対してスモールアイデアの積み重ねは、ちょっとしたアイデアを積み重ねファン層を作っていくもの。クリエイティブの要素は、ひとつひとつのコンテンツにあるのではなく、全体のフレームワークそのものにある。

●360度から365日へ

360度とは、マスメディア中心に印刷物、屋外広告など、さまざまなメディアに同じクリエイティブメッセージを展開する。メッセージの到達度の最大化を目指す考え方だ。

対して365日とは、ソーシャルメディアをベースに、毎日リアルタイムに興味関心に応えるコンテンツを提供しえ行くもの。生活者の共感の創造を目指す考え方。

こう並べてみると、つくづくコミュニケーションの考え方が180度違ってきていることに驚かされる。

逆に言えば、そんな時代にあってもこれまでと同じようなマス主体の広告ビジネスが成り立っていること自体が不思議に思えてくるくらいだ。

さて、ここまで書いた内容はほぼ冒頭で登場するもの。この先、共感クリエーションのプランニングから実践方法、実例まで懇切丁寧かつ具体的に教えてくれている。ある意味、ありそうでなかった、ソーシャルメディアを自社の顧客とのコミュニケーションに取り入れたいと考えている人にとっては、待望の1冊といえるのではないだろうか。

ただし、何度も書いてきていることであるが、実際に取り入れてビジネスに活かすためには、方法を学ぶより自身の価値観を入れ替える必要性を学ぶことの方が何倍も価値があるし、何倍も重要になってくる。

そういう意味で、第1章の「ソーシャルメディアがもたらす大きな変化」は、ぜひとも読んで頂きたい。

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今すぐ、自分自身に創造的破壊を起こそう。

フォレスターリサーチ副社長兼主席アナリスト、ジェームス・マキヴェイが書いた「DIGITAL DISRUPTION(デジタルディスラプション)~破壊的イノベーションの次世代戦略」を読んだ。



破壊的イノベーションといえば、思い出されるのがクレイトン・クリステンセンの世界的ベストセラー「イノベーションのジレンマ」。

そこに登場する破壊的イノベーション=DISRUPTIVE INNOVATIONにインスパイアされて本書は書かれているようだ。
(訳者はクリステンセンにならって、デジタル・ディスラプションをデジタルを活用した創造的破壊と訳している)

しかしながら、両者の破壊の意味には大きな違いがある。

クリステンセンの提唱した破壊的イノベーションは、ハードディスク業界などで起きた技術革新が既存企業を破壊する例であり、そこには大前提として膨大な資本と長い時間を必要であった。

それに対して、マキヴェイが提唱するデジタル・ディスラプションは、

①無料または安価なデジタルツール
②デジタル・プラットフォーム
③デジタル消費者

以上3つのイノベーションインフラの活用を前提としている。したがって資金がなくても、短期間で、誰もが起こせる創造的破壊であることだ。

わずか10年ほどの間にこれほど大きな違いを生んだのは、1にも2にもインターネットの進化のおかげだろう。

マキヴェイが誰でも簡単にというほど、実のところはたやすくないとは思う。その理由は、経営者や幹部の成功体験がじゃまをすることだ。大企業となればなるほど、デジタルといえども、創造的破壊となると一筋縄でいかないというのが現実だ。

本書では、自身が提唱するデジタルを活用した創造的破壊を、どのようにすれば実際に起こすことができるか。
そのプロセスとベースとなる考え方を教えてくれている。

まず何より重要になるのは、思考法だ。

大抵の会社の場合、問題となるのは自社内に閉ざされた考え方を捨てきれず、自社だけのリソースでイノベーションを起こそうと考えること。それではどうしてもアイデアの可能性まで閉ざされてしまう。破壊的イノベーションどころではない。

重要なのは、積極的に他社と連携できる柔軟さである。場合によってはライバル企業とでさえ必要とあれば手を組むような柔軟さが。

そのような思考法ができるかどうかがイノベーションにつながる重要な鍵を握っている。

先にも書いたように、今は無料で使えるデジタルツールも思う以上に豊富に揃っている。しかもiOSやアンドロイドなど、活用できるデジタルプラットフォームも驚くほど安い金額で身近に手に入る。

アイデアで勝負できる点で、方向転換が容易にしづらい大企業より小回りのきく個人の方が創造的破壊と相性が良いほどだ。

大きな資本が必要ないことでこの先、年齢、業種に関係なく、さまざまな業界に新たなプレイヤーがどんどん参入してくるだろう。

そんなワクワクする思いが、ページを進めるたびに大きくなっていった。

破壊するか、破壊されるか。この先の時代には、間違いなく破壊する者への追い風が吹いている。本書を読んでそんな思いを強くした。
さぁ、船を漕ぎ出そう!

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逃げないで受け止めれば、人生は感謝と学びばかりの毎日になる。

長く生きていると、時々立ち止まってゆっくり人生を考えてみる時間が必要になる。そのきっかけはささいなことであったりするが、例えばこんな本に出会った時だったりする。

そんな本、アントンプレナーセンター代表取締役、福島正伸氏が書いた「どん底から最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣」を読んだ。



福島氏といえば、自身のライフテーマでもある「世界中の人々が夢と勇気と希望にあふれた社会を創る」という志のもとに開催する夢の発表会「ドリームプランプレゼンテーション」でおなじみだ。

本書のテーマは、そのライフテーマにも共通する「あなたにとっての幸せとはなにか?」。

福島氏はその答えを、大親友であるが性格は正反対の二人の男の、まったく異なる仕事人生の物語を通して、読者と一緒に探していこうと試みている。

主人公のふたり。

ひとりは、柴田正光、愛称シバちゃん。
大学卒業後就職する意味を見いだせず、起業するものの常にお金で苦労し、成功と失敗を繰り返す、まさに波乱万丈の人生。

もうひとりは田中孝雄、愛称ターくん。
大学卒業後、あれもがうらやむ大企業に就職。しかし会社生活になじめず挫折しそうになるが、感謝する意味を知ることでやがて社長まで登りつめた人生。

さてどちらの人生が幸せか?

一般的に考えれば、たいていの人がターくんが“人生の成功者”だというだろう。

しかし本書で福島氏が伝えたいことは、そんなことではい。
そもそも幸せには正解はなく、ましてや成功=幸せではない。
幸せは「その人の心の有り様ひとつ」で決まるものだ。

つまり、どんな人にも同じようにさまざまな困難が押し寄せる。
大切なのはその困難をどのように受け止め乗り越えて成長することができるかにあるのではないかと、読者に投げかけている。

その乗り越える過程で人は幸せを感じるのであると福島氏。
もっと言えば、乗り込える過程でしか人は幸せを感じられないのかもしれない。私自身、そんな風にも思ったりする。

働くとは?人生の成功とは?お金とは?生きるとは?

この物語は、読み進めるほどに次々とその質問を投げかけてくる。
従って、読むこちら側にもそれなりの心構えが必要になってくるのだ。

本書の締めくくりで、福島氏は二人にこんな会話を用意している。

「サラリーマンになろうが起業家になろうが、そこで必ず夢は見つかる。自分が体験したことに意味を見出せば、自分の中に夢の種はある。」

「どんな夢を見つけたって次々といろいろな出来事が降りかかってくる。それを逃げないで受け止めれば、人生は、感謝と学びだけの毎日になる。」

人生を通して幸せを探し求める毎日。思い通りにならないからこそ、人生は素晴らしいのかもしれない。

まだまだ人生は続く。私なりの幸せを探して行きたいと本書を読んで強く思った。

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