アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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夢とビジョンの原点は「やりたいこと」

経営コンサルタント、野口吉昭氏が書いた「夢とビジョンを語る技術」を読んだ。



本書は2003年に出版された同名の書を大幅に加筆修正したものということだが、核となる部分は変わっておらず、それだけ本質的なテーマであると言える。

先の見えない混沌とした時代だからこそ、夢が必要であると考える。しかし夢のままでは漠然としたものだ。
リーダーが社員を導くためには夢に具体性を、実現性を持たせビジョンに変えて腹落ちさせなければならない。
ゆえにすべてのリーダーの仕事の基本はビジョンを描くことと野口氏はいう。

野口氏が考えるリーダーシップは、ビジョンシップ×マネジメントシップと定義づける。
時代や環境によって、求められる要素は変わるというのが野口氏の主張。
産業自体が発展途上にある時はカリスマ型リーダー、安定期に入れば戦略構想力・実行力に長けたリーダー、
企業として成熟期を迎えた後は、新たなイノベーションを描ける変革型のリーダー、というわけだ。

それでは今はどうか、というと、いうまでもなく、ミッションとビジョン構想力を兼ね備えたビジョンシップありきの変革型リーダーの時代で間違いない。
複雑性の増した時代、人の心を捉えるにはマネジメントだけでは解決できない、ビジョンシップが求められる所以である。

管理・監督より志と希望に満ちた夢・ビジョン。
自分のためにではなく、人のため、世の中のために描ける人。それこそ真のリーダー、経営者像ではないか。
そんなリーダーなら誰もがついていくに違いない。
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何に目をつけるかが成果の分かれ目。想像力の翼を広げよう。

元リッツカールトンの日本支社長、高野登氏の書いた「一流の想像力」を読んだ。
高野氏がリッツカールトンで学んだ経験を書いた著書は過去に何冊か出ているが、本書はその最新刊である。



ホテルマンとして長年ビジネスと関わってきた高野氏が得心したのが、仕事ができる人の共通の条件が豊かな「想像力」にあるということ。

・デートの相手にすっぽかされた男性が、笑顔でレストランから帰っていく。
・4坪で年間1億円分のジーンズが売れた。
・メイドにものを盗まれたと糾弾した女性が、そのホテルの大ファンになった。
・住宅という大きな買い物を、営業担当ではなく受付社員に任された…

詳しくは本書を読んで頂くとして、これらもすべて、応対した人の「一流の想像力」の成せる技だそうだ。

たかが想像力、されど想像力。

想像力と似た言葉に洞察力があるが、高野氏に言わせると、洞察力は「なるほど、そうか」で終わってしまうのに対し、想像力は「よし、こうしてみよう」につながるのだそうだ。想像力はある意味、ポジティブでなければ活かせない能力なのかもしれない。

したがって大切なのは、この“想像力の翼を広げる”という行為にある。

想像力はまた組織においては、部下の成長を左右することにも働くらしい。
想像力に優れた部下の可能性に目を向け将来の成長をどこまでイメージできるか…
上司にこの想像力が欠けていると、部下がいつまで経っても日の目をみない。
特にできる部下を持った時に上司のネガティブな想像力(いわゆる嫉妬)が働いてしまうとさらにやっかいである。
上司の想像力を高める教育なりプログラムなりを導入する企業が今後増えそうだ。

この他にも本書には、想像力がビジネスに活かされる例が続々と登場してくるが、なるほどこう想像力を活かせばよいのか!と読み進めるほどにまさに目から鱗の連続であった。

想像するためには、とことん観察することも必要だ。繰り返し見続けるうちにシミュレーションができ、ビジネスの法則が身についてしまうこともある。

ビジネスにおける想像力の重要性、そしてその磨き方を実践的に教えてくれる本書。
今まであまり意識したことがなかったが、つきつめてみると想像力は意外とビジネスに重要な資質であると、本書を読んであらためて思った。

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プラットフォーム上でいかに「顧客体験」をデザインできるか。ブランディングは新たな次元に。

川上慎市郎氏と山口義宏氏の共著である「プラットフォームブランディング」を読んだ。



著者のふたりによれば、ブランド論は「アート」と「サイエンス」のふたつの面からアプローチすることができるが、これまで数多くの書籍で論じられてきたブランド論は、ほとんどが前者の「アート」面からのものだったという。「アート」であるからどうしてもプロの経験と勘が物をいう世界になりがちで、なかなか体系的に形式知化することが難しく、伝承しにくいという問題を抱えていた。

本書はそんなブランドの「アート」面を極力排除し「サイエンス」面にフォーカスし形式知化に取り組んだもの。その点で言ってもまずは貴重な1冊であるといえる。

ブランドというと、とかく誤解も多く正しく理解されていない。
著者たちは、その誤解を次の3つのポイントでまとめている。

誤解1:ブランドは広告で形成するイメージである。
誤解2:ブランドとは高級品のことである。
誤解3:ブランドとはCI、つまりネーミングとロゴである。

ここまでくると誤解というより間違いと言った方が正しいかもしれない。

特に誤解1においては、大手広告代理店がマス広告セールス中心の業態に長らくあったこととも関係が深そうだ。
ブランドを作るにはマス広告が切っても切れない関係にある、そんな刷り込みが功を奏した結果だろう。
それだけに、ブランドの本質が理解されるには、まだまだ時間がかかりそうである。

さて肝心な本書のメインテーマであるが、
何かと誤解が多いブランドを、イメージではなく「体験のプラットフォーム」として再定義する、というもの。

プラットフォームといえば、Amazonやアップルの成功例が有名であるが、その成否を左右しているのが、単に物をうるのではなく、あらゆる顧客接点においての共通した「顧客体験」の提供にある。プラットフォームはまさに「顧客体験」を提供する場でもあるのだ。

さらにこの先においては、プラットフォーム上へいかに顧客の参加を促し共創を進めることができるかも重要なポイントになってくるだろう。

モノだけの差別化が難しくなった今、ますます「プラットフォーム」の考え方がブランドに影響を与えるようになることは間違いない。

プラットフォームを征する者が闘いを征する。そういう意味ではプラットフォームを活用したブランディングの考え方は、企業ブランディングが新たな次元に入ってきていることを予感させる。
プラットフォームをいかに作るか、プラットフォームをいかに維持し拡大させていくか。その戦略、方法論、参考にできる点も多く、私にとっては価値のある1冊となった。

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あえて今世に問う。会社の究極の目的とは何か?

紺野登氏と目的工学研究所による「利益や売上ばかり考える人は、なぜ失敗してしまうのか」を読んだ。

20世紀はまさしく「手段」の時代だった。それでは21世紀は?というのが本書のテーマである。

本書における紺野氏と目的工学研究所の論旨は、21世紀は間違いなく「目的」の時代になるということ。

なぜなら、手段に捉われすぎて「本質」を忘れてしまった象徴が行き過ぎた成果主義であり、短期の利益を追求するあまり、人を金儲けの材料としてしか見られなくなった企業が続出した。
その末路が2008年のリーマンショックだ。
確かに数多くの成功者を生んだかもしれない。しかしその一方では、年間3万人を超える自殺者、減ることのない躁鬱病患者…すのすべてが「手段」を優先したため、と結論付けるのは言い過ぎだろうか。

幸いなことに、紺野氏によればこの経験を経てこのままではいけないと立ち上った世界の先駆者たちが今続々と「目的」の重要性を唱え始めていることだ。

そもそもビジネスにとっての「目的」の重要性は何も今に限ったことではない。
かつて高度成長期の松下幸之助も本田総一郎も井深大も、世の中のためにという「目的」の人だったのだ。

問題なのは、その後にアメリカからやってきた市場原理主義という考え方だろう。
その牽引の象徴とも言える「競争の戦略」を表わしたマイケル・ポーター教授も今はCSV=共創価値の創造で、経済性と社会性の両立を唱えている。またアメリカではこのところドラッガーの経営理論が再び脚光を浴び始めているらしい。

さて肝腎な本書の内容だが、著者いわく「世界は目的で動く」ことを知る8章で構成されている。

後半は研究のテーマになっている「目的工学」の考え方についてより詳細に書かれており参考になるがやや難しいところもある。
私が特に注目して読んだのは、冒頭の2章。

第1章:利益や売上は「ビジネスの目的」ではありません。
第2章:イノベーションは「よい目的」から生まれてくる。

冒頭に書いたとおり、現代は、「そもそも何のために事業をしているのか?」という目的が問われている時代なのだ。もちろん売上や利益は企業の存続にとっては欠かせないものであるが、それはあくまで結果であり、それ自体を目的とするような会社はすべからく顧客からそっぽを向かれ市場から退場させられる。
今必要なのはイノベーションと声高に叫ぶ経営者もいるが、イノベーションの原点は、常に世の中をもっとよくしたいという熱い思いである。思いがなければそもそもイノベーションなど生まれない。

この2章では「目的」の重要性が、豊富な実例とともにわかりやすく整理されており、この2章だけでも本書を読む価値があると私は思う。

「目的」か「手段」か、ビジネスにおける永遠のテーマであるが、ネットで企業も丸裸にされる時代だけに、目的を忘れた会社・経営者には顧客の鉄槌が食らわされることも覚悟する必要がある。

“どう儲けるか”より“どう世の中のためになるか”
世の中はアベノミクスでうかれ始めているが、そんな時だからこそ、当たり前のことではあるが忘れがちなことと、今一度向き合う必要があるのではないだろうか。

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社会価値イノベーションを担う“デザイン型人材”とは?

ITと新社会デザインフォーラム編「ITプロフェッショナルは社会価値イノベーションを起こせ」を読んだ。



普段はライバルとして競い合うNTTデータと野村総合研究所。
両社が共同で取り組んだことでも注目されている本書、2社がこれからのIT業界のあり方を模索して導き出した結論は次の3つだ。

(1)これからの時代に求められるイノベーションのあり方=本書のタイトルにもなった「社会価値イノベーション」

(2)社会価値イノベーションを創造するために必要なアプローチ=「価値創造アプローチ」。

(3)価値創造アプローチに求められる人材像=「デザイン型人材」。

何だか3段論法のようであるが、順序立てて書かれているのでその分読みやすい構成になっている。

さて、技術イノベーションでの取り組みが頭打ちになり、これからのひとつのモチベーションの源泉として社会価値イノベーションへの転換を目指す。そんなIT業界のイノベーションを中心に本書は展開される。

今までのIT業界のモチベーションの源泉が「ユーザーのニーズに基づいて、社会や企業の課題を解決すること」だったとすれば、今後は「自ら問題点を発見して、社会や企業の課題を解決すること」へビジネスのスタート地点を変えることが重要だと2社は結論づけている。

つまり、“世の中のため”という自発的なモチベーションこそ、IT業界を進化させる大きなキーワードだということだ。

が同時にこのテーマ、実はIT業界に限らずほとんどの業界に共通の課題でもある。それだけ現代は新たなモチベーションとイノベーションが希求とされているということなのだろう。

さらに本書で強調されるのは、この社会価値イノベーションを起こす人材“デザイン型人材”の重要性。

“デザイン型人材”を本書ではこう表現している。

「デザイン型人材とは、課題の発見と解決のために人が知恵を出し合う“場”をデザインする人材」だと。
それ以外にも、メンバーをキャスティングする能力、メンバーを仲介し、様々な意見をわかりやすくする翻訳者としての役割、最終局面では社会価値と技術・ビジネスとの折り合いをつける、などなど、デザイン型人材には多彩なスキルが要求される。

しかしながら、アップルの成功を受けビジネスの現場でもこのタイプの人材が引っ張りだこにもかかわらず、このデザイン型人材、教育方法も確立されておらずまだまだ稀有な存在であることは間違いない。

IT業界の復活をかけて2社が提言する、“世の中のために”を起点とする社会価値イノベーション。
IT業界が輝きを取り戻せるかどうかの鍵は、実は経営者の価値観の転換にかかっていると言っても過言ではない・。

これからの企業では、経営者こそ誰よりもデザイン型人材であるべき、そう思うのは私だけではないはずだ。

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経営者の「優れた直観力」がビジネスを、そして社員を救う。

慎泰俊氏が書いた「正しい判断は最初の3秒で決まる~投資プロフェッショナルが実践する直観力を磨く習慣」を読んだ。



慎氏の本業はタイトルにもあるように、プライベートエクイティファンドにおいて投資先のジャッジを担当する投資のプロ。投資先判断という長年の経験から、経営を左右するのは経営者の理念が大きいとして、理念を形成する「直感力」を研究してきた。
手に取った時はタイトルから投資について書かれた本と感じたが、読んでみると実は中々良くできた経営書であった。

さて「優れた直感」を身につけることによって、ビジネスの何がどう変わるのだろうか?というのが本書のテーマ。

慎氏によれば、実はほとんどの人が何らかの意思決定を迫られた時に、ほぼ3秒以内で何が正しいのかを判断するのだそうだ。さらにそれは大抵の場合、正しい判断であることも多いのだそうだ。

本当にそうかの真偽は別として、それは本能に近いものらしく、自分たちの体験に根付いた「直感」と「信念」の賜物だそうである。
それだけに直感力を鍛えることは、正しい判断においては重要になってくる。

慎氏はこの「直感」と「信念」の違いを次のように定義づける。

直感…経験に基づき、無意識のうちに最善の選択肢を選びとるものであり、人の発想を左右するもの。

信念…軽々に基づき、無意識のうちに最善の選択肢を選びとるものであり、人の行為を左右するもの。

つまりは発想を左右する「直感」を鍛えることで、行為を左右する「信念」が磨かれ、決断の精度がより高まるというわけだ。

決断の精度=経営判断の精度と置き換えれば、あらためて直観力が優れた経営者に共通の能力であることがよくわかる。

慎氏の主張がいちばん凝縮されているのが、“第四章「競争優位の源泉」としての直感”の記述。

本章で慎氏は、企業における理念の存在の重要性を説き、優れた理念こそ、競争優位の最大の源泉であるとの持論を展開している。

強い理念(=経営者の想い、信念と言ってもよいだろう)があれば、迷わないから意思決定のスピードが素早くなる。しかもそれが正しい経験に根付いたものであれば、そこで働く人にも正しい行動を促し、愛社精神を含めた心の拠り所ともなる。結果、おのずと離職率も下がり採用にかかるコストも削減できるという好循環を生む。

競争優位の源泉は経営者の強い想い、まさにその通りではないか。慎氏の主張に全面的に賛同する。

しかしながら直感が正しく働かなければ、逆にその負の影響は即社員に及ぶ。しかも信念が強ければ強いほど社員を追い込むことにもなりかねない。経営者の直感と信念、是と働くか非と働くか、その影響の大きさは計り知れない。

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今企業が最もやるべきこと。売ることではなく<ファン>をつくること。

濱畠太氏の書いた「小さくても愛される会社のつくり方」を読んだ。中小企業のブランディングの必要性について書かれた本である。



濱畠氏は、鈴鹿サーキットの広報を皮切りに柿安本店の広報を経て、現在は大東建託の宣伝・PR担当。つまりは現職の企業の宣伝担当が書いた本ということ、そして私自身もかつて柿安本店のCM制作に関わったこともあり、特別な想いを持って読んだ。

文章量として200ページ弱、非常にわかりやすくまとめられており、ほぼ3時間程度で完読。
そういうと、中身が薄いのでは?と思われるかもしれないが、ブランディング関連の本としては、ツボを押さえたなかなかの内容である。

特にこれからブランディングに取り組もうと考えている企業の経営者や幹部、あるいは今一度ブランディングとは?を整理してみたい方、そんな方々には今おすすめできる最適な1冊という印象を持った。

本書で書かれているテーマは、ずばり中小企業の企業ブランド構築。
企業に安定的な利益をもたらし、企業を発展させる源、それこそ企業ブランドの力と濱畠氏。

濱畠氏の考えるブランドの根本は、大きさや売上額ではなく<姿勢>と<ハート>
あくまで本書のタイトルにもなっている、心を重視した“愛される会社”を創ることなのである。

思えばかつて作れば売れる高度成長期という時代があった。
しかし今は、どの市場もシュリンクが当たり前の時代。一時的に売上が急増したとしても長続きしない。それどころか売ることばかり考えていると一気に顧客は離れて行ってしまう。私自身も広告会社にあって、そんな末路の会社をいくつか見てきた。

今の時代に大切なのは、濱畠氏もいうように、長期に渡る<ファンづくり>。

売る前に、事業を通して社会をどうより良く変えていくか、どのように社会に貢献していくか、そういった企業の姿勢に共感することで、商品が売れ、企業の成長が支えられるのである。営業力はない方が、かえって長続きするかもしれないのだ。

この本には、あっと驚くようなテクニックは書かれていない。今すぐ結果につながる妙案が載っているわけでもない。

時間がかかってもやるべきことをコツコツと愚直に貫き通す、その軌跡がすなわちブランディング。その意味、価値を1冊を通して教えてくれる。

その大切さに気付かされるだけでも読む価値があるというものだ。
同じ企業内で自社のブランディングに関わる立場としても、元気を頂いた気がする。

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