アドマン(元)のブログ「広告会社~バーチャルとリアルの狭間で」

名古屋の広告会社に働いていた元アドマンのブログ。広告とインターネットに携わる男が、時代の転換期で日々感じること、気づくこと、体験したこと、また、読んだ本や見た映画の感想などを思いのままに書き綴ります。

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明日の自分には無限の可能性がある。

前アップル日本法人代表、そしてアップル本社の副社長を務めた前刀禎明氏が書いた「僕は、だれの真似もしない」を読んだ。



前刀とかいて「さきとう」と読む。珍しい名字、どこの出身かと思い調べてみると、なんと愛知県犬山市の出身だそうだ。犬山にはこの名字がたくさんあるのだろうか。タイトルどおり、「まさに、だれの真似もしていない」名字にまずは興味を覚えた。

さて肝心の内容であるが、今の世の中の人の生き方、企業のあり方に対して、これがなかなかの辛口。タイトル通り、独自性こそすべてと言わんばかりである。

前刀氏はその独自性を磨く方法として、「セルフ・イノベーション」を推奨している。

セルフ・イノベーションとは、日本語でいえば自己革新。

今の日本の最大の問題点は、企業も人も自己革新ができなくなっていることだとばっさり。

なぜそう考えるのかと推測すると、2年半ほどの短い期間であったが、やはりアップルのジョブズの近くにあって彼の強烈な思考に間近に触れた影響が大きいように思う。

ジョブズの価値観の象徴ともいえるのが、何と言ってもジョブズが復帰して最初のキャンペーン「Think different」だろう。前刀氏はその日本語訳にも「自分らしくあれ」を充てている。

前刀氏は言う。
「自分らしくあれ」を実践するためには、たえずセルフイノベーションを繰り返し進化させていかなければならない、と。

本書の中で前刀氏はセルフイノベーションを加速する方法として12のアクションを挙げている。

それは意外にも、アナログ的な、データを重視しない、当たり前を否定する、などなど、五感を全開にして感じることを大切にする、安易に流されず、自身の信じる道を突き進む、その先に誰とも違う確固たる自分ができあがるのだ。

本書での前刀氏は、レギュラーコメンテーターを務めるめざましテレビの甘いフェイスが醸し出す柔和な雰囲気とは裏腹にカミソリのような切れ味するどい印象である。

現在前刀氏は新たな会社を興して子供たちの教育に尽力している。

明日の自分には無限の可能性がある。
講演会等で最後を締める時に投げかける言葉だそうだ。そして、この言葉で自身をたえずセルフイノベーションしているのだろう。
ソニーから、ライブドアでの失敗を経て、アップルの経営に参加。十分な成功を手にしたはずであるが、今また新たなチャレンジを始めている前刀氏。彼のバイタリティの一端に触れるには格好の1冊である。
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「三方よし」ではまだ足りない。これからの経営は「四方よし」

ストーリーデザイナーであり4つの会社の経営者でもある上村秀樹氏が書いた「ストーリー経営」を読んだ。



江戸時代、全盛を極めた近江商人。その教えとして語り継がれる「三方よし」という言葉がある。

ご承知のとおり、この「三方よし」とは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」だ。

近江商人は、自分だけでなく相手だけでもなく世間まで得にならなければ、商人としては本物ではないと自らを戒めていた。その覚悟の強さが多くの人に愛された何よりの証なのだろう。

そしてこの三方よしの精神は現代まで脈々と受け継がれ、今再びCSRに欠くことのできない考え方として脚光を浴びている。

この三方よしに、もうひとつ「地球よし」を加え「四方よし」を提唱しているのが本書の著者、上村氏。

地球が存在しなければそもそも商売など存在しない。
100年200年後も自社が存続しているためには、地球が存続していて人間社会が成立していることが絶対条件になるだけに、まず地球にやさしい経営を目指さなければ始まらないというのが上村氏の基本的な考え方だ。

この「四方よし」の考え方を企業が経営に取り入れることにより、新たな成長ビジネスが実現できる。なぜなら「地球環境」への優しさがどの会社にとっても必須条件になっていくからである。

さらにここからが上村氏が伝えたい本書の核心の部分。

上村氏は、企業がこの「四方よし」の考え方を取り入れた後の「転換」の軌跡こそが企業を輝かせる魅力的なストーリーの源泉となるとし、このストーリーを顧客と共有することで企業に対する共感が創造されるという。

自分事として計算抜きで真剣に取り組めば取り組むほど、企業のファンが増えていく、そんな時代なのである。

ストーリーのある企業は、他者との違いが明確になりオンリーワンな企業として選ばれる。

いささかおおげさではあるが、それゆえに「四方よし」を新たな経営のキーワードとして考えてみる価値は十分にあるというものだ。。
環境負荷の低減はもう避けて通れない、地球に存在するすべての企業の共通テーマであることは間違いない。

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成長の先にあるのは、懐かしい未来。

スローライフの研究家であり大学教授でもある辻信一氏が書いた「いよいよローカルの時代~ヘレナさんの幸せの経済学」を読んだ。



ヘレナさんとは、環境活動家のヘレナ・ノーバーグ=ホッジ。
インド最北部にあるラダックという都市の、近代化にさらされながらも伝統文化の価値を保持して、グローバル化とは対極を行く豊かさを維持してきた、その過程を研究したことでも有名な人だ。

そんなヘレナ氏が書いた本のタイトルが「ラダック 懐かしい未来」。
スローライフを志す人にとってはバイブル的存在の1冊であると辻氏はいう。

本書はそのヘレナ氏が来日した折の辻氏との対談がベースになっている。

本書の中でヘレナ氏が象徴的に使い度々登場する言葉が「ビッグピクチャー(全体像)」。

部分ではなく、全体像を見なければ物事の良し悪しの本質がわからない、というような意味で使われている。

たとえば、“食料を安く提供するため”という理由で、食料の生産者から消費者までの距離がどんどん長くなっていったのが20世紀後半からの食料事情。
しかし距離に比例して、生産者がより巨大化し単一栽培がますます増えていく。その結果、多くの生産者が消えていき、闘いに勝ちますます巨大化した生産者のみが生き残る。
この巨大化はエコロジーとはまったく逆の原理で多様性を本質とする自然の生態系を破壊してしまうとヘレナ氏は警鐘を鳴らしている。

輸送距離が長くなれば、それだけ環境負荷も大きくなる。地球の未来を考えれば、その選択は間違いなくNo!であるが、ほんの少し前までは、それが是とされてきたからやっかいなのである。グローバル経済、成長ありきの考え方に誰もが知らず知らずのうちに洗脳されていた感すらあるのだ。

今私たちがとるべき選択はひとつ。原発問題しかり、それはビッグピクチャーを眺めること。

未来に向けて求められているのは脱成長の経済システムであり、ダウンサイジング前提の縮減社会なのである。

どこか懐かしいけれども過去ではない。次なるローカルの時代は間違いなくすぐそこまでやってきている。

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人の心を動かすのは、心からの想い。

現HAYASHIDA-CS総研社長、柿原まゆみ氏が書いた「顧客から選ばれる会社~CS力強化で感動サービスを生みだす」を読んだ。



ザ・リッツ・カールトン大阪の営業統轄支配人だった故林田正光氏が立ち上げたHAYASHIDA-CS総研に参加、副社長を務め、林田氏亡き後はその意志を継いで社長を務めている柿原氏。

林田氏がリッツ・カールトンで体現した顧客満足経営=CS経営がベースとなっており、その手法を受け継ぎ、本書では、顧客視点の経営とは?をわかりやすく教えてくれている。

タイトルにもあるように、売上とは顧客に選ばれた結果であり、企業の成長とは選んでくれた顧客と長い関係を築いていくことで生まれる。

ごくごく当たり前のことだと思うが、選ばれる前に強引に売り込む、押し込むという目先の手法が未だメインに行われている会社もあったりする。
もちろんそれで短期では売上が上がるかもしれない。しかし、顧客は欲しい時に欲しいものを買いたいと考えるのが普通で、だからこそ押し込みによる販売は長続きしないし、それ以上に、顧客はその行為そのものに嫌気がさし無言で離れて行ってしまうから注意が必要だ。

本書でいう「顧客満足経営」はまさにその逆を行くもの。

そもそも売り込み型の営業は会社方針で行われていることが多く、営業マン個人の判断でなくあくまで会社からの要求がベースにある。これが度を超えると、売上数字ありきの「お客様不在」の会社になってしまう。従って「顧客満足経営」が実現できるかどうかは、経営者の想いとイコールであるともいえる。

効率至上主義により必要なサービスや人員まで削ってしまい顧客の反感を買い売上を落としてしまった企業の例は枚挙にいとまがない。いささか逆説的にはなるが、売上を上げたいならまず顧客に選ばれる会社になることが近道なのだ。

本書では真の「顧客満足経営」を実践している会社の例が沢山紹介されている。

本書を読んで、こうした例を知り、あらためて思うことは、経営には数字の分析や目標の設定・検証も大切だが、それよりも携わる人の「人柄」の方がよほど大切だということだ。特に経営者、幹部の考え方は社員全体の考え方に通じるものであるので、人としての器の大きさが問われるのではないだろうかと思う。

今売上、利益が上がっていない会社はまず、なぜ顧客から選ばれないのかを素直に考え直してみることができる謙虚さを持ち合わせているべきだ。

善き人柄が、社内社外問わず共感する人を創り、その共感が少しづつ拡がっていき、やがて売上や利益という形で帰ってくる。つまり、善き会社とは、人の想いの循環で成り立っているように思う。

厳しい時代であるだけに、どうしても売上至上になるのはしかたがない部分があるのかもしれない。しかし、今の成熟した消費者にはそれを見抜いてしまう力が十分にある。だからこそ、心の底からの想いが問われる時代なのである。

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“幸之助革命”の再来は、現実のものになるか?

フランシス・マキナニー氏の書いた、パナソニックの選択…「環境で稼ぐ」業態転換の未来、を読んだ。



それにしても、この本の凄いこと。

この凄いには2つの意味があり、ひとつは、パナソニックのことをこれでもかと持ちあげる、その凄さ。

それもそのはず、マキナニー氏は10年にも渡り、パナソニック幹部のアドバイザーを務める経営コンサルタント。
内情をよく知っているゆえの自信から来る持ちあげ方なのかもしれないが、ちょっと行き過ぎの感があり、ちょうちん的な不信感を持たざるを得なかったことが少し残念。

もうひとつが、それでも、ひょっとしたらこの業態転換革命が実現するかもしれないと期待を抱かせる凄さだ。

確かに今業績は低迷しているが、持っている技術の潜在力の凄さが本書を読んであらためてよくわかった。

マキナニー氏は、このパナソニックの新たな挑戦を“幸之助革命”の再来という。

“幸之助革命”の幸之助とはもちろん創業者、松下幸之助。彼の電気革命が、時代を超えて今新たな革命として甦るというのだ。

さて肝心のパナソニックがめざす革命の内容だが、要点は2つ。
ずばり、グリーン化とクラウド。

具体的には、これまで単体の家電だった製品をクラウドで繋げることで、新たなサービス価値を生み出すことだ。
サービスの利用にはデバイスを選ばない。あらゆる場面のあらゆる要求に的確なソリューションを提供することが可能となる。

マキナニー氏もいうように、確かにここには驚くほどの宝の山が眠っているのだ。

本書はパナソニックの戦略を書いた本であるが、産業自体の未来予測書として読んでも非常に示唆に富んだ1冊である。実際に、避けて通れないグリーン化とクラウドコンピューティングの創造する世界。この変化に自分自身がどのように対応していけばよいのか、いろいろと考えるきっかけをもらった。

新社長を迎え、いよいよ本格的なパナソニックの新業態革命=環境(グリーン)革命が始まる。
そんなタイミングでの本書の出版は、まずは社員を鼓舞するインナーブランディングの意味合いが強いのかもしれない。社員が一丸となってのV字回復につながるのか、行く末を見守りたい。

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米ポートランドは世界有数のサステナブル・シティ。

アメリカ・オレゴン州のポートランド、勉強不足で恐縮だが、
アメリカだけでなく世界的に見てもサスティナビリティ(持続可能性)の最前線を行く街だという。

その現状をレポートする商い総合研究所代表、松本大地氏の“最高の「商い」をデザインする方法”を読んだ。



1970年代にはアメリカのごく当たり前の都市だったポートランドが、どのような経緯でサステナブルシティとして生まれ変わったのか、その街づくりのコンセプトは?などなど、日本のこれからの街づくりにも参考にできるアイデアが本全体に満ち溢れている。

とかくサステナビリティというと北欧などの例が挙げられるが、実はアメリカ国内にもこんな先進的な事例があったのである。

ポートランドが新たな方向を目指したきっかけは1970年代の石油ショックだそうだ。

新市長が住民に呼び掛けて進めた施策は次の3つ。

建設開始間近であった高速道路の計画を白紙に戻したこと。
その代わりにライトトレイルと呼ばれる市電のような乗り物で郊外と街を結んだこと。
そして地産地消の飲食店を中心に、人が集まり交流できる場を官民一体となって充実させたこと。

推進のコンセプトは「サステナビリティ」と「ウィーアード」。
この二つのキーワードをベースに環境共生社会を構築してきた。

それにしても、サステナビリティはそこそこ馴染みのある言葉になっているが、ウィーアードとは耳馴染みのない言葉。
風変わりなとか異様なという意味だそうだが、ここでは他の街と違い個性的である、という意味で使っている。
そのことを何よりポートランドの住民は誇りに思っているのだそうだ。

従って商う店も、チェーン店ではなくほぼポートランド発の個性的な店。どこにもない考え方で、訪れる人を魅了する。

このポートランドをお手本に日本での街づくりをコンサルティング、プロデュースする松本氏。
はじめに建築ありきではなく、あくまで「商い」を考え方の中心に据え、人の集まる賑わい、人と人の交流を創造することで街の活力を生み出すことを良しとする。

どんなにりっぱな計画があっても、人が不在の計画なら、長続きしないだろう。このポートランドこそがその貴重な教訓を教えてくれている。

日本でも富山市など、サステナビリティの先進都市をめざす例もあるが、まだまだ成長ありきの思想から脱皮できていない。そういう意味では、これからが楽しみではあるが・・・。

それにしてもポートランド、この本を読んでぜひとも訪れてみたい街のひとつになった。

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口紅を男に売って、ブランドはつくれるのか?

高倉豊氏の書いた「口紅は男に売り込め!~有名ブランド再生人の非常識な3原則」を読んだ。



高倉氏は広告代理店勤務18年を経て、外資系化粧品会社に転身。以降外資系ブランド計5社で20年にわたりブランド再生に取り組んだ人。

本書はその高倉氏の実際の経験をベースに書かれているだけに自然と彼の世界に引き込まれる。。
はじめての著作ということだが、要点がきちんと押さえられており文章も端的で読みやすい1冊となっている点は、広告業界で鍛えられた賜物だろう。

本の帯に、高倉氏の信条を表す言葉が記されているので紹介しよう。

「ピンチの時に一番大切なのは、できない理由を探すことではない。実行不可能な理想論を掲げることでもない。今与えられている条件の中で、解決策を見つけることなんだ!」

どんな厳しい条件の中でも、ソリューションは必ずあると高倉氏。

常識に囚われない自由かつ柔軟な発想が、売れないといわれた外資系ブランドで不可能を可能にしたのだろう。
現在のようなコモディティ化があらゆる分野で進んでいる時には、特にアドマン、クリエイターの発想が貴重な価値を持つと本書を読んであらためて確信できた。

たとえば、本のタイトルにもなった口紅のケース。
直接ターゲットの女性ではなく男性をターゲットに口紅をギフト商品に仕立て見事大ヒットを飛ばした。
その決め手となったのが、キャップに女性の名前を刻印するサービスだったそうだ。

しかし、奇をてらって商品が売れればそれでよいのだろうかと、ブランディングを研究するものとしてはいささか疑問を覚える。

特に気になるのは、それをプレゼントされた女性の何人がその口紅を愛用してそのブランドのファンになるのかという点だ。

ご承知のとおりブランド作りには長期的な視点がかかせない。
だから短期で売上げが上がってもリピートオーダーにつながらなければ、ブランディングという観点からは成功とはいえないのだ。

高倉氏がブランド再生人を謳うのであれば、それを持ってはじめて自身の使命を果たしたといえるのではないだろうか。本書を読んでそんな感想を持った。

それはそれとして、どんなに良い商品でも世の中に知られなければはじまらないと考えれば、高倉氏の発想力は大いなる武器になることは間違いない。

ライバルは見ない。現場は見ない。ロジカルに考えない。高倉氏が掲げる非常識な3原則。モノが売れないと嘆く前に実践してみる価値は十分にある。

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