アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

電力使用量を半分にして、幸せ度を倍にする。

非電化生活を実践する発明家、藤村靖之氏の書いた「非電化思考のすすめ~マインドセットを打ち破る幸福な生き方」を読んだ。



藤村氏は那須に移り住み非電化工房を作り、そこで電気に頼らない生活を自ら実践し、その魅力を世間に発信している。

しかし電気をまったく使わないという反社会的な生活をしているわけではなく、タイトルにも掲げたようにあくまで電気の使用を必要最小限に抑えて、その分いかに楽しめるかに知恵を絞っている。

藤村氏がこの非電化思考を加速させたのは、那須の地で3.11の福島の原発事故を体験したことだ。

原発事故の想像を超えた悲惨さを体験して、電気がなければ成長できないという考えから180度変わって電気がなくても幸せな生活ができると確信した結果、今日の非電化活動に至っている。

藤村氏は、今の若い人たちは二極化していると言う。「競争社会思考」と「共生社会思考」だ。
言葉を変えれば「都会型」か「田舎型」かだそうで、年齢が下がれば下がるほど共生の意識が強くなっていることは間違いない。

つまりこれから世の中に出ていこうとしている若者たちはほとんどが「共生社会思考」と言えそうだ。

20代にクルマが売れなくなってメーカーの経営が厳しくなっているという話をよく聞くが、
このあたり「共生社会思考」という価値観をメーカーがもう少し研究すべきかも知れない。

もちろん可処分所得が少なくなったこともクルマがうれなくなった原因のひとつだと思うが、快適さや便利さに対する価値観が大きく変わっていることの影響が大きいのである。

本書「非電化思考のすすめ」、一見現実社会からの逃避のように見えなくもないが、実際にはこれからの新しい価値観にいかにマインドをリセットできるか、これからの世の中にその必要な理由を実にわかりやすく教えてくれる。

先にも書いたが、電気のない生活を指向しても今すぐは現実的でない。
大切なことは、必要以上に電気を使うことなく快適に暮らせる方法をそれぞれが知恵を絞ることだ。

原発を再稼働させなくても皆が幸せになれるのであればそれ以上の選択肢はない。
この本を読んであらためてそう思った。

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アドマンが陥りやすいソーシャルメディアの罠。重要なのは21世紀型の「ホスピタリティ」

Facwbookマーケティング・プロフェッショナルガイドを読んだ。その名の通り、主にFacebookをマーケティングに活用しようと考える企業の担当者に向けてのハウツー本である。



従来型のマス広告や販促手段が効かなくなったと言われて久しい。

効かなくなったのには当然理由があるわけで、中でも大きいのは生活者のライフスタイルの変化だろう。特に20代世代においてのメディア接触時間の減少は顕著でテレビを見ない、新聞を読まないという割合がどんどん増えている。その傾向を無視して広告を投入しても却って企業にとっては反感を買うことになるばかり、悪循環となるわけだ。旧来の広告業界を疲弊させているいちばんの原因はここにある。

そんな中で、一歩進んだ顧客とのコミュニケーションを大切にしている企業は何を考えているかというと、電通の京井氏も低唱する「ロングエンゲージメント」だ。
顧客との関係を単発的な売上獲得ではなく、長い付き合いの中での信頼の獲得をベースに考えていこうというもので、生涯顧客価値=LTVの獲得といってもよい。

この顧客からの信頼の獲得をベースとしたマーケティングを可能にしたツールが、本書で紹介されているフェイスブックを始めとするソーシャルメディアである。

したがって重要なことは、ソーシャルメディアが作る場は売るためやプロモーションのための場でなく、あくまで顧客との交流の場であると認識することだ。

企業がこの意味を捉え損ねて従来メディアと同じように対応すると、本来プラスのはずの努力がマイナスの効果として現れてしまうから恐ろしい。

ソーシャルメディアによって、顧客との間で築かれるコミュニケーションも20世紀型の一方通行のサービスから、取り組み方によっては顧客一人一人にオーダーメードの価値を提供する21世紀型の「ホスピタリティ」にまで進化させることができる。

まさに20世紀型のコミュニケーションと正反対にある21世紀の今、企業がどのようにふるまうべきか、そのあたりの要点が実にわかりやすくまとめられているのが本書。あくまで重要なのは考え方であり、技術書ではないところに本書の価値がある。

長年広告に携わってきた人間こそ陥りやすいソーシャルメディアの罠。まずは価値観の軌道修正からはじめなければますます大変なことになるだろう。

成長する企業の秘密は「非言語」にあった!?

博報堂ブランドデザインによって書かれた“ビジネスは「非言語」で動く”を読んだ。



ブランディングを中心にさまざまなコミュニケーション領域のコンサルテーションを得意とする博報堂のコンサルティング専門チーム、それが博報堂ブランドデザインである。

モットーは左脳的思考と右脳的思考の融合ということで、本書ではその本領が十分に発揮されている。

本書でいう「非言語」とは、論理で説明できないもの=非言語領域をさす。
であるので、当然、言語領域とは論理で説明できるものということになる。

本書によれば、実は人間が言語化できる情報はたったの5%。
その他の95%の情報は言語化できない情報なのだそうだ。
つまり、私たちが言葉でやり取りしている情報だけではたったの5%しかコミュニケーションできていないということになる。

確かに、考えてみればコミュニケーションの達人と言われるような人は、この95%の非言語コミュニケーションに長けていると感じる。

この非言語コミュニケーションが研究され活かされているのが、長年携わってきた広告の世界。

特にテレビCMは、言葉だけで届かない部分を映像、BGMなどをフル活用して「伝わる」の最大化を追求するもの。
言語と非言語が一体となって、商品やサービスの思いを視聴者が「感じる」力に変えて伝えているのだ。

個人的な体験であるが、人と話している時、伝えようと言葉を重ねるほど伝わらないまどろこしさを感じることがある。
こんな時こそほんとうは非言語コミュニケーションの出番なのだろう。仕草や表情の方が、言葉よりよほど雄弁な場合があることは間違いない。

もしコミュニケーションが苦手という人がいたら、非言語コミュニケーションを研究するのも有意義なことだ。

ビジネスというと論理が優先されてきた時代が長くあったが、その分感情という部分が置き去りにされてきた感がある。
この先ビジネスの成長を目指すなら、非言語コミュニケーションの理解がより重要になるのではないか、本書を読んでそんな思いを強くした。

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会社の変革は「バカ者」「よそ者」の活かし方にかかっている。

大学教授である真壁昭夫氏が書いた「若者、バカ者、よそ者~イノベーションは彼らから始まる」を読んだ。



どこの会社にもいるはみ出し者(本書ではバカ者と呼ばれている)。良くいえば異端児、しかし協調性がなくほとんどの職場ではうっとうしい存在であったはずだ。

これまで日本の企業はどちらかというと彼らを閑職に置き、ある意味枠からはみ出さない優等生を重用して安定成長を築いてきた。

ところがである。

気づいたら同じような人材で固めていたため、成長軌道に乗っている時は良かったのだが、いざ困難に直面すると意外ともろいことがわかったのである。
今の日本の電機産業の凋落ぶりは、その象徴であるように思えて仕方ない。

著者の真壁氏は、そんな苦境を今こそ救うのが、この「バカ者」や他業界から中途入社してきた、いわゆる「よそ者」そして「若者」だと主張する。

なぜかというと、今の企業が抱えている危機を乗り越えるには、小手先の改善では難しく、すべてをゼロベースで考えるイノベーションが必要だからだ。

真壁氏の主張をもう少し詳しく紹介しよう。

バカ者。既成概念に捉われないことが「バカ者」の最大の魅力だ。彼らはこれまでの常識、慣習、観念などをかなぐり捨てて、挑戦を続けることができる。

よそ者。真壁氏はクリティカルシンキングができる人と位置づける。クリティカルシンキングとは、批判的思考。外部の異業種からやってきた人材は、社内の先例や慣例に流されず、良い悪いの批判精神で物事を捉えることができる柔軟性を備えている。

マクドナルドしかり、ニトリしかり、アップルしかり、苦境を乗り越えて成長を続けている企業は、こういったバカ者、よそ者の力を上手に活用しているという事実がある。

いずれにしても重要なのは、過去の成功体験を捨てることができるかだ。成功体験を捨てて新たな成長を目指した時、異端の才能、常識やぶりの発想が必ず必要になってくる。

幸い広告業界にはクリエイティブな能力がありながら活かせず悶々としている中高年がたくさんいる。
狭い広告の世界に閉じ込めず今こそ彼らの才能を異業種で活かすべき時ではないだろうか。

あなたのすぐ近くでもそんな能力が眠っているかもしれない。

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ウェブはコンテンツ中心から人中心へ。もはやこの流れは止められない。

プロダクトデザインとユーザーエクスペリエンスデザインの専門家、そしてグーグルを経て今はフェイスブックのブランドデザイン部門でグローバル責任者を務めるポール・アダムス氏が書いた「ウェブはグループで進化する」を読んだ。



本書のテーマは、人の社会行動に関する法則を理解するための入門書。

人は社会的な存在であり、人のウェブ上での社会行動を理解することは今後あらゆる企業で必要不可欠になるとアダムス氏は言っている。

アダムス氏はソーシャルメディアを長年研究してきており、ソーシャルメディアを単なる流行として考えるのではなく、むしろ“オフライン世界での人々の行動にオンライン世界が近づいてきている”と捉え、ウェブにも新たな進化が起こっていると主張する。

それではそのウェブの進化とは何だろうか。

ずばり、「ウェブはコンテンツ中心から人中心の構造に変化している」とアダムス氏。
かつては文書と文書を結びつけていたウェブの役割が、人と人を結びつける役割に変わってきているのだ。

マーケティング・広告に携わる者として気になるのは、それではウェブの役割が変わるとマーケティングコミュニケーションはどうなるのか?ということだと思うが、そのあたりは本書の第9章「ソーシャルウェブにおけるマーケティングと広告」に詳しい。

アダムス氏は旧来型のマーケティングコミュニケーションを「妨害型マーケティング」と称し、
「どこまで最悪になれるかの競争に等しい」と、超が付くほど手厳しく論じている。

アダムス氏いわく、そもそも妨害型マーケティングには二つの問題があり、ひとつは一般の人々にとって「嫌な経験」でしかないこと。もうひとつは人が持つことができる関心には限界があるということ。つまり現在のような情報過多時代にはほとんどのメッセージは埋もれてしまう運命にあるということだ。

このような人の心理を無視して長年広告を唯一無二の手段として垂れ流してきた結果、一般の人々を広告を信用しない状況に追い込んでしまった。

一方その対極として生まれてきたのが許可型マーケティングである。フェイスブックの「いいね!」ボタンはその象徴的な例で、人々と企業とのやり取りの結果として、信頼が生まれ、口コミが創造され、継続的で良好なコミュニケーションが実現されるというわけだ。

しかもウェブが人中心に展開されることはそれだけでは留まらず、ビジネスそのものを人中心に変えていくパワーを秘めているからさらに注意が必要だ。

こうして考えてみると、アダムス氏の言う妨害型マーケティングの将来は風前の灯に思えて仕方ない。
余命いくばくもないマーケティング手法にしがみついて生き残るに賭けることも確かに価値のあることかもしれない。しかしそれであっても、少なくとも人中心にコミュニケーションのあり方を再度見なおしてみるみ必要はあるだろう。人を中心ということはもはや企業の都合や身勝手な論理は通用しないということでもあるのだから。

いささか余談にはなるが、マーケターやアドマンとして求められる資質も変わってきている気がしてならない。数字に対する強さであったりデザインやコピーに対する優れた技術よりは、人の心理を理解できる人間力やコミュニケーション能力のようなものがより重要になるのではないだろうか。

ソーシャルメディアの最前線に身を置くアダムス氏の提言は、間違いなくこの先5年10年の流れを捉えてのものだ。目先も大事だがその間に時代は大きく凄いスピードで動いている。そういう意味では、時代の大きな流れを知ることができる格好の1冊といえるだろう。

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ベロシティ思考。冒険するように、仕事を楽しめ!

世界最高峰と称されるクリエイティブエージェンシーAKQAの創始者アジャズ・アーメッドとNIKEデジタルスポーツ担当副社長ステファン・オーランダーの対話による新刊「ベロシティ思考~最高の成果を上げるためのクリエイティブ術」を読んだ。



立場は違えど、デジタルクリエイティブという分野で時代の最先端を走ってきたふたりはいう。
今、確実にわかっていることは「変化は止められない」ということだけだと。

変化が前提となる新しい時代環境をふたりは「ベロシティ」と称し、ベロシティを味方につけるための7つの原則を挙げている。

1.銃の前では、最強の手札も無駄になる。
2.行うは易く、言うは難し
3.最高の広告は広告ではない。
4.手軽さは、正しさの的である。
5.そこに「人」がいることを忘れずに。
6.最高のジョークも、会議にかけるとダメになる。
7.自分自身よりも大きな目標を持て。

以上の7つだ。

詳しい意味はぜひ本書を読んで確かめて欲しいわけだが、そのさわりを紹介しておく。

たとえば1.銃の前では、最強の手札も無駄になる。

かつて最強のカード師と言われる男がいた。そこに突然、拳銃を持った男がやってきたら…最高の手札もすべて無意味なものになってしまう。つまり拳銃というひとつのテクノロジーがすべての前提を変えてしまうわけだ。ベロシティとはまさにそんな状態。だから、安住は死を意味し、あぐらをかいたら終わりと。

本書には喩えとして、時代を変えた男たちの名言がいくつも登場する。

中でも極めつけがAmazonの創始者ジェフ・ベゾスが放った次の言葉。

「広告は、平凡な製品やサービスをつくってしまったことに対して、あなたが支払う代償である」

長年、広告に携わってきた身としては耳が痛い。広告でどうこういう前に製品自体が強い独自性を持っていることが重要だ。逆にいえば、製品自体が陳腐であれば、どんなに広告で化粧をしても、すぐに素がばれてしまうというわけだ。

本書でAKQAのディレクター、イナモト氏は言っている。20世紀の広告会社は「アート&コピー」で長らく成り立っていた。しかし、これからはずばり「アート&コード」だと言っている。コピーがコードに変わっただけで何が違うのか。そう思うなら、すでに時代から遅れをとりつつある証拠と肝に銘じよう。

ベロシティ思考の時代、本書の帯にある「冒険するように、仕事を楽しめ!」ているか。
この先、クリエイティブな仕事を続けるためには、まずはそこから自身を見つめ直す必要がありそうだ。

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利益を上げるために仕事をするのではなく、利益が上がるくらいに良い仕事をする。

経営コンサルタント、小宮一慶氏が書いた新刊「こんな時代に会社を伸ばすたった一つの法則」を読んだ。



経営とはつくづく考え方ひとつだと思う。

最終的には利益が上がらなければ会社は存続しない。しごく当然の道理だ。

だから当然会社は利益を求めるわけであるが、となれば大切なのは、どのように利益を上げるかなのだ。
人にとって“どう生きるか”と同じくらい、企業にとっての生命線とも言える。

小宮氏の本作もこれまでの著作同様、経営をどう考えるべきかが明確で実に歯切れが良い。

小宮氏のコンサルティングの基本は、良い仕事をすれば、“結果として”利益に反映されるという考え方。

先にも書いたが、最終的には利益が上がったとしても、良い仕事をした結果としてなのか、利益のみを追求して上げたものなのかでは天と地ほど違う。何を言ってる、同じお金じゃないかと考えるなら、その会社はきっと長くは続かないだろう。

小宮氏は経営という仕事の定義として次の3つを上げている。
(1)企業の方向付け (2)資源の最適配分 (3)人を動かす

中でも企業の方向付けを経営の最大の仕事としている。
どんなに社員が頑張っても、向かっていく方向が間違っていれば、それは徒労に終わってしまう。
それだけに経営者の責任は重く、正しい舵取りが社員を幸せに導くのである。

時に忘れがちになる仕事の基本、生き方の基本。
小宮氏のひと言ひと言が正しい道に軌道修正してくれる。
私にとっては迷った時にこそ手に取りたくなる小宮氏の本、本書もそんな1冊だ。

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変化は起きるものではなく起こすもの。意思があれば誰もがリーダーになれる時代。

セス・ゴーディン氏が書き勝間和代氏が訳を手掛けた「トライブ~新しい“組織”の未来形」を読んだ。



前提となっているのは、今という時代が過去の常識が通用しない大転換期にあるということ。
そしてそのキーワードとなるのが、「安定」から「変化」だ。

安定の時代の象徴としてのマネジメント、そしてマネージャーの存在。
一方、変化の時代の象徴となるのがリーダーシップ、リーダーの存在。

マネジメントの極意は、設備や人材をうまく使って、職場を効率よく稼働させることだった。
ゆえにマネージャーは利益を出すためにできる限り安いコストでの管理を追求する。
確かに低価格で商品やサービスは供給されるが、一方で、規格化されおもしろみのない製品ばかりが誕生する弊害を伴った。

それに対してセスは、リーダーシップの極意は、「自分の信じる変化をつくり出すこと」だという。
マネージャーには従業員がいるが、リーダーにはフォロワーがいるのだとも。
フォロワー、これからの働き方をイメージできる、とてもいい言葉の選択ではないか。

タイトルにもなっている「トライブ」とは直訳すれば部族。
すなわち共通の興味のもとに互いにつながり、アイデアともつながり、リーダーによって率いられた集団という感じだろうか。

リーダーの後ろにつづくフォロワー、そしてその集団がトライブ。
グループとも違う、チームとも違う。
もっと自由で柔軟であるが、変化を強くもとめるためにお互いの力を信じ高め合う、強い意志のもとに活動を共にする集団だ。

ドラッカーに代表される長いマネジメントの時代を経て、リーダーシップの時代に変わりつつあることは、大企業が思うように会社、社員、そして顧客をコントロールできなくなっていることからも明白に思える。

つまり新しい世界はもはや昨日までの「確実性」や「安定」を求めていないのである。

なぜアップルの製品にワクワク感を覚えるのか。対してなぜソニーやNECの製品に心躍るものがないのか。大企業すべてに共通する宿命かも知れないが、特に日本企業のクリエイティビティを欠いた今日の姿は、マネジメントの限界に思えてならない。

マーケティング書を読んでワクワクする気持ちになることはそうそうないが、本書「トライブ」は読み進めるにつれて興奮が止められなかった、私にとっては稀な1冊だった。本書を読んでピンとこなければ、相当大企業病の症状が進んでいる、そう考えた方が良いかも知れない。そういう意味では、自分の価値観が時代にあったものかを確かめる「踏み絵的」1冊とも言える。

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お客様をファンに変える「ソーシャルメディア×事前期待のマネジメント」

柴崎辰彦氏が書いた「勝負はお客様が買う前に決める!」を読んだ。



今、顧客のロイヤリティが全般に低下している気がしてならない。
昔なら、クルマはトヨタ車だけを乗り継ぐ、電気製品ならソニーしか買わない。そんな熱狂的なブランドファンが多くいたものだ。しいていえば、今そんな状況にあるのは、アップルくらいではないか。

さて、「モノやサービスの成功のカギはお客様の満足度にあり、そのお客様の満足度はお客様の事前の期待値にどこまで答えることができたかで決まる」というのが本書のテーマ。

柴崎氏はお客様のモノやサービスに対する事前の期待をマネジメントできるとしている。

事前期待が実際に買ったり使ったりした時の評価より小さければ、リピートされる。
逆に、事前期待が大きかったのに買ったり使ったりした時の評価が小さければお客様を失うことになる。

つまりマネジメントするとは、この事前期待の大きさ小ささを適切な手法を使って妥当な事前期待のサイズにすることなのだ。

事前期待を適切に把握し、事前期待に応え、必要に応じてマネジメントすることで、多くのお客様を自社のファン、さらには応援団にさえすることができると柴崎氏はいう。

幸い今はソーシャルメディアという有効なツールがあり、双方向のコミュニケーションを買う前のお客様と図ることができる。ソーシャルメディアの使い方次第ではライバルと大きく差別化することさえ可能になるのだ。

考え方の軸足を「売ること」から「売る前の事前期待の適正化を図ること」へシフトする。
それにより価格を下げるのではなく価値を上げることにつながっていく。
私が常々お話する「売らないことが結果として売上につながる」を、まさに地で行く主張である。

不毛な価格競争は避けなければならない。そのためには「事前期待のマネジメント」が必要となってくるのかもしれない。そして今がまさにその時なのではないだろうか。

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