アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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情報氾濫時代、最強のマーケティング手法。戦略PR×インバウンドマーケティング×CRM

ベクトルの西江氏とシナジーマーケティングの谷井氏の共著「実践 インバウンドマーケティング」を読んだ。



インバウンドマーケティングといえば、アメリカで2006年に創業したハブスポット社のブライアン・ハリガンとダーメッシュ・シャアが提唱したマーケティング手法。

提唱者の二人によれば、インバウンドマーケティングの定義は次のようになる。

インバウンドマーケティングとは、見込み客に有益なコンテンツをネット上で提供することで、検索結果やソーシャルメディア上で自社を「見つけられ」やすくし、自社のサイトへ来てもらいやすくするというマーケティングコンセプト。

見込み客が自ら行動して「見つける」ところがポイントであるが、テレビCMと違うのは、同じ見つけられると言っても一方的に侵入してくるものではない点、圧倒的にコストがかからない点にある。

インバウンドマーケティングではあくまで見込み客が自発的に行動すること、見込み客の発見から最終アクションまでネット上で完結できること、そんなところだろうか。

本書「実践 インバウンドマーケティング」の話に戻ろう。

著者の西江氏は戦略PRのプロ、谷井氏はCRMのプロ。マーケティング領域ではまったく専門が違う二人ではあるが、ともにインバウンドマーケティングに興味を示し意気投合したことから本書は生まれたということだ。

かくして本書のテーマは「戦略PR×インバウンドマーケティング×CRM」、日本版インバウンドマーケティングと言ってもいい。

戦略PRで作った土壌を作り、キーワード経由でWEBへやってきた見込み客をCRMで育てる。まさにインバウンドマーケティングを中心にお互いの得意な領域が補完し合える。まさに最強のタッグと言っても過言ではないだろう。

マス広告が効かなくなった言われる一方で、こうした新しいマーケティング手法が注目を集めている。

重要なのは、この移り変わりにある背景の事情を理解すること、そしてまずは実践してみることだ。そこから見えてくることも沢山あるはずである。

本書「実践 インバウンドマーケティング」は元祖「インバウンドマーケティング」を日本の事情に合わせて、わかりやすく噛み砕いて書かれた、まさに実践の書だ。
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全社員を人生の勝利者にする。そのために経営がすべきことは?

外回りの営業マンを一切置かないことでも有名なネッツトヨタ南国、現相談役、横田英毅氏が書いた『会社の目的は利益じゃない~誰もやらない「いちばん大切なことを大切にする経営」とは』を読んだ。



いやぁ、こんな考え方ができる経営者が本当にいるのか?それが読み進めていく上で湧きあがってくる率直な感想だった。

とにかくすべてが私がこれまで常識と思っていた経営の逆を行く、まさに目から鱗の発想。

突拍子もない発想=経営成績に結びつかないという危惧も「ずば抜けた業績」という結果で覆してしまう。
結果が伴うだけに説得力が何倍も上がると言ってよいだろう。これぞ日本一非常識なカーディーラーの真骨頂だ。

横田氏の考え方は明確で一切ぶれがない。経営の目的は「全社員を(人生の)勝利者にする」こと。

では、その目的を達成するために何を一番大切にするか?
それは、売上でも利益でもなく、社員の成長と自立、そして人生の幸せを第一に考える。
やるべきことは、本人が持っている可能性を最大限に引き出し、それぞれの価値を発揮させることだいう。

この考え方を実践するにあたり、何時いかなる時も忘れないために、そして社員と考え方をひとつにして絆を作るためにネッツトヨタ南国が最も重要としているのが「経営理念」だ。
本書では、理念の重要性を第1章で真っ先に、しかも相当のページ数を割いて詳細に紹介している。

社員を大切にすることは決して社員を甘やかすことではない。
横田氏は徹底して考える社員を育てることを重要にしてきた。幹部や上司は一切指示を出さず、決定権も含めすべて仕事を与えられた社員にまかせる。マイクロマネジメントと言われるような、やたらに口出しをする上司はこの会社では存在しない。

本書のいたるところに非常識経営を象徴する見出しが並んでいるが、そのうちのいくつかを紹介しよう。

・目標より目的が大事
・人を動かすことができない経営理念はにせもの
・会社の「質」はすべて「人」から
・「今だけ カネだけ 自分だけ」を否定する
・全社員が船長として物事を考える会社
・今日の1台より、将来の100台
・大切なのは、お客様との親密度を深めること

どうだろう、こうして見出しを見るだけでもこの会社の独自性と愛される理由が強烈に伝わってくるのではないだろうか。

非常識経営、それは…

量を求めず質を大切にする経営。
利益は結果であり、目的は社員の成長と幸せにあると考える経営。
社員を信じ、社員の自主性にまかせる経営。
誰ひとり脱落者を作らない経営

常識を疑ってかかる、そこに独自のお客さまから愛される道への扉が用意されている。

売上を上げるために社員が疲弊しているような会社では長続きしないだろう。ましてや、社員に働かされている、やらされている感が強ければ、なおさらだろう。そんな会社ではどんなにニンジンをぶら下げたところで結果は好転するはずがない。

経営の目的は?経営者の発するひと言に、会社の未来が見える。本書を読んでそんな思いを強くした。

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今さらながら思う、「思い」を育むシャドーワークの重要性。

徳岡晃一郎氏氏と舞田竜宣氏の共著『MBB:「思い」のマネジメント実践ハンドブック~社員が「思い」を持てれば組織は強くなる』を読んだ。




前作『MBB:「思い」のマネジメント』の続編で、タイトルからわかるとおり、MBBを実践するための1冊となっている。

さて、本書のテーマでもあるMBBとは何か?

MBBとは、Management By Beliefの略で、個々人の仕事や人生に向き合う強い思いをベースにして経験や職場、成果のマネジメントを行い、組織のあり方を変えていくマネジメント手法。同時に個々人であれば自分の「思い」をベースにした仕事との向き合い方を指している。

ちなみに、ここでの思いとは、こうなりたいという小さな思いだけでなく、仕事を通してもっと良い世の中にしたいという「大きな思い」と思って頂いた方が良い。

対照的なのがMBO、Management of Objectiveの略で目標管理制度で、数値目標の達成をベースとした管理手法。

MBOの問題点は、わかりやすいかわりに数値絶対主義に陥ることだと著者はいう。

成果主義はこの最たるもので、成果至上主義が今の日本経済の停滞を招いたと著者たちは断罪する。

そもそも組織というものは、所属するひとりひとりの「思い」の集積、というのがMBBの出発点。
それだけに、まず個人が自身の「思い」を抱けるか、そしてその「思い」を会社の目標と同質化させられるか、そのあたりが重要になってくる。

その実践のプロセスがわかりやすく解説されているのが本書の特徴だ。

本書の中で私が興味を持って読んだのが第2章、個人としてMBBを実践する4つのフェイズ。
中でも参考になったのが「シャドーワーク」の記述。

シャドーワークというのは、勤務中に行う義務としての仕事ではなく、オフタイムを活用して自発的に挑戦する自分なりのテーマの研究や勉強を指す。会社に縛られない自己の追求が「思い」を育む重要なツールであると著者たちは言っている。グーグルの20%ルールなどはこのシャドーワークの効果を認めた結果といえるのではないだろうか。そういう意味では、会社人間は「思い」を育むのにいちばん不適切な人間なのかもしれない。
広告会社の社員は仕事柄シャドーワークを重視する傾向にあると思うが、それでも今さらながらシャドーワークの重要性を痛感している。

先にも書いたが、会社がひとりひとりの「思い」の集積であるなら、企業文化とはまさにその集積の結果といえる。他の会社を訪れた時、その会社の社員に接した時、感じられる直感みたいなものは、すなわち「思い」が表層化したもの。「活気」が感じられない会社は社員の「思い」が弱い会社、それほど「思い」は重要なのだと、本書を読んであらためて思った次第。

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成功するから幸福になるのではなく、幸福だから成功する。

博報堂のコンサルティングチーム、博報堂ブランドデザインによる「2回以上、起業して成功している人たちのセオリー」を読んだ。

2度、3度と複数回の起業を成し遂げている人を、「連続起業家」と位置づけ、その連続起業家に共通する成功の法則を解き明かそうというのが本書のテーマである。

本書に登場する連続起業家は、ガンホーの孫泰蔵氏、リバティの家入一真氏など有名無名、計21人。

いずれも個性的であるが、それ以上に既成概念に捉われない柔軟な思考の持ち主であることがまずは印象に残った。

さて本書では、その21人に共通する「コトを起こし成功する」8つのセオリーを紹介している。
その8つとは、

1.市場調査を信じない
2.事業計画にこだわらない
3.キャリアを積み重ねない
4.度胸で勝負しない
5.運がいいと信じている
6.「なにを」より「だれを」
7.「弱み」に徹する
8.「競合」より「協業」

以上。

こうして眺めてみると、まずクローズアップされるのが、すべての思い込みから自由になること。「「こうでなければいけない」は「なぜこうでなければいけないの?」という疑問として投げ返される。そこから新しいビジネスの種を見つけているのが特徴的だ。

さらに、とかく起業と言うと自分で思いついたアイデアを自分で実行するという自己完結型が多いように見受けられるが、それでは客観性に欠けると言うことで、自分の弱さを補完してくれるようなパートナーを見つけることが重要であると。

そして、私がいちばんなるほど!と感じたのが、8.の「競合」より「協業」という価値観。
ほとんどの連続起業家が、同業と闘うという意識がなく、むしろライバル会社であっても手を組んで、競争という余計な行為に労力を費やすことなく、本来の事業に注力しているということだ。そこには世の中を変えるというもっと大きなミッションの存在があるからではないだろうか。

当たり前のことを当たり前で済ますのではなく、小さな気づきを見つけること。
ひとりではできないことを仲間と業界の枠を超えて取り組もうとする強い想い。

1度の成功ではたまたまということもあり得るが、2度3度となるとさすがフロックで片づけるわけにはいかない。
それだけにひとりひとりの言葉には説得力がある。

8つのセオリーすべてを取り入れることはなかなか難しいのかもしれないが、そのうちの1つ2つでも試してみることで意外と今直面している壁を突破できるのかもしれないと感じた。

大切なのは頭で理解することではなく行動、すべてはそこに帰結する。連続起業家が連続起業家たる所以である。

ちなみにタイトルに掲げた言葉は、「おわりに」で博報堂ブランドデザインの宮井氏が引用した、アメリカのビジネスコンサルタントとして著名なショーン・エイカー氏が提唱する「ハピネス・アドバンテージ」の考え方。連続起業家を取材する中で、大変な現実の中にありながらも、皆が共通して楽しそうであることからこの言葉を思いついたそう…。

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企業は世の中をよくするためにある。

ベストセラーとなった「MISSION」を書いた岩田松雄氏の最新刊『BRAND~元スターバックスCEOが教える「自分ブランド」を築く48の心得』を読んだ。



企業は、何のために存在するのか?

新卒入社での日産自動車に始まり、ジェミニ、コカ・コーラ、タカラ、アトラス、ザ・ボディショップ、スターバックスとキャリアを積み重ねる中で、岩田氏が辿りついた答えが、タイトルにも掲げた「企業は、世の中を良くするためにある」だ。

それでは利益はというと、事業を継続していくために必要な手段であり、決してそれ自体が目的ではないと明確。

このシンプルな答えに基づいて書かれた岩田氏の本がベストセラーとなった。
それが前述した「MISSION(ミッション)」である。本書はその続編といえるもので、テーマ「ミッション」と表裏の関係にあると岩田氏が言う「BRANND」について。

岩田氏いわく、ミッションを達成しようと努力し、それを発信していくことで人々に伝わり、ブランドとして認知されていく。
ミッションなくしてブランドは永遠に作ることができない、まさに表裏一体の関係ではないか。

この考え方は企業だけでなくそのまま個人にも当てはまるというわけで、「自分ブランド」を築く48の心得として岩田氏がまとめたのが本書なのである。

48の心得の中から一つ二つ抜き出してみるだけで、そこに貫かれている岩田氏の思いがストレートに伝わってくる。

たとえば、心得5;「安売りセール」は裏切り行為である。
ミッションを体現する企業、スターバックスでは値引き販売は一切しない。一度でも値引きをするとそこから負の連鎖が始まると強く戒めている。

たとえば心得15:愛社精神がなければブランドにならない。
社員が愛していない会社や商品が、お客様にとってブランド価値を持つなどという都合のよいことはありえない。

目的と手段の違い、わかっているようでわかっていない経営者も多い。そのような経営者に共通するのがミッションの欠如だ。ミッションとブランドが表裏一体だとすれば、その経営者が経営する企業は、どれだけ時間を重ねても永遠にブランドを構築することは叶わないだろう。

これからは個人も「自分ブランド」を築かなければ生きていけない時代になることは間違いない。
本書では自分ブランドを築く方法も豊富な事例とともにわかりやすく解説されている。
自分ブランドを確立して個として価値を評価されて生きていく人生か?それとも企業に頼って自分を殺して生きていく人生か?ミッションがあるなら答えは決まっている。

果たしてあなたにミッションはあるのか?岩田氏に尋ねられている気がした。

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「4+1の力」を活用できる異端児が、組織の壁を突破する時代。

ITビジネスアナリストの大元隆志氏が書いた『ビッグデータ・アナリティクス時代の日本企業の挑戦 「4+1の力」で価値を生み出す知と実践』を読んだ。




まず率直に言って損してるなぁと思うのは、この長いタイトルと表紙の装丁。
ITもしくはICTを軸に書かれているが、内容はりっぱなマーケティング書。それだけに表紙とのミスマッチが読むべき対象者から見つけられにくくしているように思えてならない。残念である。

さて前置きはそのくらいにして、肝心のテーマであるが、ずばり「4+1の力」が生み出すイノベーティブな新しい価値。

4とは、アメリカの調査会社ガートナーが新たなビジネスチャンスを生み出す力の結節として挙げた「クラウド」「モバイル」「ソーシャルメディア」「インフォメーション(ほぼビッグデータと等しい)。
ここに著者独自の見解としてIoT(モノのインターネット)を加え、「4+1」の力とした。

大元氏は今後、ソーシャルメディア、モバイル、IoTが新たな情報源となり、クラウドに情報が保管され、膨大なデータを分析する、そんな世界になると想像している。

ITを活用したイノベーションというと、とかく先行している欧米の企業の例が取りざたされ日本企業は一歩も二歩も出遅れている感があるが、実は日本の企業でも負けず劣らず先へ行っている企業があるのだ。大元氏はそこに目を付け、本書においては特に日本企業の最新事情にフォーカスして紹介している。

取り上げられているのは、ソフトバンク、トヨタ、日テレ、凸版印刷、無印良品、TSUTAYA、Yahoo!などの大手企業の例。

先行する企業はいかにして「組織の壁」を突破して新しい価値を実現したかが、本書では具体的に紹介されている。大手企業なだけにさまざまな手続きが必要でなかなか推進が難しい状況にあるように思うが、実は突破させるのは規模に関係なく、常識に捉われない数人の「想い」と「情熱」なのだというのが大元氏の主張。

「4+1の力」が融合し価値を高め合うことで、人々の生活により深く浸透し根付いていく、これは企業に限らず個人でも同じことが言える。

機は熟した、伝える広げる武器は十分に揃っている。それだけに、繰り返しになるが、大切なのは「強い想い=ミッション」なのだ。

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